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甲斐もなき大僧正の官賊が 欲に駿河を追倒す見よ

2018年12月02日 17:56

488 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/01(土) 19:16:47.19 ID:OplMdQS/
今川氏真の駿府退去後)

今川氏真の無二の寵臣・三浦右衛門佐(義鎮)は、氏真を伴い砥城の山家に忍んでいたが、朝比奈泰能(泰朝
の誤り)が使者を立てて氏真を遠江掛川城に迎え入れるに及び、右衛門佐も氏真に付き添って掛川へ参らねば
叶い難き身ではあるが、この年来に右衛門佐は氏真の寵に誇って古老武功の輩に無礼を振舞ったため、朝比奈
は右衛門佐を甚だ憎んでいたので、右衛門佐は大いに恐れて氏真と別れて、父・小原肥前守(鎮実)が守って
いる花沢城に入り、父子一緒に武田勢と一戦せんと立て籠った。

長谷川次郎右衛門(正長)は一族21人軍兵3百余人が藤枝の城(徳之一色城)に籠り、他に由比・浅原・
斎藤などの輩も伊具山に備えて一防せんと控えていた。故に信玄は容易には駿府へも入り難く、先手の山県
三郎兵衛(昌景)・馬場美濃守(信房)・小山田右兵衛尉(信成)・小幡上総介(信貞)・真田源太左衛門
(信綱)・同兵部少輔(昌輝)・内藤修理亮(昌豊)などを遣わして、駿府の城を焼かしめた。

折しも烈風が吹いて櫓やその他楼閣は一円に燃え上がり、黒煙は天地をかすめた。今川家数代の間に富貴奢侈
を極めて積み蓄えた財宝・珍器・名物は尽く焼亡し、金銀を散りばめた大廈高楼が一夕の灰燼となった有様は、
姑蘇城一夜の煙や咸陽宮三月の火もこうであったのか、呉越秦楚の古も思いやられて哀れというのも愚かなり。

(原注:『烈祖成積』『東遷基業』などには、信玄が賄賂で招くと留守を預かっている岡部次郎右衛門正綱は
信玄に降参して安部大蔵元真は退去し、後に神君に帰順した。その後に信玄は駿府の城を焼いたとある。

しかしながら翌年5月に神君が氏真と御和睦の後、氏真を駿府に帰任なさしめんと駿府の城を経営された時に、
岡部正綱兄弟にその事を命じられた。岡部がもし信玄に降参したなら、何故氏真のために築き給う城を岡部に
命じられようか。

まったく岡部はこの時までは信玄へ降参せず、氏真の味方であった故にこの普請を仰せ付けられたのであろう。
12年の11月より信玄は駿河に攻め入り、12月再び駿府を攻めた時に岡部はついに信玄に降ったのである。
安部もその時に退去したのであろう。よってここは成積・基業の説を取らない)

信玄は山県三郎兵衛に駿府を守らせ、自身は久能山に陣を取った。如何なる滑稽の者の仕業であろうか、翌月
駿府の焼き跡に一首の狂歌を大札に書いて立てたのである。

「甲斐もなき大僧正の官職を 慾に駿河の甥倒し見よ」
(欲のままに甥から駿河を奪わんとする大僧正の徳の無さを見よ)

信玄と氏真は舅甥の仲であるから、たとえ救援することは無いとしても、信玄は姦謀を巧みにして氏真の家人
どもを貨財をもって誘い、ついに国郡を奪い取ったことを憎まぬ者はいなかった故、このように誹謗したので
あろう。信玄は武門にあって何の故にか比叡山明応院に賄賂を送って大僧正の僧綱に任じ、今また甲斐を領し
ながら駿河を奪って甥・氏真の所領を失わしめた故、諸人はその無道を謗り憎むのも道理と知られたり。

これのみならず信玄が無道というのは、父・信虎を追い出して家国を押領し、罪なき嫡子・太郎義信を殺害し、
諏訪刑部大輔頼重と和睦し、頼重を甲斐へ招き寄せて偽り殺してその国郡を奪い、そのうえ頼重の娘を妾とし、
その腹に勝頼を設けた。

