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若王はこれを聞くと急いで王妃のもとに

2019年05月08日 17:29

986 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/05/08(水) 00:12:00.40 ID:MDWkvrbn
(大友家による日向攻めの間に)悪妃ゼザベル(奈多夫人)は、多数の大身たちと共にキリスト教会を撹乱し、
若王(大友義統)の考えを改めさせる方法を協議し、また若き王妃(尊寿院)の(キリシタンと成るという)意思を
枉げるため、妃の母にして同じく頑固なる老女と共に全力を尽くし、「もしキリシタンと成るのであれば嫁と思わず
娘とも思わず」と言い、様々に努力したことによって、かの妃は徐々に我々に対し冷淡となり、決心を変ずるに至った。

また日向に向かって出陣しようとする大身たちは世子に対し、「日向において盛んに戦っている今日において、
デウスの教えの庇護に力を尽くすのは宜しからず。戦争及び国政に関する、デウスの教えよりさらに重要な
国務に従事すべし。」と諌めた。世子はこれに「私は戦争に加わるため、宮廷を離れて今荒野に在る。そして
戦争に必要な一切の準備を行った。そしてデウスの教に関わることは、少しもこの準備を妨げない。
お前たちはデウスの教えは重要ではないと考えているが、まずデウスの教えがどんな事を説いているか、
それを聴いた後でこれに関する意見を述べるべきである。」と言った。
大身たちはこの返答にあまり満足しないまま、日向に向けて出発した。

若き王は、老夫人らがその妻に対して計画していることを聴き、その妻とパードレ・ルイス・フロイスとに
書簡を贈り、パードレがしばしば妃を訪問してその決心を固く守らせることを請い、また今後発生すべき
事に関して一切の疑惑を除くため、パードレに対し「自分の洗礼は急がないが、妻には洗礼を授けさせ、
サンタ・カタリナの祝日(11月25日(和暦11月7日)にこの式を行うように」と請い、数回使者を往復させた
後、そのようにすることに決定した。

しかし邪悪なる二人の老夫人はこれを聞くと、「もしそのような事と成るなら、腹を切って自殺する。
強いてキリシタンと成りたいのであれば、王が自らキリシタンと成るまで待つべし。」と言った。

若王はこれを聞くと急いで王妃のもとに行き、その母に彼女がキリシタンと成ることを承認するよう
請い、大いに説得に尽くしたが、彼女は固くこれを拒んだため、若王は怒り、いかなる事があっても
これを実行する決心を成した。

しかしこのように意見対立したため、若き妃はどのように決心すればよいか解らなかった。
この為様々に議論した後、パードレ・ルイス・フロイスの意見に従い、洗礼は中止し代わりに城内に設けた
礼拝堂において、助祭および副助祭列席の上オルガンの演奏にてミサを歌い、これに若王と夫人、
ならびに列席者は非常に満足した。この決定は、洗礼後に転向することが無いようにとの、デウスのお導きに
よるものである。

(1579年12月10日(天正7年11月22日)付、パードレ・フランシスコ・カリヤン書簡)

家臣から戦時にキリスト教への傾倒を批判されて「宮廷から出て戦争準備に集中している」と反論するも、
尊寿院(ジュスタ)の信仰に圧力がかかっていると知ると即座に戻ってくる義統であった。



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