そのときは拙者とて

2017年06月16日 17:55

35 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 23:50:57.07 ID:dWS33giL
天正十九年十二月二十八日、近江中納言秀次公は関白に任ぜられた。
その礼として家康公から井伊兵部大輔直政を遣わされた。
そのとき秀次公は囲碁をされていて、直政を呼んで物語をされた。

「昔、私が三好孫七郎といったときは直政も無官で万千代と申していたな。
会合して碁を打ったが、その時は直政は碁が強くて私は弱かったものよ。」

その碁の話に事寄せて、尾張長久手の合戦に直政に打ち負けた事を思い出して、
それとなく

「今、私と直政とでは昔とは手合わせは違ってくるだろう。
私も忝くも関白に任ぜられたのだ。勝負も大いに変わるはずだ。」

と笑いながら御申されると、直政は

「そのときは拙者とて無位無官の万千代。
只今は四位の侍従に叙任されています。
手合わせもそれほど昔と変わらないでしょう。」

と恐れることも無く答えた。
時に取って意地の有る申し分といえる。


『武士としては』


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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    カッコいい!

  2. 人間七七四年 | URL | -

    秀次さんは真田丸の人当たりのいい孫七郎で脳内変換されるからほのぼのに見えてまう

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