939 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/02/17(水) 15:45:39.34 ID:LoJS9IHu
昔、上京あたりより火が出て、薬師院、菊亭殿の屋敷も延焼し、既に内裏も危うく見えた時、
八条宮(八条宮智仁親王)は、衣冠正して、太刀を脇に挟まれ、清涼殿に参り給いて
「火、近く見えたり。もし内裏にうつり候はんには玉体を守護し参らせ、行幸を他所へ
なし奉らんため、是にさぶらうぞや。
誰かある、このよし奏し申さしめ給え!」
そう声高に宣われると、宮中の男女、「実に頼もしき御装いかな」と、一度に感じ入った。
その頃、ここかしこに遊山見物などに出ていた公家衆は、大わらわになって、汗水を流し
肝を消し、逃げふためいて内裏へ駆け入ると、八条宮の御様子を見てさらに肝を消し、
逃げ惑い隠れ居る体は、見苦しいと言われても仕方がなかった。
人の善悪はこういう時に分明に成ると、織田常真(信雄)がこれを物語されたそうである。
(備前老人物語)
昔、上京あたりより火が出て、薬師院、菊亭殿の屋敷も延焼し、既に内裏も危うく見えた時、
八条宮(八条宮智仁親王)は、衣冠正して、太刀を脇に挟まれ、清涼殿に参り給いて
「火、近く見えたり。もし内裏にうつり候はんには玉体を守護し参らせ、行幸を他所へ
なし奉らんため、是にさぶらうぞや。
誰かある、このよし奏し申さしめ給え!」
そう声高に宣われると、宮中の男女、「実に頼もしき御装いかな」と、一度に感じ入った。
その頃、ここかしこに遊山見物などに出ていた公家衆は、大わらわになって、汗水を流し
肝を消し、逃げふためいて内裏へ駆け入ると、八条宮の御様子を見てさらに肝を消し、
逃げ惑い隠れ居る体は、見苦しいと言われても仕方がなかった。
人の善悪はこういう時に分明に成ると、織田常真(信雄)がこれを物語されたそうである。
(備前老人物語)
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コメント
人間七七四年 | URL | -
最後のはオチなのか?
( 2021年02月17日 18:00 )
人間七七四年 | URL | -
ツッコミ待ちの秀逸なエピソードですな。
( 2021年02月17日 18:16 )
人間七七四年 | URL | -
常真様は常住坐臥真価を発揮しておられるからセーフ
( 2021年02月17日 19:57 )
人間七七四年 | URL | -
多分信雄さんもこんなときは果敢に消火に励むと思う
だけどよかれと思って巨大団扇で扇いだ結果、延焼させちゃうと思う
( 2021年02月17日 22:05 )
人間七七四年 | URL | -
むしろ常真さんはみんな焼けてるから焼かなきゃ(使命感)とか錯乱して、焼けてないとこまで火をつけて回ると思う
( 2021年02月17日 22:53 )
人間七七四年 | URL | -
ネタに水差しちゃうけど最近の研究では従来の信雄放火説が否定されてつつあるんだよね
発掘調査でも焼失した範囲は天守・本丸付近と判定されていて城下の炎上も確認できていない
信雄説の元ネタも宣教師や公家が人から聞いた話として書いてる
※ただしアホの子なのは否定できない事実
( 2021年02月18日 10:32 )
人間七七四年 | URL | -
のぶを放火説が当時の流言飛語によるものなんだとしても、
それはそれで同時代人の広い範囲からからのぶをがどう思われてたかって傍証になっちまうからな…
( 2021年02月19日 12:52 )
人間七七四年 | URL | -
つまりは、民衆「信雄殿なら・・・信雄殿なら、やってくれるに違いない!」って事だね!
まぁアレだけ大々的に大失敗犯しちゃえば、嫌でも噂は広まるだろうし、人からそう見られても
仕方が無いでしょうね?
それでも未だに信雄説唱えている人は少し無責任に感じる
( 2021年02月22日 00:51 )
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