隆元と元春(2) 抜け駆け禁止令違反者の処分の事

2016年11月24日 14:35

345 名前:人間七七四年[] 投稿日:2016/11/24(木) 14:09:02.66 ID:BJS/7tYa
隆元と元春(2) 抜け駆け禁止令違反者の処分の事

>>332-333の軍令違反者による合戦は毛利方に大勢の手負いを出したものの、二宮・粟屋らの奮戦により敵方も城主、菅田一族の者が討死するなど両軍とも進退極まり兵を収めた。
普段ならば隆元や元春が士卒の功を称し、負傷した者の元を訪れ涙ながらに傷を撫でてくれるのであるが、今回は固く定めた軍法を破ったが為、労いの使者すら送られてこなかった。
一方、元春は隆元の元へ宮庄次郎三郎元正を使者として遣わし、この度の軍令違反者についてこう述べさせた。
「今回、我が手の者どもが軍法を破り、一戦を遂げました。
これにより味方は九十六人も手負いが出て、
そのうちの綿貫兵庫助と申す者が討ち死にしました。
このくだらない合戦を仕掛け、味方に多数の負傷者を出したのは、
粟屋・二宮の責任が大きいので、即刻首を刎ねなければなりません。
しかし、一歩引いて愚案を巡らせるに今回は陶と一味して初の戦となります。陶にその証を立てる為にも一戦交えるのが良かったのではないでしょうか?
そのうえ、元就公のご出馬がなく、隆元公と元春の二人が出てきています。
若い隆元公に私のような者がお供して、大将を名乗って打って出ていますので、
一戦しないのもいかがかと思います。
ですから今回は、どうかお許し願えないでしょうか」と再三申し入れた。
しかし隆元は
「そのように聞くと、確かにそのとおりだと心を緩めたくもなる。
だが固く制定した軍法に背いたのだから、これからの諸卒への見せしめのためにも、許すことはできない」と返答した。
これもまた道理なので、元春もどうにもできず、その後は何も言わなかった。

また、隆元と元春は武永四郎兵衛尉を父元就の元へ遣わしこの日の戦を報告させた。
元就は武永と対面すると、「詳しく様子を報告してくれ」と言い、武永は粟屋・二宮の鑓働きの様子やそのほかの諸卒の働きを細々と語った。
元就はすっかり上機嫌になって「お前たちはその戦場には行かなかったのか」と尋ねると、
武永は「私も及ばずながらそこに駆けつけ、鑓の者の脇で弓を使って補佐していましたが、
軍法を破る行為でしたので、隆元様・元春様のご機嫌を損ねてしまいました」と答えた。
元就様は愉快そうに笑うと、「軍法を破ったことは不義の至りだが今回は陶に一味してから初めての出陣だ。
陶との同盟の証拠として一合戦しなければならないところだ。
その若者たちは、よくそこに気がついて一戦してくれた。
粟屋の怪我は深いのか。二宮はどうだ」などと詳しく尋ね聞き、
武永にも盃を与えて褒美を取らせた。
元春への返事にも「今回は陶に一味した証拠に、それらしい合戦をしなければならかなった。
そこに御手の衆が比類なき働きをしてくれたのは、
今に始まったことではないとはいえ神妙の至りである。
戦功の軽重をただし、勧賞を行ってやりなさい」と送った。
これで、昨日合戦をしでかした者たちも胸を撫で下ろしたということだ。

この時、総大将の隆元が何を思ったかは誰も知らない。

続き
槌山城降伏の事 平賀隆保切腹の様子


346 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/11/24(木) 14:14:06.21 ID:8D69oZrn
自殺したくもなるね

347 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/11/24(木) 14:52:23.92 ID:sw+eGJaZ
>>345
元春と元就の言い分が全く同じとか、お兄ちゃんの立つ瀬がねえw

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    よくよく考えたら輝元にもこの流れが受け継がれて行くんだなぁ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    隆元「父上までそんな事いうの?やっぱ私には味方いないのね…」

  3. 人間七七四年 | URL | -

    これは親兄弟に対して愚痴の一つもこぼすわ・・・
    何の為の大将の命令なんだ

  4. 人間七七四年 | URL | -

    伊豆守「隆元殿の気持ち、痛い程分かる。」

  5. 人間七七四年 | URL | -

    建前でも対外関係を重要視した元就と、それに追従した元春。
    一方で大内家から自立する考えを内外に隠しつつ、次期当主としての器量を家中に示そうとした隆元兄ちゃん。
    という風に見えたが、弟を抑えられなかったってだけでも自尊心ズタズタだろなぁ。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    隆元「ヒャッハーな親父殿と弟、東国無双の舅に鬼嫁まで持って伊豆殿もさぞ寿命が縮んだ事でござろう…(同情)」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    この辺り神君なら臨機応変なんだろうな

  8. 人間七七四年 | URL | -

    隆元(戦わずして勝つ、算段ついてたのになぁ…)

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ※8
    隆景「父上と兄上が言ってるのはよくよく考えれば陶との同盟の証として一合戦する必要があったよねという話であって勝ち負けの問題ではありませんぞ兄上」

  10. 人間七七四年 | URL | -

    ※9
    隆元「でもさ、損害と出費は少ない方が良いだろ?最近タダでさえ戦費やら父上の策の工作費や何やらで出費多くてやり繰り大変なんだからね…」

  11. 人間七七四年 | URL | -

    隆元「それにさ、父上からの手紙に返事出すための紙代と墨代と人件費も馬鹿にならないのよ…」

  12. 人間七七四年 | URL | -

    光秀なら本能寺ですわ、これ。

  13. 人間七七四年 | URL | -

    隆元は早死にしたのは本人にとっても毛利家にとっても幸せだったね。
    いかに優秀な二代目であっても、こうも親兄弟や家臣から軽んじられるんじゃ元就没後は内乱コース一直線だわ。

  14. 人間七七四年 | URL | -

    少なくとも隆景は隆元兄ちゃんを失って大いに取り乱したとあるから、家中で軽んじられてはいなかったと思うぞ。
    兄弟間のコミュニケーションが上手くいかなかったってのはあるだろうが…。

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