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今川仮名目録より、喧嘩について

2020年12月03日 18:20

470 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/12/03(木) 12:44:44.22 ID:rvcPObyw
一、喧嘩に及ぶ輩は、その理非を論ぜず両方ともに死罪が行われる。また相手が喧嘩をけしかけてきても
  堪忍し、それによって疵を受けた場合、それ自体は武士にとって非儀ではあるが、当座の穏便の働きは、
  その人物にとって、罪を免じられる利運と成る。
  かつ又、与力の輩が喧嘩の場において疵を蒙り、又は死んだとしても、相手に対して訴訟することは
  出来ないと、先年既に定めている。
  喧嘩をした人物の成敗は、とりあえずはその当人一人の所罪であるのだから、妻子、家内等に罪をかける
  べきではない。但し当人がその場から逃走した場合は、妻子もその咎にかかるべきであるが、その場合も
  死罪まで申し付けるべきではない。

一、喧嘩の双方の相手の方人より様々に申し立て、その張本人が分明に成らないことが有る。その時は、
  その現場において喧嘩をとりもち走り回り、あまつさえ疵を被った者を、張本人として成敗に及ぶ
  べきである。
  また、その処分の後から実際の張本人が露呈した場合は、その主人の覚悟によって処分しなければならない。

一、被官人による喧嘩、並びに盗賊の咎がその主人に及ばないのは勿論であるが、それらの罪状の仔細が
  明らかではなく、その仔細を尋ねると称してそのまま置いている内に、その者が逃亡した場合は
  その主人の所領一ヶ所を没収し、またその所領を持たない場合は罪過に処す。

一、童が誤って友を殺害し、それについて意趣の無い場合は、成敗には及ばない。但し十五歳以上の者は
  罪を免れない。

今川仮名目録

今川仮名目録の、喧嘩両成敗を始めとした喧嘩についての記述



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    清水先生の「喧嘩両成敗の誕生」を読むと当時としては画期的な法律だったのがよく分かる
    仮名目録も罪を両者に限定しようとしたり、(多分)逃げて加勢を頼んだとしても一族に死罪は与えないとか、更に近代的な整備をしている
    氏親は早雲の助けも有ったとは言えホンマ名君だわ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    最後は少年法だな。数えの14歳以下は満12、3歳以下。過失の場合という想定にも納得できる。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    喧嘩した場合家族は無罪だけど逃げると有罪なのはどういう理屈なんだ

  4. 人間七七四年 | URL | -

    ※4
    前田利家や水野勝成みたいに喧嘩して相手斬った武士はだいたい逐電する
    逃げ得を防ぐための人質代わりみたいなものなのかもね

  5. 人間七七四年 | URL | -

    逃げずに戦って死ねば家族が家督を相続できる
    命を惜しむような奴は家族ごと罰せられる
    だから喧嘩する迷惑な輩は死ねということ

  6. ※3 | URL | -

    ※4
    喧嘩した後逃げなければ本人のみ、逃げたら家族が罰則を受けるということか
    喧嘩せず逃げたら家族が罰則を受けるかと思って謎だった

  7. 人間七七四年 | URL | -

    >喧嘩せず逃げたら

    まあその場合武士の面目なしで家名断絶の可能性もあるけどな

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※7
    喧嘩しても逃げても罰するのは無茶じゃない?
    我慢して穏便に済ませたら罰しないって言うのは、逃げたら後ろ指さされるかもしれないけど法的には罰しないってことじゃないかな。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    喧嘩両成敗が出来るまでは喧嘩は一族・地域間の闘争に発展する事が多かったみたいです。それで、本来無関係の人間を「お前はあいつと同じ地域住人だ!」と言う理由で同数を殺害したりしてバランスを取っています
    その為、当事者が逃げると残った方が一族・地域を上げて報復する事になります。忠臣蔵でお馴染みの理論ですね
    その報復合戦を阻止する為に 家族に罪を与える と言う法律になったのでは?

