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三好長慶暗殺未遂事件

2020年05月29日 17:14

230 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/05/28(木) 23:38:04.73 ID:x6GpqbkU
天文二十年(1551)春、公方家(足利義輝)は洛外の宝泉寺に御座有って、萬松院殿(足利義晴)の
御追悼に、乱世を兼ねて御嘆息され、日々心腑を悩まれた。管領の細川右京兆晴元、彼の舅である
六角父子(定頼、義賢)は無二の味方を申し上げて、随分に守護し奉った。
御敵徒である三好筑前守長慶は去年より在京して、五畿内に甚だ威を振るい、この頃は江州をも退治
せんとて、この二月七日に、家人松長甚助(松永長頼)兄弟を軍将として人数を差向け、江州志賀郡の民屋を
放火した。当国の守護、六角義賢は家臣の堀伊豆守、鯰江相模守に三百余騎を付け、湖上を渡ってこれを防ぎ
戦うほどに、松長兄弟は打ち負け帰洛した。

さて、洛中には公方家の寵臣である伊勢守貞孝父子(貞孝、貞良)が在京していたのだが、三好長慶
細川晴元にこそ遺恨は有っても、公方家に対して異心なしとの事で、貞孝父子に諸事相談し、互いに
心底を隠さず、是非を糺して政道を執り行ったため、京中は平和に治められ、諸人安堵の思いを成した。

このような中、同年三月十四日、貞孝は館に長慶を招き饗応した。その酒宴も半ばの時、公方家の小侍である
進士美作守晴舎の甥である、進士九郎賢光という者が、貞孝の元に寄宿していたのだが、その座に走り出て、
腰刀を抜き持って、三好長慶を二刀突いた。

長慶は元来早業の人であったので、床に有った沈香の枕を持って、刀をひしと受け留めた。そのため一刀は
身に当たらず、二刀目は当たったが浅手であった。

そこで進士九郎は迫り詰め、引き組まんとした所を、ここに長慶の同朋衆である何阿弥という者が相伴に侍って
いたのだが、そのまま進士九郎に抱き着いた。それより座中に有った人々、我も我もと走り寄って、進士九郎
斬り伏せ、刺殺した。
進士九郎は大剛の者とは見えたが、運命が尽きたのだろう、本望を遂げずして亡失した。

その頃の巷の説に、「これは進士九郎が、窮迫している公方家の御内意を蒙り、長慶を殺そうとした」とも云い、
また「本領を没収され、遺恨が有った故である」とも沙汰され、その理由については一致しなかった。
しかし何れであっても、当時威強き三好長慶に、独夫にして突き殺そうと企んだ事は、大勇の者と言うべきであろう。
そして三好長慶は運が強かったのだろう。危うき命を助かり、しかも浅手であったので、その疵も程なく平癒した。

同年七月、細川晴元方の多勢が坂本より出張して相国寺も陣取ったが、同月十四日の早旦、長慶自身が
押し寄せ、火を放って攻めると、晴元勢は打ち負け江州へ引き返した。
その後洛中には戦乱無く、この年は無為に暮れた。

續應仁後記

進士九郎による三好長慶暗殺未遂について



231 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/05/29(金) 00:14:58.43 ID:R/rUf/c4
浅野内匠頭は不意を打って一方的に抜刀までしといて標的仕留めそこなうとかダッサと当時言われてたみたいだけど
進士賢光は大勇なのね

232 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/05/29(金) 00:31:53.41 ID:eUQEf23X
長慶さんが不得意なことはないのか

233 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/05/29(金) 01:18:33.39 ID:CFsNOVjD
>>232
長生き

234 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/05/29(金) 01:31:13.84 ID:IczLibkM
>>231
多分浅野内匠頭も、討ち損なった後その場で切腹するなり斬死するなりしたら
評価は全然違ったと思う。
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    浅野内匠頭の状況の説の中で精神不安定だった的な話もあるから、
    もしそうだったなら切腹云々は無理だったと思う

  2. 人間七七四年 | URL | -

    狙った相手がたかが一高家か事実上の天下人かという違いはありそう>大勇

  3. 人間七七四年 | URL | -

    苦手なこと長生きは石直球すぎる

  4. 人間七七四年 | URL | -

    相手が儀典担当老人か天下に名を馳せた壮年の武将かの差じゃないかな
    動機も私憤か公憤かの差があるし浅野は色々擁護できないわ

  5. 人間七七四年 | URL | -

    長生きの他に家族運と部下運も無いと思うの

  6. 人間七七四年 | URL | -

    内匠頭と九郎賢光の差は身分だろう
    大名ともあろう者が突然抜刀して討ち損なってそりゃダッセwってなるわ

  7. 人間七七四年 | URL | -

    ※5
    ついでに主君にも恵まれてないと思う

  8. 人間七七四年 | URL | -

    人一人を殺すのが如何に大変かわかってる戦国武士なら浅野を嗤ったりしないんじゃないか。抜き合わせもせず逃げた吉良の方が腰抜けと嗤われそう。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ※5
    家族運自体は悪くないねん
    寿命がマイナス方向に振り切ってるだけで

  10. 人間七七四年 | URL | -

    浅野は大名で進士は違う
    そういうこと

  11. 人間七七四年 | URL | -

    むしろ吉良上野介は隠れずに甲冑着て自ら指揮を取って戦えばそれなりに評価されただろう。結局、江戸庶民はドッチが格好良かったかって事で善悪を判断したんだろうから。

  12. 人間七七四年 | URL | -

     浅野内匠頭が吉良上野介を討ち果たせなかった、儀式用の小刀で『切りつけて』傷は負わせたが…という
    話を聞いた丹羽光重(長秀の孫、内匠頭の大叔父)

     『なんで切りつけた!突き刺したら殺せたものを!』(怒りのあまり、煙管で煙草盆を叩いて凹ませる)

     “二刀突いた”または“三刀刺す”とは太平記の頃からある、武士が相手を殺しに掛かるんなら突けという表現。
    ちゃんと突き刺そうとした進士はさすがと云うべきだし、組み付かれたら長慶も死んでいたことだろう

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