彦根藩士は美服奢侈の排すべきを

2017年06月16日 17:55

33 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 19:40:10.63 ID:HMJ96zTR
井伊直孝は華美の風が上下を通じて一つの流行となった事を憂え、自藩にだけは昔ながらの士風を振作したいと考えていました。
江戸からの帰途、彦根に向かうために琵琶湖を横切って行くほうが近いので船により、彦根城の天守が見えた時に、藩士たちの出迎えを想像することもできました。
「皆の者。江戸出立の際、その方達に渡した荷物があろう、あれを開けい。」
「はっ。」
家臣たちは前々から気にかかっていたその荷物を開けると、中からは袴まで揃えた一揃えづつ綿の着物が出ました。
直孝は快活に笑い
「それに着換えいたせ。」
藩士たちは久しぶりでの国入りに綿服を着て同輩に会うのを気恥ずかしいと思いましたが、主命なので否応もなく渋々着換え終わった時、船は城下の岸に着きました。
出迎えの藩士の面々は直孝の後に続く士たちを見て、一人残らず綿服なのにどきりとしました。
出迎えの藩士は、己の姿を顧み、美服が粗服を迎えに出た形に妙な空気を醸し出しました。
「大義。」
直孝は、出迎えの士をいたわりましたが、衣服については帰城の後も言及しませんでした。
黙っていても、藩士たちには彼の心が分かったので、以後、彦根藩士は美服奢侈の排すべきを悟ったのです。
日に日に藩士の風俗は改まり、堅実な風が、以前とは逆な方向に吹いたのです。

(常山紀談)



34 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/06/15(木) 22:59:14.80 ID:0xUE2tCx
慶喜「贅沢でもいい。忠義を尽くしてほしい」
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    こういう質実剛健さに憧れるわ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    権現様はむしろ服装を重視したのに(忠勝だって形から入れと言ったのに)、
    「昔ながらの士風」だとか言って何で後世はこうなったのかよくわからない。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    いかにも常山紀談が好きそうな質素倹約奨励型逸話だなw

  4. 人間七七四年 | URL | -

    葉っぱ一枚あれば良い、そんな歌あったな

  5. 人間七七四年 | URL | -

    慶喜の父親と井伊直弼との間にあったこと考えれば
    忠義も何もあったもんじゃないだろうと言いたくなるが

  6. 人間七七四年 | URL | -

    家光「※4の言やよし、これより参勤交代は全員葉っぱ一枚とする」
    信綱「大ぶりな葉っぱは値が高騰しそうですな、早速手を打ちまする」
    忠勝「…男の胸板が見たいだけではありませんでしょうな?」

    すったもんだの末コッドピース的な位置に落ち着くのであった。

  7. 人間七七四年 | URL | -

    世界が日本だけで閉じてりゃ、一億総質素倹約でも良かったんだろうけどねえ

  8. 人間七七四年 | URL | -

    金持ちは質素倹約なんかせず散財してくれた方が世のためにはなるがな

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ただし金持ち同士で散財しあっても意味はない

  10. 人間七七四年 | URL | -

    彼らは金持ちという扱いでいいのだろうか

  11. 人間七七四年 | URL | -

    政府みたいなもんだから、経済まで考えたか知らんが緊縮方針はありっちゃあり
    是非はともかく、自分の意見を通すのに上手なやり方だとは思う

  12. 人間七七四年 | URL | USanPCEI

    現代でも言える事だけど、
    お洒落は、周囲への見栄から競い出し、
    だんだんエスカレートする事があるから(しかも伝染するし)
    そうなったら上が一旦リセットしてやる必要はあると思う。

    お洒落しないと働き辛い職場とかどうよ?

  13. 人間七七四年 | URL | -

    パリコレで奇抜な衣装を見かけるけど、モデルは恥ずかしくないのかな。

  14. 人間七七四年 | URL | -

    富の蕩尽って有史以前から存在する文化だし(宗教的意味もある)
    現代人が倹約するのとは別ベクトルの抵抗感があったんじゃないかなと思う

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