このような暴悪の所行は挙げて数え難し。今川家の重宝である京極黄門定家卿真蹟の古今集を借りて、ついに
返さず、国中の盲人を召し集めて焼き殺すといった類は物の数ではない。老算妙謀古今に比類なく、軍法戦術
は孫呉を彷彿させるといえども、子孫の繁盛は覚束ないと思わぬ者はいなかった。

――『改正三河後風土記』

490 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2018/12/02(日) 01:14:12.53 ID:7oc/IBR2
武田先手の山県三郎兵衛・馬場美濃守・小山田・小幡・内藤の3千5百余騎は江尻・宇和原まで押し来たる。

駿府の地下町人は申すに及ばず、城中の男女は慌てふためき徒歩裸足で走り出て、どことも知らず迷い行く
のを、情けも知らぬ下部どもがここかしこに乱れ散って衣装を剥ぎ、手に持っている物を奪い取れば、喚き
叫んで悲しむ有様は、哀れというだけでは言い尽くせない。

そうして信玄の手に触る者もなく武田の軍兵は城中へ乱れ入り、今川の館を焼き払った。さしも長年作り磨か
れた大廈の構えが一時に灰燼となってしまったのは、何とも酷いものであった。

翌日に如何なる滑稽の者がしたものか、御館の焼け跡に、

「甲斐もなき大僧正の官賊が 欲に駿河を追(甥)倒す見よ」

と書き立てたのである。末代といえども氏真は信玄の甥であるから、親しき誼を疎んで捨てるまでは良いと
しても、押し倒して国を奪い取ることは無道至極であると眉を顰める人が多かった。

信玄は駿河衆を手に入れ、その人質を取って甲斐へ遣わされた。駿河花沢の城主・小原肥前、同藤枝の城主・
長谷川次郎左衛門、遠江掛川の城主・朝比奈備中守、その他に戸久・一色の城代らは無二の忠臣で、まず氏真
を掛川の城へ迎え入れて、その勢7千余騎は城を堅固に持ち堅め、用心は厳しく見えた。

この度、忠義を忘れて敵に与し、譜代重恩の主君を押し倒す輩はまさに人皮畜生と言えよう。

――『小田原北条記』


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コメント

  1. 名無しさん | URL | -

    信玄「ははは、実父を追い落とすことに比べれば些末なこと」

  2. 人間七七四年 | URL | -

    輝元「ははは、家臣の嫁を略奪することに比べれば些末なこと」

  3. 人間七七四年 | URL | -

    宗麟「ははは、輝元殿と同様に(以下省略)」

  4. 人間七七四年 | URL | -

    家康「ははは、嫁と息子を始末した上に、信長のせいにすることに比べれば些末なこと」

  5. 人間七七四年 | URL | -

    MTNG「オメーラYo」
    NOIE「アメーンダYo」

  6. 人間七七四年 | URL | -

    まとめ管理人「ははは、毎日ブログ更新することに比べれば些末なこと」

  7. まとめ管理人 | URL | -

    ※6
    まとめ管理人「せ、せやろか:(;゙゚'ω゚'):」

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※7
    つまりそれだけ諸国に響きわたる所業だってことだよ!やったね管理人ちゃん!

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ボケの連投でツッコミが追いつかねー

  10. 人間七七四年 | URL | -

    官賊?と思ったけど官職と奸賊かけてんだなこれ

  11. 人間七七四年 | URL | -

    ついにゲス坊主と並び称されるに至った管理人さんの明日はどっちだ!

  12. 人間七七四年 | URL | -

    ※11
    光秀「そらもう解ってますやろ?」

  13. 人間七七四年 | URL | -

    「譜代重恩の主君を押し倒す輩」
    信玄公が受け弾正殿に下剋上されるのを想像してしまったアッー

  14. 人間七七四年 | URL | -

    ロシア(北方領土も些末な事として流してくれないかな…。)

  15. 人間七七四年 | URL | -

    ※14
    ロシアにとっちゃむしろその方が困るwww

  16. 人間七七四年 | URL | j7kPgX2Q

    神君が今川家から離反したのはセーフなんやろか

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