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浅井長政家臣、安養寺三郎左衛門と信長

2009年10月03日 00:07

974 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 12:11:07 ID:d+eYVH7j
浅井長政の家臣に、安養寺三郎左衛門と言う者がいた。
この男、姉川合戦にて織田軍に生け捕りとされ、瀧ヶ鼻の信長本陣に召された。
信長は三郎左衛門に話しかける

「わしは、お前の一命を助けようと思う。…その代わり、わしの作戦案についての是非を
答えるのだ!よいな?

先の合戦で大勝利を得た以上、この勢いのまま小谷へ攻めかけ、一気に落としてやろうと
考えているのだが、このことどう思う?」

何故俺に聞く?三郎左衛門はそんな風にも思ったが、よく考えれば、これは浅井家への
忠をつくすチャンスでもある。今、混乱している小谷城に攻め寄せられれば、浅井は
ひとたまりも無いだろう。そこで…

「ははっ!長政は兵を率いて姉川表で戦いましたが、城には父君である久政が
およそ三千の兵を擁して守っております。
京の合戦で疲れた兵で、要害であり、かつ新手のこもる小谷城に攻め寄せると言うのは、
さすがに難しいかと…」

「そうか、それじゃあ諦めよう」
     *      *
  * (うそです)  +  
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)     ←三郎左衛門
      Y     Y    *
>

上手いこと信長の考えを変えさせた三郎左衛門に信長、今度はこんなことを頼んできた。


975 名前:2/2[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 12:12:08 ID:d+eYVH7j
「今日の合戦で多くの首を取った。お主はこれを見て、その姓名を答えよ。」

彼はそれを承知し、次々と首の名を答える。
浅井雅楽助、浅井兼之介、上坂刑部、上坂五介、関弥太郎、細江左馬…
みなみな、浅井の勇者と呼ばれた人々である。
その中でも、竹中久作が取ったと言う首を見て、三郎左衛門は大いに驚き、
竹中に聞いた

「こ、この方は、どのような働きをしておりましたか!?」

「この者は首一つ抱えて味方を装い、信長公の陣近くまで来て、『殿はどこに?』と
聞いてきた。そこで、こやつは敵だととっさに気付き、組討ちをして首を取ったのだ。」

「そうですか…、この方は遠藤喜右衛門殿と申します、
昨晩大衣山において、同輩と合戦の勝敗について語り、『もし負けるようなら生きては帰らぬ!
撤退するくらいなら、信長に一太刀浴びせてくれるわ!』と、申しておりましたが、
その言葉通り、信長公のお側近くまで進んだのですね。
本意は遂げられなくとも、あなたは流石の武士でござった。」

そうして次に運ばれてきた首を見た瞬間、三郎左衛門はにわかに顔色を変え、
がっくりと頭を垂れ、涙を流した。信長が「何事か?」と問えば、三郎右衛門

「この首は、私の弟、彦六と甚八のものでござる。
合戦の前、死ぬならば一緒だぞと語り合っていたのに、先立たれてしまうとは…
この上はどうか、お情けと思って我が首を刎ねてくだされ!」

そうして、それ以上首の名を答えようとはしなかった。しかし信長

「そうは言うが、わしは先に、おぬしの命を助けると言った。いまさら殺すわけには行かぬ。
どうかこのままわしの元に仕えてくれ。」

いつの間にやら信長、三郎左衛門に懇願していた。しかし彼も
「命をお助けいただいても、私は弟を打たれた恨みを晴らすため、小谷に帰り
織田と戦います!」
と言ってきかない。

そこでどうしようもなくなった信長、ついに三郎左衛門を、小谷に返してしまったそうだ。

信長が、なんだか妙に人のいいお話





976 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 12:41:31 ID:vGf3SFcD
ユダヤにはこんなことわざがある。「敵に相談せよ、そしてその逆をやれ」
っていうゴルゴ13のイスラエル兵士の台詞を思い出した。

977 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 13:41:00 ID:UpLJjvrd
>>974-975
そうだよね。
そこまで言われたら斬ってやるのが武士の情k・・・って返したんかいっ!w
変に素直だし、相変わらず憎めないなあ、のぶ。力作乙。

だいぶ違うけど、曹操と関羽の話を思い出したよ。

978 名前:人間七七四年[] 投稿日:2009/10/02(金) 14:00:33 ID:3zYNZYDQ
浅井は家中に忠義の士が多い気がする、朝倉よりはw

979 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 14:16:28 ID:9fP3CFK/
印牧能信、山崎吉家、鳥居景近、高橋景業、等々
朝倉氏なめんなw

980 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 15:07:39 ID:FB3vClcl
浅井家中だって、裏切りがぽろぽろ出たから追い詰められたのだしねえ

986 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 18:03:57 ID:HHB+4XLC
>>976
「敗軍の将、兵を語らず」のエピソードとは真逆の台詞やね
こういう裏っ返しになってる言葉を知るのは楽しい

987 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 18:25:00 ID:eSaYIah3
>>980
国人衆の集合体の浅井と古くからの名門の治める朝倉では、裏切りって言葉で
同列に片付けてはちと良くない気がする…。

989 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/10/02(金) 18:51:57 ID:9fP3CFK/
>>987
国人の集合体という意味なら朝倉も同じだし
4代前の朝倉孝景一号からの成り上がり者で名門と言うほどでもないじゃない


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