終に往く道をば誰も知りながら

2016年12月23日 21:09

455 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2016/12/23(金) 01:02:42.42 ID:bjWOvYiP
 小日向の竜興寺は、高所で富嶽遠眺の勝地である。
寺に桜樹がある。神祖が御詠み短冊に書かれたのを収蔵しているという。
この地は初め桜野といって、桜樹が多くあった広い地である。
神祖が御遊覧のときの御詠を桜樹につけ置かれていて、
その辺に釈迦文院という真言の小院があって、御帰りのあとにその御詠を取り収めていた。
寺の開山玄門和尚が創建のときにここを見立てて暫く釈迦院に寓していて、
そこで御詠を請い受け、竜興営造のとき寺の鎮守として小祠をたてて御短冊を神体として祭ったという。
御詠は

終に往く道をば誰も知りながら 去年の桜に風を待ちつつ

〔竜興寺で聞いて記した〕

 このときの御成りに従った左右の中で、杉浦吉右衛門はこの御詠の御書き損じを拝領して伝襲している。この孫が、今杉浦備後守と称して御小姓である。竜興寺の檀家という。

〔近頃、日向国の拙堂和尚という者がこの寺に宿して賦した詩がある。
地の勝趣を知ることができるので、ここに記す、

下界人家天上雲、芙蓉八朶望中分、
尾侯第隔青松見、護国鐘蔵緑蔭聞、
万里清秋霽漂渺、一輪紅日暁氤?
結句は今忘れた。〕

(甲子夜話)



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