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神速無比の人なり

2019年02月12日 18:11

673 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/02/11(月) 20:06:12.81 ID:GR8PkkoR
太閤は柴田勝家を征伐した時、城に火の手が上がるのを見てそのまま越中に赴き佐々陸奥守(成政)を征
伐した。勝家の首を見なかったが、そのような事をも何とも思われなかったのである。神速無比の人なり。

(中略)

太閤は万時早速なり。ある時に右筆が醍醐の“醍”の字を忘れた。太閤は指で“大”の字を地に書き曰く、
「汝は知らぬのか。このように書け」ということである。

また高麗の軍中に奉書などを下される時にも「継いだ紙に書け。あるいは悪いところは墨で消してこれを
持って行け」と遣われたという。(原注:一本には「『俊傑の人はこのような小枝には心を掛けぬものだ』
とのことだったという」とある)

――『老人雑話』


柴田勝家自害の時)

秀吉が北ノ庄城の天守が焼け上がるのを御覧になって、「又左衛門殿(前田利家)はどのように御観察に
なるか」と仰せられれば、又左衛門殿は「勝家は自害致されたか、または武略でもござるのかこの二つと
存じます」とのことであった。

秀吉がこれを御聞きになられて「武略の様子とは如何に」と仰せなされば、又左衛門殿は「勝家は天守に
火を掛け自害したように見せかけ、自身はひとまず落ちたのかもしれません」との御答えであった。さて
秀吉は、

「勝家ほどの者が居城の天守に火を掛けるということは、私も人もそうだが、城持ちほどの者にとっては
天守一つであっても運を開くための天守である。それに火を掛けるほどならば、とりわけての何かはあるまい。
ただ単に勝家の自害は必定である。(それに火をかくる程ならは別條候まし但自害は必定也)


又左衛門殿が仰せられたように、たとえ一旦落ちて山林へも入り、その後に尊氏などのようにまた重ねて
義兵を挙げようとの判断であろうとも、あの体をなすまでに成り行っては、2年3年の間に義兵を挙げる
ことはできないのである。その間に私が聞き出して、尊氏のようにはならずに勝家は縛り首にあうだろう。

『首を見る』『遺体を探し出す』などと申していては、3日5日は日柄が立ってしまうのは必定である。
首遺体は見ること不要の物だ(頸死骸見候はん事不入物候)。いざや、ただちに加賀国に押し込む!」

と仰せになって、かの石橋(北ノ庄の石橋)を又左衛門殿が真っ先に押し渡り、秀吉は城を横目にして加
賀国へと御馬を速められた。

秀吉は御使番衆を召し寄され、「下々の者どもを町屋に入れて、2泊分の米・塩・味噌を用意させよ。馬
の飼料以下も同様である。その他の物でも、乱取りしようと心を入れてはならぬ。その通り下々へ触れよ」
と仰せになり、その夜は船橋を御渡りとなって、御陣取りを一夜で御据えになった。

――『川角太閤記』


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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    利家の態度に腹立たしさと同時に戦国武将の無情さも感じてしまう。今迄散々に親父殿と慕い、
    その勝家も自分を引き立ててくれた筈なのに。
    そんな相手ですら見捨てて無断撤退した挙句に「落ちたのかもしれません」とか・・・
    今迄勝家の何を見て来たんだろう?

  2. 人間七七四年 | URL | -

    ※1
    いくら利家でも寄親を見捨てた寄子を軽々と信用するほど秀吉は甘くないからねぇ

    勝家を上げ過ぎて睨まれるのも下げ過ぎて不興を買うのも避けなきゃいけない
    煮え切らない感想に終始したのも苦しい立場の表れと思えばまあ

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ※2
    だからあんなフニャフニャにされちゃったんだね

  4. 人間七七四年 | URL | -

    ???「殴りたい…、わが父とは言え…」

  5. 人間七七四年 | URL | -

    秀吉は手紙で「どんなことがあっても利家を信用するな」

  6. 人間七七四年 | URL | -

    ※3
    お松「気の小さなお人…」(ニギッ)
    利家「はぅあ」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    でも「天守を焼いて自害したフリをしてコッソリ逃げる。アイツがそんな事するハズが無い」って思う事をやってこそ武略だよね。
    アイツなら死んだフリして逃げるんじゃね?って奴がやっても効果無いっしょ。
    利家が言ったのは「ソコら辺も考えるべき」って意味も込めてじゃね?

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