長篠に後詰のため出陣すべきや否や

2016年10月14日 21:15

245 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/10/13(木) 21:46:35.99 ID:bYvnjc+T
織田信長は、毛利河内守秀頼、佐久間右衛門尉信盛を召して聞いた

「長篠に後詰のため出陣すべきや否や。各々、異見を申し述べよ。」

先ず、毛利秀頼が言った
「御出陣は無用です。何故ならば、味方は大軍ですが新参の集まりであり、武田方は小勢ですが、
信玄以来磨き上げた精錬の兵たちです。また長篠は切所が多く、大軍の駆け引きが自由にならない場所で、
小勢に利があり大軍に不利な地です。

今回の戦いに勝ちを得るためには、敵を広場に誘い出すよりほかありません。ですが武田には、
馬場、内藤、山縣ら武功者の老臣たちがあり、このような計略には乗ってこないでしょう。
そして実際にそのような結果になれば、我らは徒に対陣の日を重ね、その間に武田は、
瀧川あたりの切所に押さえを置いて、長篠城を攻め落としてしまうでしょう。そうなれば、
織田徳川の両旗にて、しかも敵に倍する大軍を率いて後詰しながら、目前に城兵を見殺しにし、
出来ることも出来ずおめおめと御馬を返す事となり、天下の嘲りを受けるでしょう。

無理な合戦をすれば、必ず負けるものです。」

これに対し佐久間信盛は言った
「毛利殿の申される所、至極尤もです。ですが万一御出馬無い時は、かねてから徳川と取り交わしていた
御誓詞は水の泡となり、家康は武田方と合体するでしょう。そうなれば御当家は甚だ手薄な状態となり、
今後の御家運もいかがかと考えます。

ですから、この度は勝っても負けても御出馬あるべきです。」

信長はこの意見に賛同した。
「これはおもしろき右衛門が言葉である。早々に出馬いたそう。」

ここで佐久間は更に申し上げた
「御合戦に御勝ちなされたいのなら、御勝たせ申し上げましょう。この事について、私に一つの才覚が
あります。何とそ信盛に一任してください。但しこれは、私が武田に心を通じてこのような事を
言い出しているわけではありません。後日の証拠に、起請文お手元に差し上げ置き、その上で武田に対する
計策を申し上げます。」

そして誓書を献じた上で述べた
「先ず長坂長閑、跡部大炊助の両人に金を取らせて謀りたいのです。」

「易き事である。何なりと取らせてやる。良いように取り計らえ。」

「では金銀に添えて、光忠の脇差も賜りたく存じます。」

こうして信長は家康家臣の小栗大六重常を召して「近日出陣する」との意向を伝えた。
大六は大いに喜び、御前を下がるとそのまま岐阜を出立して急ぎ浜松に帰り、あった次第を詳細に
家康に伝えた。家康も大喜びし、即座に陣触れをして岡崎まで出陣、信長をここで迎えるとした。

信長は浜松に返事を済ませると直ちに陣触れを行い、5月13日岐阜発陣、熱田に着陣後、桶狭間勝利の
吉例を用いて熱田神宮に参詣し、神官の田島丹後守、惣検校の千秋喜七郎に御目見得を許した。
この時、内陣において轡の音がし、これに信長は歓喜した
「この合戦、神明の加護を以て勝利を得れば、当社は勿論、八剣の破損、及び末社に至るまで残らず造営、
修理いたそう!」

そして翌15日、岡崎城に着陣した。

(長篠軍記)




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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    何故だろう?信盛さんが意見を言うと、どうしても死亡フラグに見える・・・

  2. 人間七七四年 | URL | -

    のこのこと広場に誘い出されちゃった
    なんでだろ?

  3. 人間七七四年 | URL | -

    さすが軍記物。
    いろいろ突っ込みどころが多過ぎる(笑

  4. 人間七七四年 | URL | -

    こうして5年後の折檻状の項目が一つずつ増えていくんだな。
    って、長篠については何も無かったか。

  5. 人間七七四年 | URL | JalddpaA

    とりあえず長坂、跡部を出しとけ感

  6. 人間七七四年 | URL | -

    海千山千な佐久間さんパネエっな

  7. 人間七七四年 | URL | -

    佐久間が長坂、跡部の調略を進言したのは分からないとしても、武田に対しての復仇、あるいは復讐心に燃えていたというのはあるかもしれない。
    三方原の戦いで采配をして大敗し平手汎秀を討たれ、退き佐久間の異名に泥を塗ったわけだし、結果を出したい気持ちはあったんじゃないかと思える。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※7
    佐久間は徳川担当の取次ポジだったのかなと思ってみたり。
    援軍の大将になるとか境目を任されるとかどーもそれっぽく感じる。
    そうすると職務上徳川への肩入れというか思い入れがあったのかもしれない。

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