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速やかに討死して名を万代に留めよ

2019年09月27日 16:24

455 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/09/27(金) 15:17:22.03 ID:zJaqhU3P
前略 >>443

石田を初め諸将が行長の奇計を用いず狐疑したのは、家康公が賢慮を巡らされ、敵が大垣へ出張した後にあ
らかじめ伊賀・甲賀の忍功者の輩を敵陣へ多く入れ置いて諸々の説を言わせられ、この流言に驚いて諸将は
互いに隔心し勇気は挫け、皆引く心が付いたのであった。

これより西国勢は敵からかえって夜討が来るだろうと、石田を初め島津・宇喜多などの諸将は慌てふためき
9月14日酉刻に陣所を払い、牧田の閑路を経て関ヶ原へ引き退く。殊にその夜は大雨で諸軍は大いに迷惑
し、その様子はさながら落人の如し。

この時、小西(行長)が付け置いた忍どもが走り来たりてこれを告げた。行長はまったく驚かず「どうして
そんな事があろうか。引き退くならば、我が方へもどうして一往告げないことがあろう」と事実とも思わず
にいたが、追々に告げて来るので不思議ながらも物具を堅めて馬に乗り、諸将の陣々を回り見るによくよく
慌てふためいたと思われ、兵糧・器財・弓・鉄砲・槍長刀・太刀・甲冑が捨ててあって、足の踏み所もない。

小西も興覚めながら自陣へ人を馳せて人夫5百余を召し寄せ、心静かにこれを拾い集めさせて夫駄に負わせ、
自分の陣所をも引き払って関ヶ原へ急いだ。

さて、諸将の方へ使を立て「各々の陣所に捨て置かれた兵具などを敵に拾われて、善し悪しの批判をされる
のも口惜しく、行長が広い集めて持たせて来た。御用次第に取り寄せなさるべし」と申し送り、関ヶ原から
八幡の西北、小池村の間に兵具などを並べ置いて所望に従って渡すと、皆面目なく見えた。行長は家子郎等
に向かって、

「このような臆病者とは知らず三成に頼まれ、犬死する口惜しさよ。しかしながら今これを捨てれば、節に
臨み義を忘れるようなものだ。ただ私が人を知らざる故なれば、今更恨むような様もない。汝らの数年の軍
功を無きに等しくしてしまうことは、返す返すも残念でならない。さりながら宿世の誓約と思い切り、今度
の最後の戦で悪びれて(気後れして)世人に笑われるなよ。速やかに討死して名を万代に留めよ!」

と情を含み勇を励まして語ると、従臣どもは「仰せまでもなし!」と誓いを立てて申したので大いに喜び、
「実に頼もしき心底よ! 最後の酒宴をせん!」と互いに打ち解け終夜舞い謡い、その後に手配りを定めて
明けるのを遅しと待っていた。

(後略)

――『古今武家盛衰記』

続き
行長も心ならず引き立てられて共に敗北し


456 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/09/27(金) 15:32:51.16 ID:GToyzteL
>これより西国勢は敵からかえって夜討が来るだろうと、石田を初め島津・宇喜多などの諸将は慌てふためき
9月14日酉刻に陣所を払い、牧田の閑路を経て関ヶ原へ引き退く。殊にその夜は大雨で諸軍は大いに迷惑
し、その様子はさながら落人の如し。

どうしようもねーな
こんなん聞いてると水鳥の羽音で平家が逃げたとか信じそうになるぞ

457 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/09/27(金) 20:59:55.87 ID:d0XnWwP+
大垣城から関ケ原に引いた時点で、もう負け確定だったんだなぁ…。

459 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2019/09/28(土) 10:43:51.63 ID:bhDpweX0
>>455
誇張もあるんじゃないかな
石田三成だけならまだしも他の将まで揃ってとは
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    >速やかに討死して名を万代に留めよ

    こんなキャラの行長、はじめて見たよww

  2. 人間七七四年 | URL | -

    商人上がりを気にして、逆に武士らしくあろうと気張ってたんでしょうか。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    でしょうな
    そしてそんな奴が勇ましく吠えれば吠えるほど周りは白けるという悪循環

  4. 人間七七四年 | URL | -

    原文を鵜呑みにするなら、他の主な将領共が全くもって頼りなく兵卒まで負け戦の気に飲まれちまってんだから、空元気だろうと商人風情の出と罵られようとも小西1人でも兵の士気を上げなきゃ関ヶ原本戦すらもっと早く終戦してたんじゃねーの?
    ここで一々小西行長を商人上がり云々と卑下する理由が分かんねーわ

  5. ※1 | URL | -

    ※4
    とゆうかね、関ヶ原でどんな戦いが行われたかは、よく言われる通説のほとんどが、こういった後世の話で作られてるでしょ。
    特にテンプレになってるのが、こういう一人の武将が気を吐くけど、他、あるいは石田がダメダメで負けたというやつで、ここの武将に、宇喜多とか島津とか、時には島左近とかが入るんだけど、小西が来るのは珍しいパターンだなと思って。
    ちなみに、現代のトレンドは石田が頑張ってんのに他が、というパターンだし、まあ、小西のもあるもんだな。

  6. ※4 | URL | -

    ※5,
    ※1や※5で書いてる趣旨の事については別に何も感じてないよ。
    後にまとめられた逸話集の一編なので何処まで真実かとか、誰それを持ち上げるみたいなのは別として、端的には※2-3の様な書き込みに?と思っただけで。


    出自や記録関係無く、負ければ死しかない責任ある立場・状況の人間なら勝つ為に手は尽くすし、周りの大将やその兵が情けない事してたらキレるのは当たり前だと思うんですわ。
    そこを指して出自云々やら言うのは違うでしょって事。

  7. 人間七七四年 | URL | -

    どんなに志が高かろうと立場や身分をわきまえないと白眼視されるのはいつの時代も変わらん
    秀吉くらい実力があれば黙らせられるだろうけど

  8. 人間七七四年 | URL | -

    >どんなに志が高かろうと立場や身分をわきまえないと白眼視

    ブーメランですかね?

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ところでwikiにも載ってる浮世絵の行長がどう見ても歴戦の猛将な件

  10. 人間七七四年 | URL | -

    ぼくのかんがえたゆきなが(想像図)

  11. 人間七七四年 | URL | -

    ※9
    でなきゃ秀吉に取り立てられたりはしない

  12. 人間七七四年 | URL | -

    いくら相手が油断しきっていたとはいえ手勢だけで朝鮮を滅亡寸前に追い込んだ豪腕はもっと評価されるべき

  13. | |

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