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「愛宕参りに袖を引かれた」

2020年12月31日 17:21

805 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/12/31(木) 10:13:32.94 ID:uwNc3Av6
これもいつの陣の時だろうか、その人の名も忘れたが、信長公の侍に、賭博に負けて、
馬、物の具まで取られて、浅ましき有様と成った。その明くる日、どうしようもないので、
討死すべしと思い定めて、紙子羽織の後ろに黒き餅を書き付け、大きなささ板を求めて
鋸で刻み、腰指物にして戦いを待った。

ほどなく敵味方近づいて、互いに白眼を合わせるほどに、左手に扇を持ち、右手に刀を抜いて、
大音を上げて

「愛宕参りに袖を引かれた」

という小唄を歌って一人出た。

両陣はあまりのことにあきれて、しばし見物していたが、時分を見て「さあかかれかかれ!」と
一先にかかると、続いて七、八人、声をかけ合わせ、とつと、一度にかかって突き崩すと、大方
大利を得た。
突き懸かって駆け入った七、八人の者は、あらかじめ言い合わせていたと聞いている。

備前老人物語



806 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2020/12/31(木) 11:00:02.00 ID:Rtjp6XfZ
>>805
名前も忘れられたということは、死ぬ気で一発芸かましたけど結局モブで終わったのか
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    編笠清蔵こと伊東長久とは別の人なのかな?

  2. 人間七七四年 | URL | -

    突拍子のない事をする人って今も昔も要るんだね

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