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岩崎角弥が事

2019年04月06日 14:11

828 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/06(土) 01:14:22.25 ID:1F6JfVq7
岩崎角弥が事

美濃国の住人に、岩崎角弥という若き侍が有った。主君は斉藤山城入道(道三)であり、多年膝下を去らず
宮仕していたのだが、傍輩のそねみがあり、道三に彼の身の上について讒言された所、道三もこれを
まことと思い、直ちに出仕をやめさせた。これに角弥は迷惑し

「それがしが主君に対してどのような誤りがあったのか承りたい。」

と人を介して訴えたが、とかくの返事もなく

「もはや主君との縁も尽きた」と思い、本国を出奔して京都に至り、所縁を尋ねて、摂政殿(誰かは不明)に
奉公することと成った。この者は器量、骨柄、心様、他に超えて優れた人物であったので、摂政殿も
重用し召し使うこと、又並び無かった。

こうして年を経て、二年御所に有ったのだが、道三はこの事を聞き、やがて使者を以て、摂政殿下に
岩崎角弥を返還するよう申し上げた。摂政殿はこれを聞くと

「呼び返すほどおしき者を、どうして追い出したのか。そのような事叶うまじき。」と返事をし、
道三にそう伝えたが、道三からは重ねて「是非とも申し受けたい」と申し越した。
摂政殿は「千度百度そのようなことを言ってきても、この者を返すなど、致すまじき。」
と、はっきりと拒絶した。

この返答に道三は大いに立腹し、「その義であれば討手を上らすべし」と、山本伝左衛門、須田忠兵衛という
大剛の者二人を京に上らせた。そうして彼らは岩崎角弥の動静を伺ったが、なかなか見当たることは無かった。
しかしある時、節会の折、摂政殿が禁中へのお渡りに際し角弥もそのお供をした。この時山本、須田の二人は
角弥を発見し、角弥も二人を見つけ、互いに「あっ」と思ったが、摂政殿下の輿は前を長柄、力者、前駆、
随身などが厳しく警護し、また後ろは五位、六位の者たちが固めていたので、これに行き合った人は何れも
畏まり彼らを通した。

山本、須田の二人は力なく、その日は虚しく帰り、それより毎日角弥を伺った。これについて角弥も察し
「彼らは必ず私の討手として上ってきたのだろう。この事は殿下に御報告しておかねば。」と、
ある時ご機嫌を見計らい、この事を申し上げると、殿下は聞こし召して、すぐに奉行所へ
「かかる曲者が京都にある。急ぎ穿鑿して、洛中より追放すべし。」と仰せ付けになると。
奉行所の猶村長高、貞親といった者たちは承り、洛中に触れをし『この者たちを少しでも
匿った者には罪罰が仰せ付けられる。』と聞かせたため、山本、須田の二人は是非もなく本国へ帰り、
道三にかくかくと説明すると、道三にもどうにも出来す、そのまま有耶無耶と成った。

(室町殿物語)



829 名前:人間七七四年[] 投稿日:2019/04/06(土) 07:51:31.57 ID:vRR+okPq
一生一緒にいてくれやって言っておけば…

834 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/04/07(日) 23:23:09.67 ID:tN6cKz2F
摂政どののちょっといい話でした
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    >>829
    松波庄九郎さん親子が美濃でなく飛騨に行って、姉小路家を乗っ取ったあの家を先に乗っ取ってたらあるいは……w

  2. 人間七七四年 | URL | -

    道三は何をやりたかったんだろう
    出奔者だから処断したかったのかな?

  3. 人間七七四年 | URL | -

    どうでもいいが妙に三菱感漂う名前だな>岩崎角弥

  4. 人間七七四年 | URL | -

    それは三木道三w

  5. 人間七七四年 | URL | -

    >>2
    讒言間に受けて無視してたら逐電された岩崎が京で立派に働いてるのを聞いて惜しくなって最初は単純に返して貰って再度召しかかえようとしたけど、摂政殿に2回も御断リックスされて腹立ててコロス方向に切り替えた三木道三

    て感じじゃないですかね?

    マムシの異名は伊達じゃないみたいな

  6. 人間七七四年 | URL | -

    いつかは帰参することも期待しての追放ってのもあるんだろうね

  7. 人間七七四年 | URL | -

    道三、理不尽!

  8. 人間七七四年 | URL | -

    道山「きさまムシか」

  9. 人間七七四年 | URL | -

    戦国時代に摂政だと…

  10. 人間七七四年 | URL | -

    ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-7144.html
    前の記事の※欄で摂政=宰相=管領という予想がされてた
    だとしたらこの逸話の摂政は細川晴元であり、数少ないいい話なのかも知れない

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