666 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/02/18(火) 14:54:43.28 ID:tlsEyySc
甲州浪人の落合彦介は上杉謙信公の御下へ参り、度々走り廻り心ばせある働きを仕ったとして賞禄を給わり、
御側二十八人の内に加えられた。
ある時、謙信公が槍間において彦介を御覧になり、このように言われた
「武田勝頼の小姓である阿部加賀が、十余年以前に川中島にて汝を討ったとして、武田信玄はこれを悦び、
加賀に褒美を与えたという旨を、武笠という者が語ったのだが、これは阿部加賀守が見間違えたのか、
また余りにそう有ってほしいと、無い事を作って言ったのか、どちらにしても武田家中にてこれに過ぎる
大いなる弱みはない。
『三人行則有吾師其不善者而改之』という。我が配下の者達も、深くこれを思い相嗜むべきである。」
(論語・述而第七より「三人行、必有我師焉。択其善者而従之、其不善者而改之」(三人で同行すれば、
必ず自分にとっての師となる人がいる。善き人を選んでこれに従い、不善である人については、これを
反面教師として自身を改めよう。))
そのように若き者達に、彦介、武笠を例として御異見を加えられ、またこのようにも仰せになった
「一切のこと、その中でも武辺については、有体にして我が心を証人とするより外は無い。
心を証とせずして取り囃し、言い成したる事は、必ず弱き事である。
結構なる働きをしたにもかかわらず其の名隠れ埋もれたとしても、心を証としていれば恨は無い。
君子は独りを慎むものだと聞いている。」
(松隣夜話)
甲州浪人の落合彦介は上杉謙信公の御下へ参り、度々走り廻り心ばせある働きを仕ったとして賞禄を給わり、
御側二十八人の内に加えられた。
ある時、謙信公が槍間において彦介を御覧になり、このように言われた
「武田勝頼の小姓である阿部加賀が、十余年以前に川中島にて汝を討ったとして、武田信玄はこれを悦び、
加賀に褒美を与えたという旨を、武笠という者が語ったのだが、これは阿部加賀守が見間違えたのか、
また余りにそう有ってほしいと、無い事を作って言ったのか、どちらにしても武田家中にてこれに過ぎる
大いなる弱みはない。
『三人行則有吾師其不善者而改之』という。我が配下の者達も、深くこれを思い相嗜むべきである。」
(論語・述而第七より「三人行、必有我師焉。択其善者而従之、其不善者而改之」(三人で同行すれば、
必ず自分にとっての師となる人がいる。善き人を選んでこれに従い、不善である人については、これを
反面教師として自身を改めよう。))
そのように若き者達に、彦介、武笠を例として御異見を加えられ、またこのようにも仰せになった
「一切のこと、その中でも武辺については、有体にして我が心を証人とするより外は無い。
心を証とせずして取り囃し、言い成したる事は、必ず弱き事である。
結構なる働きをしたにもかかわらず其の名隠れ埋もれたとしても、心を証としていれば恨は無い。
君子は独りを慎むものだと聞いている。」
(松隣夜話)
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コメント
人間七七四年 | URL | -
心
か
( 2020年02月18日 19:15 )
人間七七四年 | URL | -
コメ欄が白い
( 2020年02月18日 21:16 )
人間七七四年 | URL | -
血生臭い逸話が続いたせいか、上杉家の話が出る度いつ死人が出るかと身構えてしまう
( 2020年02月19日 07:37 )
名無しさん | URL | -
彦介「甲斐信濃では影武者が三人同行するという流行でございますゆえ」
( 2020年02月19日 17:44 )
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