660 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/02/19(日) 05:13:29.02 ID:DIV2tWCx
産湯八幡付産湯の井併井辺の大楠
あるとき田安殿の臣、山口某なる者が語った。
神祖の御母の里で、松平太郎左衛門の祖が御男子が無いのを憂られ〔広忠公であろう〕、
三河峯の薬師へ祈願として籠られると、
その庭前で光明を発しその地を穿つこと五寸余り、そこに金像を獲た。
これから後、神祖が御生長されるとこの金像を産湯の八幡と称しその社を構えられたという。
また地を掘った穴かた清泉が湧出したので、すぐに御産湯に用いられた。
その処を指して産湯の井と呼び、いまなお在るとか。
この井戸の辺りに楠の大木があった。
後に神祖がこれを伐られて、その材を用いて御船を造られた。
これが安宅丸(あたけまる)であると。
この楠材の残片が有ったので、山口某が伝蔵していた。
それを黒羽侯〔きっと大関老侯(大関増業)であろう。老侯は殊に茶事を好んでいる。〕
が求めて茶器の棗とされた。
この器を制作されるときの切屑が存在して、
瘧を患った者に服させると瘧はたちどころに落ちたという。
以上、前後そろってない話だが、聞くままに記した。
(甲子夜話三篇)
産湯八幡付産湯の井併井辺の大楠
あるとき田安殿の臣、山口某なる者が語った。
神祖の御母の里で、松平太郎左衛門の祖が御男子が無いのを憂られ〔広忠公であろう〕、
三河峯の薬師へ祈願として籠られると、
その庭前で光明を発しその地を穿つこと五寸余り、そこに金像を獲た。
これから後、神祖が御生長されるとこの金像を産湯の八幡と称しその社を構えられたという。
また地を掘った穴かた清泉が湧出したので、すぐに御産湯に用いられた。
その処を指して産湯の井と呼び、いまなお在るとか。
この井戸の辺りに楠の大木があった。
後に神祖がこれを伐られて、その材を用いて御船を造られた。
これが安宅丸(あたけまる)であると。
この楠材の残片が有ったので、山口某が伝蔵していた。
それを黒羽侯〔きっと大関老侯(大関増業)であろう。老侯は殊に茶事を好んでいる。〕
が求めて茶器の棗とされた。
この器を制作されるときの切屑が存在して、
瘧を患った者に服させると瘧はたちどころに落ちたという。
以上、前後そろってない話だが、聞くままに記した。
(甲子夜話三篇)
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コメント
人間七七四年 | URL | -
聖人伝説の一種かな?
( 2017年02月19日 14:39 )
人間七七四年 | URL | -
伊豆半島の真ん中辺りに吉奈温泉というのがあるんだけど、開湯は行基菩薩、子宝の湯としてお万の方伝説がある。
( 2017年02月19日 21:44 )
人間七七四年 | URL | -
wikiだと安宅丸の建造は家光が命じたとあるんだが
( 2017年02月20日 09:35 )
人間七七四年 | URL | EybeWf1w
古奈温泉って伊古奈さまと関係あるんだろうか
( 2017年02月20日 19:03 [Edit] )
人間七七四年 | URL | -
古奈温泉じゃないよ、吉奈温泉だよ。
修善寺から天城街道を上っていって、出口の三叉路を過ぎて、月ヶ瀬温泉と嵯峨沢温泉の真ん中辺りから船原峠の方に入っていったところ。湯ヶ島温泉と浄蓮の滝はまだその先。旅館は2軒しか無いけど、さかや旅館がお勧め。善名寺(ぜんみょうじ・天台から日蓮に変わった・多分、よしなの名前の元。)というお寺があったりする。
( 2017年02月20日 20:30 )
人間七七四年 | URL | EybeWf1w
※5
これは失敬
全くもって見えてなかったorz
( 2017年02月20日 22:00 [Edit] )
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