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朧月夜にしくものぞなき

2017年10月16日 19:43

321 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/10/16(月) 18:33:58.00 ID:0h1KkTJT
豊臣秀吉が名護屋に在陣していた時のある日、陣屋を巡視していたが、ある小屋の庇に額が掲げられ
「朧月夜」とあるのを見た。
秀吉はしばらく考えていたが、ふと、左右を顧みて尋ねた
「これは誰の小屋か?」
「殿下の臣、野間藤六の小屋です。」

やがて小屋の主人、野間藤六が出て秀吉の前に平伏した。
秀吉は彼の姿を見るとうち笑って

「汝は敷物が無いのか。」

そういうと畳に白米を添えて与えた。これはこの額が、『朧月夜に”しくものぞなき”』という古歌によった
ものであると察したためであった。
(元歌は新古今和歌集にある大江千里の『照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜に似るものぞなき』)

またこれと同じ時に、小屋場の僅かに空地のある場所に菜を植えている者を見て大いに賞賛し

「永陣と見て退屈せずわずかの土地をも虚しくしない、誠に武士の注意かくこそあらまほしけれ。」
と、その小屋頭を召して白米を与えた。

(今古雅談)



322 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/10/16(月) 18:57:42.01 ID:TgZ2Wb+O
角川スフィア文庫の「新古今和歌集」第一 春歌上 55だと
「照りもせず曇りもはてぬ春の夜のおぼろ月夜にしくものぞなき」
で「しくものぞなき」だが異本だと違うのかな

323 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/10/16(月) 23:50:02.07 ID:MyjBEA0U
本来は大江千里が「如くものぞなき」と歌ったのだったが源氏物語ではこれを改変して「似るものぞなき」としたとのこと
新古今集には前者が採用されている
ちなみにこの歌はオリジナルは唐の歌でそれを和訳したもの

324 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2017/10/17(火) 00:12:27.94 ID:Xw26Rndi
和訳というか元にしたというか

白氏文集・嘉陵夜有懐 其二

不明不闇朦朧月(あかるからず くらからず もうろうのつき)※新古今集では「不明不暗朧朧月」

非暖非寒慢慢風(あたたかからず さむからず まんまんのかぜ)

独臥空牀好天気(ひとりくうしょうにふせば こうてんき)

平生閒事到心中(へいせいのかんじ しんちゅうにいたる)
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    ちょっと調べた感じでは

    「朧月夜にしくものぞなき」が大江千里の元歌、
    「朧月夜に似るものぞなき」がそれを本歌取り?して
    紫式部が朧月夜の君に源氏物語中で歌わせた歌(光源氏を誘惑する歌?)、

    のようだな。
    どっちも原典まで当たってないので識者求む

  2. 人間七七四年 | URL | -

    太閤殿下が源氏の方を思い浮かべてたら、「煮るものぞなき」で野間は芋や大根でももらったのだろうか?

  3.   | URL | -

    織田信孝の亡霊「野間か、
    昔より主をうつみの野間なれば・・・
    筑前、風呂にでも入ったらどうかな」

  4. 人間七七四年 | URL | sSHoJftA

    源義朝の亡霊「風呂に入る時は小太刀を忘れんなよ!」

  5. 人間七七四年 | URL | -

    4
    前田慶次「竹光だぞ」

  6. 人間七七四年 | URL | -

    *2
    後の筑前煮である

  7. 人間七七四年 | URL | -

    太田道灌の亡霊「主を信用してはいかんぞ。あと風邪引くな」

  8. 人間七七四年 | URL | -

    野間「道灌様、山吹の花をどうぞ」

  9. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉は博識だな。
    どこで知識を身に付けたんだろう。

  10. 人間七七四年 | URL | -

    ※9 多分、褥だろ

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