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長篠合戦の図〔鉄炮片眼打の事〕

2016年09月08日 17:37

173 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/09/08(木) 11:25:17.38 ID:Rn2M2SzC
長篠合戦の図〔鉄炮片眼打の事〕

 成瀬隼人正の家に長篠御合戦の古図があると、年来聞き及びながら過ごしてきた。
そういったある日にふと幸便があり、借覧を請うてみたら、
彼も部屋住みのときからの知り合いだというので、こころよく貸与してくれた。

 そこで模写させる傍らで絵を視てみると、
長篠城の体から、
勝頼が敗軍して武田の武将のかなりの数が突撃して討ち死にする体、
兵馬旗鼓の状態、
実にその場の真を写すに十分であった。
考えるに、当時の目撃人が描いたのであろう。

 その中の信長の先兵は、神祖の御兵と陣を並べて烏銃を発砲する様を描いたところを
詳しく見ると、信長の兵は十に一か二であるが、神祖の御兵はすべて皆片目で撃っている。
これから思うと、予の藩士が烏銃を撃つときは皆片目である。
 予は初めは田付武衛等の流派では、両目を開いて撃つので、領内のは田舎の旧風であろうと思っていた。
そこで、今は全て田付武衛のに従わせている。
しかし神祖の御時ではもっぱら片目での銃法があることを、これにて知ることができた。

荻野長(八百吉)が言うに
先年系譜修撰の御用を勤めたとき、稲富氏の系譜の中に隻眼烏銃の術を神祖に申し上げるというのを書載していて、
なおかつその時に稲富氏に神祖が下賜された御誓書は、今正しくその子孫に伝わっているという。
この稲富流があるのは世に広く知られていることである。
昔は稲富の法を御当家が採用されたことはこの古画で知ることができよう。

また予の領内で伝えられた隻眼の術は真柳流というとか。
今はその伝は絶えて名のみ残っている。

(甲子夜話)



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    伊達政宗さんがこのスレに興味を示しました

  2. 人間七七四年 | URL | -

    数年前、どこかの歴史雑誌についてたDVDで見た「火縄銃実演」も、
    やはり「両目を開いて」だったと記憶している。
    構えると火縄から目が近いし、発砲時に火の粉が飛ぶのにも関わらず、
    撃ち手が瞬き一つしなかった事があらためて驚きだった。

    しかしやはり片目の方が安全だし…精度が高いとかあるのかね。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    撃つ瞬間は流石に閉じるんじゃないかな

  4. 人間七七四年 | URL | -

    現代の狙撃兵は平時と変わらない感覚で撃つために両目開けて撃つように訓練するらしいね

  5. 人間七七四年 | URL | -

    記事と関係なくて申し訳ありません。
    「真田丸特別展」で上田のみ「長篠の戦い」で討ち死にした真田信綱、屋代某が来てた陣羽織が展示されました。私は図録でしか見てないのですが、信綱の遺体を家臣が陣羽織で包んだ「血染めの陣羽織」、屋代某が「経文の陣羽織」は壮絶でした。「血染め陣羽織」は、信綱の菩提寺「信綱寺」では血染め陣羽織や甲冑等が宝物館(事前予約が必要)に保存されてます。興味のある方は、一度訪れてみたらいかがでしょう。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    ノブ「やはり三段撃ちはあったんやな!」
    勝頼「どこをどう読んだらそうなるのよ」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    因みにゴルゴは両目開け派。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    自衛隊の狙撃手も両目で狙う。多分米軍も両目だと思う

  9. 人間七七四年 | URL | -

    戦国時代や江戸時代の鉄砲術でどうであったかはさておいて
    現代における銃の射撃では片目だけ閉じたりはしない

    片目をつむると顔の筋肉が収縮し緊張状態になる
    筋肉は収縮状態だとピクピクと勝手に動いてしまい
    それが銃の揺れや動きに繋がるため(銃の頬あてから銃に伝わる)

  10. 人間七七四年 | URL | -

    周囲の様子も把握しておく為に両目を開けとくって話を聞いた事が

  11. 人間七七四年 | URL | -

    鉄砲伝来という本によると、南蛮人から銃を撃つ時の秘訣として、片目で撃てって言われているから、少なくとも初期にはそういわれていた可能性はあるな。

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