柳田國男に見る戦国時代「井上元重と百人力の河童」

2010年03月14日 00:09

643 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 04:35:44 ID:e8FHkPCO
ある民俗学者は「河童は弱い。そこらへんの農民と相撲を取って負けたりする。
たまに恩返しをするかと思えば持ってくるものが魚である。しょうもねえ。
雀の子だって大きいつづらと小さいつづらを持ってくる。どんだけ卑しい生き物だ」
なんてことを書いているのだが、中にはね、ヘタレでもヤンデレでもない河童もいる。

柳田國男に見る戦国時代
「井上元重と百人力の河童」

時は天文3(1534)年8月、梟雄毛利元就とその一党が、安芸の吉田に本拠を構えていた頃のこと。
吉田川の釜淵と呼ばれる水底に、淵猿<フチザル>と呼ばれる恐るべき大河童があり、人々に恐れられていた。
百人力の怪力をもって人馬を襲い食らう、正真正銘のモンスターであった。

これを退治してくれんと名乗りを上げたのが、毛利家の武人・井上元重、通称荒源三郎である。
源三郎は何の策略も工夫もなく、百人力の淵猿にいきなりガチンコの肉体勝負を挑んだ。
実は源三郎は源三郎で、七十人力であった。それは人類ではないと思うのだが、そういう設定なので仕方がない。
化け物同士の肉弾戦は長く長く続いた。しかし、最後に勝負を制したのは陸に住んでるほうの怪物であった。
淵猿の首を掴んで全力で振り回したところ、頭の皿に溜まっていた水が流れ落ち、淵猿は百人力を失ったのである。

こうして吉田川の淵猿は退治された。
そして、この話はここでばっさりと終わり、何の説話的オチもつかない。
百人力の淵猿は人語を解さなかった。解せるのだとしても、話さなかった。
彼は人に許しを請わず、取引を持ちかけず、起請文を書かず、手繋ぎの秘法を伝授もせず、
ただ化け物として戦い、ただ化け物として人に滅ぼされたのである。



なお、七十人力の源三郎は、天文19(1550)年の元就による井上一族粛清のとき、一族郎党といっしょくたに殺害された。
やっぱり人間が一番怖い。




644 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 04:54:39 ID:TlFKPjtD
なんとも救いのない話だな。。

七十人力の源三郎・・・・頭の中に山のフドウが出てきた。

645 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 06:44:49 ID:UNKRLSjy
この話で河童が川の象徴だとすると治水に成功した井上元重をたたえてる話ってことかな

646 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 08:44:55 ID:KFtrYBKR
ヤマタノオロチもそうだけど、この手の話はストレートに書けないから暗喩になるの?
普通に治水しましたではだめなのかなぁ

647 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 10:47:50 ID:UQFkL2cO
暴れ河の恐ろしさが伝わらないんだろうなあ。

649 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 11:14:39 ID:dKCFsgpZ
治水というよりは、治水技術系の山の民?ってつい考えてしまう

今で言う技術=超能力だった時代はわりと長いかも
ガテン技術で農業用の溜め池を作りまくったり、天文知識で暦を立てたり
するのが、普通の人からは「あいつら普通の人間じゃねー(良い意味で)」
に見えたとか

で、理屈を知って「なーんだ俺にも出来るんじゃん」が一般的になると
尊敬度が地の底まで落ちて「あいつら(略)(悪い意味で)」と・・・

651 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 12:07:25 ID:2jGU1g46
暦作るだけで魔法使いのような扱いを受ける陰陽師

652 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 12:44:58 ID:UQFkL2cO
うちの地方では、江戸時代に灌漑用水路をひいた大畑才蔵ってひとが尊敬されている。
戦国とはほとんど関係ないけど…
ttp://www.hashimoto-kanko.com/info/ijin/saizo.html

河童の説話は全くないね。人魚のミイラと言うあやしげなブツが伝わっているだけ。

653 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 12:56:46 ID:VZt8HzJn
麿作りたいな

654 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 17:48:23 ID:T+EzUc+0
暦をつくるってのは、季節や時間、農事、祭事を支配することにつながるからね
長く朝廷の特権だったのはそういうことで

>>643
これは治水とかよりも、本当に化物退治って筋だよな

655 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 18:35:20 ID:PVo7wvRz
スサノオとかみたいに知恵を使った描写がなく源三郎が七十人力だとか言って
真っ向勝負で勝ってるあたり治水伝説とかじゃなくて
源三郎が化け物に勝てるぐらい強いってただの逸話な気もするね
虎退治みたいなもんでしょ

656 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 18:51:52 ID:9ZG04fLB
岩手県の奥州市辺りは伊達家臣の切支丹技術者であった後藤寿庵が治水したはずだけど、その手の話しはあまり目立たないなあ。
遠野に全部取られたのかな?w

657 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 19:14:19 ID:dKCFsgpZ
>>656
「ばてれんのワザ」を迂闊に語るわけに行かなかったんじゃないかな・・

あと鉄砲みたいに、理屈は良く解んないけど何かそういう人為的な
仕組みなんだろう的な把握の仕方だったかも?

658 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 20:54:02 ID:FLJ/Fef4
>>643
ウォーズマン理論だな。回転力×2で七十人力が百四十人力に!


659 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/14(日) 01:37:05 ID:H+rGrAMc
>>649
そういえば、剣術使いはかつて飯綱(妖怪)使いなんて呼ばれていたよな。
 
660 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/03/14(日) 01:46:50 ID:gIaXg5e+
>>659
戦国時代でも「飯綱使い」はマジシャンや曲芸師と言った意味合いが強いと思う。
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