810 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/03/27(金) 19:14:57.14 ID:SWwvcrwj
フランチェスコ・カルレッティ「世界周遊記」の日本に関する部分の続き
日本人は7ヶ月から8ヶ月かけ、多大なリスクを背負ってフィリピン諸島まで航海し、
小麦粉や様々な種類の食品、商品を輸出していますが、 貿易により60から100パーセントの利益を生み出します。
また日本人たちはコーチシナの王国に行き、彼らがcasceと呼ぶ一種の銅の貨幣を持って行きます。
支払いを容易にするために、真ん中にひもを通しているため、何百・何千もの貨幣がひもでつながっています。
このお金で彼らは大量の香木を購入します。
これは日本人にはgiaco(麝香)と呼ばれており、ポルトガル人にはaghilaとして知られています。
香水や薬品、具体的に言いますと裕福で高貴な人々の死体の火葬で使用いたします。
この香木のうち、コーチシナ王国の川で見つかるものは、王国の遠く離れた場所から川の流れにのってくるため、
誰もそれがどんな木であるか、どこで生育するかを知りません。
彼らはまた、コーチシナとマラッカの間の沿岸にあるシャム王国とパタニ王国まで航行しますし、
同じ沿岸にあるカンボジアまで航海することもあります。
彼らはそこでverzinoとよばれるある種の木を購入しますが、彼らはそれをsuo(蘇芳)と名付けています。
ポルトガル人の間では、saponとして知られており、赤い染料を作るために使用されています。
チャンパの国から、彼らは最も貴重な木材であるcalambaを輸入しています。
これは東インドに住むすべての人種から、特に燃やした時の香りのために最高の評価を受けています。
この木は日本ではsciratagoと呼ばれています。
わたしたちの間では全く知られていませんが、ポルトガル人によっても最高の評価を受けています。
わたしはその木で作られた数珠をつなげた飾りcoronaをマラッカで10スクーディ出して購入しました。
811 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/03/27(金) 19:15:45.62 ID:SWwvcrwj
パタニとシャムから、私たちがsagri、彼らがsameと呼ぶ魚の皮も大量に持ち帰ります。
彼らはその皮から剣のための鞘やその他の興味深い作品を製造します。またsicionocava、わたしたちの言葉で言えばそのまま「ヤギの革」となる、
ヤギの革も大量に使います。彼らはそれを非常に奇妙な方法で取り扱います。
動物や他の芸術的なものなど、好奇心を掻き立てられるようなあらゆる種類のデザインを描き、稲わらに火をつけて出した煙で燻します。
こうしてデザインで覆われていなかった部分以外はすべて着色され、デザインで覆われていたため燻されなかった部分は皮の白さがはっきりと浮き出てきます。
彼らはこれらの革を用いて、自身で使用するための衣服や、非常に魅力的な鞍を作ります。
スペイン人たちはそれらを使用して、非常に優雅なデザインの襞襟を作ります。
812 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/03/27(金) 19:22:17.66 ID:SWwvcrwj
彼らの音節文字は特定の単語や概念を表す場合もあり、会話の中であれば「A」や「O」は「はい」を表します。
「I」は、家の床を覆うためのTatamiに使用するわらのもととなる、水中で伸びる葦のような植物を表します。
「Fa」は「歯」、「Te」は「手」、「Me」は「目」、「Mi」は「わたし」を意味します。
まるでイタリア語のIoの代わりにMiを一人称代名詞として使用するロンバルディア人のようです。
同様に、日本語の「Dono」は「Donno」に似ています。トスカーナでは「Donno」は主人を意味します。
ラテン語由来の言葉で、日本語でも同じ意味を持ちますが、発音はNが1つないのでわずかに異なります。
前述のアルファベットの他の音節文字について話しますと、「U」はある種の海鳥を表します。
黒く、ガチョウと同じくらいの大きさで、ガチョウ同様に長い首を持っている、非常に鋭いくちばし、大きな目、短い足の鳥です。
彼らはこの鳥を、釣りのために利用します。両翼の下、首の周りに紐を結んだまま水中にその鳥を送り込みます。
この紐にとりつけられた葦の切れ端によって、首をまっすぐにし、鳥が水から魚を口に入れて出たときに飲み込むことを防ぎます。
これらの鳥はこのように釣りに使用されるときには「unotori」とも呼ばれ、娯楽のためにも領主達によって飼育されています。
以前のまとめの
11064 フランチェスコ・カルレッティ「世界周遊記の一部」
11071 世界周遊記 続き
11075 世界周遊記の二十六聖人殉教について書かれている箇所
11678 guminori = ごめんなり 世界周遊記続き
11721 異教徒の特徴
の修正も含めたフランチェスコ・カルレッティ「世界周遊記」第二章(日本に関する部分)
https://dotup.org/uploda/dotup.org2097425.pdf
フランチェスコ・カルレッティ「世界周遊記」の日本に関する部分の続き