  10. 人間七七四年 | URL | -

    ※9
    スイマセン 本人に報復できない場合に無関係の人に報復してバランス取る でした

  11. 人間七七四年 | URL | -

    ※8

    この場合、法(分国法であれ、幕府の法であれ)で公的に罰せられるのではなく今でいう
    「『やーい腰抜け~』と炎上して武士として生きるには社会的に死ぬ」。

    御霊合戦で喧嘩吹っ掛けられたのに参戦しなかった細川勝元とか
    赤穂事件で実父が襲われているのに援軍を出さず見殺しにした(とされる)上杉綱憲とか
    どちらも幕命に従った結果だが、市井の民衆から腰抜けと落首などで侮られてる
    (両君とも最終的には社会的に死ぬまでは至ってないが)

  12. 人間七七四年 | URL | -

    >3

    これは、当時の認識で、喧嘩の意趣返しは、喧嘩した本人だけでなく、家族に及ぶ場合もあった。
    で、喧嘩両成敗で、私的報復を禁止する関係上、なんもせんというのはないので、上記と同基軸の問題になり、この条項は、喧嘩した当人を本来罰するべきだけど、いなくなったら、家族への制裁が出てくるというのがあると思う。
    あと、逃走防止(逃走すると家族に累が及ぶ)の措置じゃないかなあと思う。

  13. 人間七七四年 | URL | -

    >喧嘩した当人を本来罰するべきだけど

    当時の人間の価値観十分にわかってないけど、「喧嘩した当人だけの責任」という概念がなかったかもね。
    喧嘩した以上は家名を背負っていた、とはあり得そう。

    人間個人の生誕から死亡までの実存的な存在権、というよりは
    所属している組織の永続的存在の保証に重きを置いた損益計算書?


    昭和の時代の代紋背負ったやくざの喧嘩がそういう雰囲気あるなぁ

  14. 人間七七四年 | URL | gle96ifk

    ※13
    さすがに「概念がなかった」ほどなら「当人を本来罰するべきだけど」という文まで不自然になってしまう。
    「周りの人間を巻き込んでエスカレートすることが多いけど、喧嘩って本来個人間の問題だろ。頭冷やせ」と釘を刺せば、多くの人は「言われてみるとそうだな」と受け取れるレベルの認識だったのだと思う。

    思考回路がやくざに近くて「うちのもんがやられたら、やられっぱなしというわけにはいかない」でエスカレートするパターンが多かっただろうことは否定しないw

  15. 人間七七四年 | URL | -

    ※14
    本当、「武士を現代に置きかえるなら、軍人よりもむしろヤクザ」みたいにゼミの教授に言われたの思い出した

  16. 人間七七四年 | URL | -

    ※15
    それも暴対法以前の仁義なき戦い系のヤクザな
    「ナメられたら殺す!」

  17. 人間七七四年 | URL | -

    農民「不作の時は隣国の村を襲います。落ち武者狩りもします」
    浮浪者「金目当てで足軽になります。略奪します」
    僧侶「通行料取ります。払えないやつは捕えて売り飛ばします」
    神社「神社同士で争います。お寺とも争います。大名とも争います」
    むしろ全員ヤクザなのでは?

  18. 人間七七四年 | URL | -

    ※17
    現代ヤクザは日本の古い伝統を守っているだけ説

  19. 人間七七四年 | URL | -

    確かに昔の日本は輩しか居ないと言うべきか、平安貴族もどこが雅なんだと思う様なもんですし、鎌倉武士も男衾三郎絵詞の内容がどこの世紀末(当時は末法の世だか)なんだし、兎に角下人の争いが切欠で合戦級の騒動になるのが珍しくないのがねえ。
    以前も話題になっていたけど、江戸時代によく大人しくなる様にしたものだ思いますね。

  20. 人間七七四年 | URL | -

    >以前も話題になっていたけど、江戸時代によく大人しくなる様にしたものだ思いますね。

    綱吉「あれ?またオレ何かやっちゃいました? ?」

    綱吉「常識的に考えて、日本人なら皇室を尊重しなきゃならんだろう」
    綱吉「殿中で切りかかったので喧嘩両成敗?切りかけた方が悪いに決まってるだろう!」
    綱吉「能ある臣なら登用するぞ!」
    綱吉「捨て子とか、かわいそうだろ!」

    綱吉、現代から江戸時代に転生して、現代の倫理観を上から目線で強制させた説

  21. 人間七七四年 | URL | -

    ※20
    そういや生類憐れみの令は、よくよく読んでみると理念自体は至極まともな事言ってるって事で再評価されてるそうで。
    まぁ過ぎたるは及ばざるが如し、で極端だった点だけはどうにも評価し難いようですが

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