517 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/09/06(日) 18:54:22.91 ID:6ORzFz43
見聞談叢より松平忠直の茶童
越後の一伯候(越前の一伯候=松平忠直のことか)は甚だ剛勇な気質だったため、
側仕えの茶童まで殊の外気が強かった。ある時茶童に気に障ることがあって腹を立て
給い、茶童の右の手を手ずから煮えたぎる釜の中へ七、八寸もつけなさった。見る間に
茹で蛸のようになったが熱そうな顔もしなかったので、「許す」と仰って手を離される
と、「有り難し」と答えざまに、その釜は東大寺の九輪釜といって添書付きの名物なの
を、茶室の外に抱えていって石に打ち付け微塵に砕いた。「なぜそんなことをするのだ」
とお聞きになると、「私めの手を茹でた釜では、殿様に差し上げるお茶を淹れることは
できず、そうなるとあっても詮のないものです」と答えた。手を茹でられたことを怨み
怒る様子もなく、一伯候は感心された。その後お取立てあって忠節を尽くしたと、亡父
(伊藤仁斎)は常々お話しなされていた。
見聞談叢より松平忠直の茶童
越後の一伯候(越前の一伯候=松平忠直のことか)は甚だ剛勇な気質だったため、
側仕えの茶童まで殊の外気が強かった。ある時茶童に気に障ることがあって腹を立て
給い、茶童の右の手を手ずから煮えたぎる釜の中へ七、八寸もつけなさった。見る間に
茹で蛸のようになったが熱そうな顔もしなかったので、「許す」と仰って手を離される
と、「有り難し」と答えざまに、その釜は東大寺の九輪釜といって添書付きの名物なの
を、茶室の外に抱えていって石に打ち付け微塵に砕いた。「なぜそんなことをするのだ」
とお聞きになると、「私めの手を茹でた釜では、殿様に差し上げるお茶を淹れることは
できず、そうなるとあっても詮のないものです」と答えた。手を茹でられたことを怨み
怒る様子もなく、一伯候は感心された。その後お取立てあって忠節を尽くしたと、亡父
(伊藤仁斎)は常々お話しなされていた。
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コメント
人間七七四年 | URL | -
何度ぐらいだろ?
60℃ぐらいかな。
( 2020年09月07日 00:29 )
人間七七四年 | URL | -
石に打ち付けて砕ける、って陶製の釜だったのかな
( 2020年09月07日 01:21 )
人間七七四年 | URL | -
この後改易されるんだよね…
( 2020年09月07日 07:12 )
名無しさん | URL | -
火薬を詰めてともに爆死するぐらいでないと
( 2020年09月07日 11:55 )
人間七七四年 | URL | -
そもそも、そんな折檻をする当主時点でどうなんでしょうね?
だから後にあんな結果になった気がする
( 2020年09月07日 17:34 )
人間七七四年 | URL | -
>>2
茶釜は鉄といっても現代のような鉄じゃないから、
硬い石にぶつければ釜の方が壊れる。
( 2020年09月08日 16:40 )
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