日本人は7ヶ月から8ヶ月かけ、多大なリスクを背負ってフィリピン諸島まで航海し、
小麦粉や様々な種類の食品、商品を輸出していますが、 貿易により60から100パーセントの利益を生み出します。
また日本人たちはコーチシナの王国に行き、彼らがcasceと呼ぶ一種の銅の貨幣を持って行きます。
支払いを容易にするために、真ん中にひもを通しているため、何百・何千もの貨幣がひもでつながっています。
このお金で彼らは大量の香木を購入します。
これは日本人にはgiaco(麝香)と呼ばれており、ポルトガル人にはaghilaとして知られています。
香水や薬品、具体的に言いますと裕福で高貴な人々の死体の火葬で使用いたします。
この香木のうち、コーチシナ王国の川で見つかるものは、王国の遠く離れた場所から川の流れにのってくるため、
誰もそれがどんな木であるか、どこで生育するかを知りません。
彼らはまた、コーチシナとマラッカの間の沿岸にあるシャム王国とパタニ王国まで航行しますし、
同じ沿岸にあるカンボジアまで航海することもあります。
彼らはそこでverzinoとよばれるある種の木を購入しますが、彼らはそれをsuo(蘇芳)と名付けています。
ポルトガル人の間では、saponとして知られており、赤い染料を作るために使用されています。
チャンパの国から、彼らは最も貴重な木材であるcalambaを輸入しています。
これは東インドに住むすべての人種から、特に燃やした時の香りのために最高の評価を受けています。
この木は日本ではsciratagoと呼ばれています。
わたしたちの間では全く知られていませんが、ポルトガル人によっても最高の評価を受けています。
わたしはその木で作られた数珠をつなげた飾りcoronaをマラッカで10スクーディ出して購入しました。
811 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/03/27(金) 19:15:45.62 ID:SWwvcrwj
パタニとシャムから、私たちがsagri、彼らがsameと呼ぶ魚の皮も大量に持ち帰ります。
彼らはその皮から剣のための鞘やその他の興味深い作品を製造します。またsicionocava、わたしたちの言葉で言えばそのまま「ヤギの革」となる、
ヤギの革も大量に使います。彼らはそれを非常に奇妙な方法で取り扱います。
動物や他の芸術的なものなど、好奇心を掻き立てられるようなあらゆる種類のデザインを描き、稲わらに火をつけて出した煙で燻します。
こうしてデザインで覆われていなかった部分以外はすべて着色され、デザインで覆われていたため燻されなかった部分は皮の白さがはっきりと浮き出てきます。
彼らはこれらの革を用いて、自身で使用するための衣服や、非常に魅力的な鞍を作ります。
スペイン人たちはそれらを使用して、非常に優雅なデザインの襞襟を作ります。
812 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/03/27(金) 19:22:17.66 ID:SWwvcrwj
彼らの音節文字は特定の単語や概念を表す場合もあり、会話の中であれば「A」や「O」は「はい」を表します。
「I」は、家の床を覆うためのTatamiに使用するわらのもととなる、水中で伸びる葦のような植物を表します。
「Fa」は「歯」、「Te」は「手」、「Me」は「目」、「Mi」は「わたし」を意味します。
まるでイタリア語のIoの代わりにMiを一人称代名詞として使用するロンバルディア人のようです。
同様に、日本語の「Dono」は「Donno」に似ています。トスカーナでは「Donno」は主人を意味します。
ラテン語由来の言葉で、日本語でも同じ意味を持ちますが、発音はNが1つないのでわずかに異なります。
前述のアルファベットの他の音節文字について話しますと、「U」はある種の海鳥を表します。
黒く、ガチョウと同じくらいの大きさで、ガチョウ同様に長い首を持っている、非常に鋭いくちばし、大きな目、短い足の鳥です。
彼らはこの鳥を、釣りのために利用します。両翼の下、首の周りに紐を結んだまま水中にその鳥を送り込みます。
この紐にとりつけられた葦の切れ端によって、首をまっすぐにし、鳥が水から魚を口に入れて出たときに飲み込むことを防ぎます。
これらの鳥はこのように釣りに使用されるときには「unotori」とも呼ばれ、娯楽のためにも領主達によって飼育されています。
以前のまとめの
11064 フランチェスコ・カルレッティ「世界周遊記の一部」
11071 世界周遊記 続き
11075 世界周遊記の二十六聖人殉教について書かれている箇所
11678 guminori = ごめんなり 世界周遊記続き
11721 異教徒の特徴
の修正も含めたフランチェスコ・カルレッティ「世界周遊記」第二章(日本に関する部分)
https://dotup.org/uploda/dotup.org2097425.pdf
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コメント
投稿者 | URL | -
訂正箇所がありました、すいません。
giaco→ginco(沈香)
デザインで覆われていなかった部分以外→デザインで覆われていた部分以外
( 2020年03月28日 22:23 )
人間七七四年 | URL | -
sciratagoって白檀の事かな?
