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土井大膳、大木を切る・いい話

2009年02月07日 00:13

378 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 11:50:54 ID:4+HYzei4
大木を切る

土井大膳は元は北条氏の被官であったが、北条氏に背き長野業正の客将となった。
長野氏と武田氏は長年の抗争状態にあったが、ある戦で長野氏が武田氏に負けて
退却することになった。
殿軍は、土井大膳と赤石豊前の2人が務めることとなった。

ところが、運のないことに赤石の旗指物がさいかちの木にひっかかって取れなく
なった。馬上から手を伸ばしても取ることはできない。
「お~い大膳。旗指物が取れなくなった。旗指物を捨てて帰るのは末代までの恥。
何としても取り返したいので助けてくれ。」
大膳は「よっしゃ、心得た。とにかく貴様も馬から降りろ。その木を切って旗指物
を取り戻そう。」と言って馬から飛び降り、先に退却した殿軍のいる箕輪城の方向に
2頭の裸馬を走らせた。
二人は刀を抜いて「えっさほいさ」とさいかちの大木を切り始めた。
そして、やっとこささいかちの木を伐り、大木は道をふさぐ形で「どうっ」と倒れた。

豊前が倒れた木から旗指物を取り戻している間に、武田軍の追っ手がやってきた。
「武田の侍は多勢。こちらはたった2人じゃ。存分に働いて討ち死にせん!」
と死を覚悟したころに、先ほど引き揚げた殿軍の一部の10名が2人の元に引き返してきた。
聞けば、大膳と豊前の裸馬だけが追い付いてきたので、「さては大膳と豊前は討ち死にした
か。心配だから様子を見に行こう。」ということで引き返してきた、とのことである。
そして、「われも俺も」ということで、続々引き返してきて総勢100人余りになった。

武田軍は大膳らを打ち取ろうとするも、さいかちの大木が道をふさいでおりしてなかなか先には
進めない。さりとて、さいかちにはびっしりとトゲが生えており乗り越えていくこともできない。
大膳と豊前はさいかちを盾にして、「ござんなれ!」陣を組み両軍はこう着状態となりやがて日が
暮れ始めた。
とうとう武田軍の追っ手は追跡をあきらめて引き上げ、大膳と豊前は無事に箕輪城に帰還した。

業正は二人に対して、
「敵を我が城に寄せ付けず、途中で踏みとどまった大膳と豊前の働きは莫大な功である。」
として大いに褒めたという。
(続武者物語)




389 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 17:25:37 ID:ER1pOmgT
>>378
逆に、指物がサイカチに引っかからなかったら、追っ手に捕捉されて討死してたかもしれんのだよな
こういうのを、昔の人は武運と言ったのかね
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