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されば流言とは

2018年07月30日 18:16

983 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/07/30(月) 16:47:23.05 ID:W5bsNJ4y
天正3年、臼杵の浦に明船が着岸し、このとき猛虎四匹、大像一匹、孔雀、鸚鵡、麝香、そのほか
書巻の名筆、あるいは絵讃、並びに綾羅綿繍伽羅猩々緋の皮二十間つづき、以下種々の珍宝が渡された。

天正4年の夏、南蛮国より大いなる石火矢が到来した。肥後国より修羅を以て、豊後臼杵丹生の島に
引き上げた。大友宗麟は大いに喜び、この大石火矢を『国崩』と号した。

然るに、誰言うと無くこの大石火矢を国崩と号したこと、大いに不可であると沙汰された。
また、それに続いての流言には、前に渡ってきた四匹の虎も不吉であり、日取りを以てこれを見るに、
その文字に違いが有ると言っても四匹の虎は滅ぶ日であり、これを不吉の相であるという。
またある人が言うには、尚書に珍禽奇獣国に育たわずと伝わり、これを育てるのは然るべからずと申した。

されば流言とは、根のない言葉が水のように流れ、世間に至る。これを流言とも残言とも言う。
天に口無く人をして言わしむとはこれであると、諸人密かに言い合った。
しかし宗麟はこれを聞いて、「一人虚を伝えれば万人実と伝う。一犬吠える真似をすれば万犬声を上げて
吠えるという事もある。」そう言ってこれらの話を気にかけようとしなかった。

(豐薩軍記)



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    今の感覚で言えば宗麟の反応のほうが正しいが当時は迷信深かったろうしなぁ
    正しくとも迷妄なる衆愚に分かりやすく説明するか上手く言いくるめるかしないと理解はしてもらえない
    宗麟の優秀さと家臣団との乖離ってそういうところにもあったのかな

  2. 人間七七四年 | URL | -

    と言うか嘘から出たまこととか火の無い所に煙は立たぬとかいう諺が通じる時点で今も昔も大して変わらんと思う
    迷信深さも昔の人を馬鹿にできるほど変わってないだろう

  3. 人間七七四年 | URL | -

    未だに政治が悪いから天変地異が起きるというようなことを言って憚らない人大勢いるしね。
    それも政治家とかジャーナリストとか人権主義者までが堂々と口にする。
    人間そうは変わんないよ。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    そーりん「だからわしの悪政やら好色やら耳川やら吉利支丹やらも鵜呑みにするでないぞ」

  5. 人間七七四年 | URL | -

    はいはい、後出しジャンケン

  6. 人間七七四年 | URL | -

    ※4
    そこら辺はホントに鵜呑みにしたら危険だけどな
    そもそもやってない可能性や宗麟じゃなくて吉統の可能性もあるからさ

  7. 人間七七四年 | URL | -

    >肥後国より修羅を以て・・・

    北斗の拳や某都市の俗称を想像したが、
    修羅=巨石など重い物を載せて引く、そりの形の運搬具
    という意味がちゃんとあった。

    橋守に行ってくる・・・

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※7
    まぁ某北斗の連中がソイヤソイヤしてる絵面も面白そうではある

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