字面だけの判断だが
( 2020年03月29日 17:06 )
人間七七四年 | URL | -
※2
説明を読むと白檀だと思う。
しかし、その白檀の数珠買ったて記述有るけど、筆者(カルレッティ)は何に使ったたんだろうなあ。当時のイタリア人だから当然カトリックだろうし、単に珍しいアクセサリーて感じなんだろうか?
>「I」は、家の床を覆うためのTatamiに使用するわらのもととなる、水中で伸びる葦のような植物を表します。
イグサじゃないのかと思ったけど、標準和名は「イ」なんだそうで。正確に記述しているね。
( 2020年03月29日 17:25 )
※3 | URL | -
よく考えたらカトリックならロザリオ有るから、それの代わりにしたのかもしれないですねえ。
( 2020年03月29日 17:31 )
人間七七四年 | URL | -
イタリア人にcorona…
( 2020年03月29日 17:37 )
人間七七四年 | URL | -
新型コロナ騒動で風評被害を受けたコロナビールに悲しい過去
コロナビール美味いだろ!
※1
麝香ではないんですな。
( 2020年03月29日 19:52 )
人間七七四年 | URL | -
※6
まあ麝香は香木じゃないですからね
( 2020年03月29日 20:59 )
人間七七四年 | URL | -
sciratagoが白檀だとすると当時はビャクダンじゃなくてシラダンもしくはシラタンと言っていたのだろうか。それでもsciratagoじゃ音写としておかしいから、原稿にはsciratagnと書いてあったのを植字の際に読み違えたか、勝手に校正しちゃったのかな?あとcasceはサシ?イタリア語だとcaはカだけどcじゃなくてセディーユなのか。色々謎だなあ。
( 2020年03月29日 21:40 )
投稿者 | URL | -
※8
白檀と思われるsciratagoについては参考にしたイタリア語版の二種類の底本ともsciratagoでした
あと、casceについては
一番下のdotupリンクのPDFにも記載してますが、
東アジアの通貨である文、分、銭、両の西洋や東南アジアでの呼称はそれぞれ
casce(英語ではcash)、conderino、maes、tael(日清戦争の清国の賠償金、二億両(テール)で有名)
なので貿易上の呼称かと
( 2020年03月29日 22:41 )
*8 | URL | -
*9
PDF拝見しました。印刷して出版する際に原稿の読み間違えや脱字があったら納得できるなと思える部分が幾つかあったので、sciratagoもそうかなと。例えば
tをfに読み違え: Fael(Tael)、Fatami(Tatami)
cをeに読み違え?: seiucui(sciucui、シュクイ→漆喰?)
脱字?: Cheico(Cheicio、ケイチョウ→慶長)
もちろん原稿を見てない以上ただの憶測ですが…
casceは「彼らがcasceと呼ぶ」だから日本語かと思いましたけど、外国の商人相手なら外国語使っていてもおかしくないですね。
( 2020年03月30日 00:46 )
人間七七四年 | URL | -
>彼らはそこでverzinoとよばれるある種の木を購入しますが、
>彼らはそれをsuo(蘇芳)と名付けています。
>ポルトガル人の間では、赤い染料を作るために使用されています。
ヴァルキリープロファイルってゲームやった事がある人は反応するだろうな。
赤い染料にかぁ・・・
( 2020年04月01日 00:14 )
人間七七四年 | URL | -
「Mi」は「わたし」
み? 「みども」って時代劇によく出てくるけど、「ども」を抜かして単体だと「み」と言ってたのかな?
「A」や「O」は「はい」を表します
江戸時代の商人だと「へえ」。「はい」は明治以降だから、「ああ」「おう」が返事だったのはラフな現場だな。で、「み」? なのか?
( 2020年04月01日 16:34 )
人間七七四年 | URL | -
※11
微妙に鈍重で扱いにくいキャラだった記憶がゲフンゲフン
顔も性格もイケメンなんだけどね
( 2020年04月01日 22:11 )
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