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明智光秀の最期

2018年09月22日 17:47

194 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/09/22(土) 14:13:27.79 ID:khh+DCR8
(山崎の戦いの時)

光秀は先手が追々敗走するのを聞いて心中大いに悶乱し、後悔しても甲斐もなきことであった。時に御牧
より使者がやって来て早く引き取りなされと諫めるも、光秀の心は一向に定まらずとやかくと先延ばした。

比田帯刀秀照が光秀を諫めて「進むも退くも時による。先々今夜は青龍寺まで引き取り、明朝は坂本へなり
安土へなりと引き取りなされ。安土には左馬助(明智秀満)が2千余騎で在城しておりますから、いまだ

頼みがないわけではありません。早く早く!」と勧めると、光秀は途方を失って「青龍寺はどの方向だ!」
と尋ねた。帯刀は馬から飛び降りると光秀の馬の轡を取り、馬を引き立てて進めた。しかし敵は早くも道を

差し塞いだ。進士佐左衛門と関田太郎八は馬前に進み、前途を遮る敵を攻め破り引き返しては追い払った。
光秀はようやく逃げ走らんとするも本道には敵が充満して行くこと叶わず、田間の小道を過ぎて青龍寺の

総構堀に馬を乗り入れ土居を登らんとしたが馬は疲れて登れず、進士佐左衛門が来て光秀を馬から降ろし、
その馬を引き上げて光秀を抱え乗せ大手の橋より青龍寺に入った。光秀が櫓に上り四方を望めば、

敵の大軍は雲霞の如く、その旌旗は風に翻る。「ああ夥しき軍勢かな! 敵の人数は3万7千5百余騎とは
聞いていたが、かくも目に余る大勢は近国の勢が集まったのか、それとも味方の人数が敵に加わったのか。

四面楚歌の声したる項王の陣中も同じ思いであったのか!」と光秀は慌てふためいた。そこで人数の着到
を試みたがその人数を見るに、申の刻までは騎士530騎、弓鉄砲の軽卒6百人余いたものが、それも酉
の刻には上下百人に満たなくなった。光秀はよほど心取り乱したのか、この6月の極暑炎熱であるのに

朝から着ていた具足を着替えずに、まず坂本へ引き取ってともかくもせんと評議一決し、夜半の鐘を待ち
青龍寺を逃げ出た。付き従う輩は一番に明智勝兵衛(溝尾茂朝)、その後より光秀、進士佐左衛門、

堀尾与次郎、山本仙入、三宅孫十郎、村越三十郎らであった。その後、小栗栖の方へと小幡の古道を急ぎ
行くと、傍の藪陰にたむろしていた百姓一揆どもが落人と見て、藪の中から真っ先に進む勝兵衛を突いた。
(原注:原書は村越三十郎とする)勝兵衛の甲冑は札の良い胴丸なので裏を突き通しはしなかったが、

馬から突き落とされた。その次に乗り来る光秀は胴腹を突き抜かれた。光秀はあまりに狼狽してこの6月
の炎熱の中で今朝から着ていた具足を着替えもせずにいたので、槍はぐさりと具足を突き通した。

光秀は「憎き奴!」と言いながらそこを乗り抜けたが3町ほど進んではたと落馬した。供の者ども大いに
驚いて駆け集まり「坂本までの道はもう近くです!」と申したところ、光秀は腸を見せて「我が命ここに
留まる。もはや助かりがたし。汝らは我が首を切って知恩院へ送ってくれ候へ」と言うので、

やむなく勝兵衛が介錯し光秀の首を打ち落とした。この時、光秀齢59(原注:武徳編年集成に57)。
母を人質として磔にかけてより37日、主君を弑逆してよりわずかに12日。不忠不孝の天罰巡るのも
早き理、天地神明の冥鑑こそ恐ろしきものである。

――『改正三河後風土記(柏崎物語・武徳編年集成)』



195 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/09/22(土) 16:49:37.68 ID:Civtyswb
>>194
生々しくてイイ(・∀・)!
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    >総構堀に馬を乗り入れ土居を登らんとしたが馬は疲れて登れず
    疲れてなければ登れるのか…

  2. 人間七七四年 | URL | -

    >進士佐左衛門と関田太郎八は馬前に進み、前途を遮る敵を攻め破り引き返しては追い払った。

    ウィキペによると進士って人はこの後細川に仕えているそうだが、さて

  3. 人間七七四年 | URL | -

    >四面楚歌の声したる項王の陣中も同じ思いであったのか!

    人たらし秀吉が劉邦になるのか

  4. 人間七七四年 | URL | -

    あれ?光秀の母親が磔にされた話って創作じゃなかったっけ?
    と思ったらこの改正三河後風土記って1800年代のものか…。

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