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その名を惜しむ勇士は

2021年03月03日 18:50

954 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/03/02(火) 20:16:03.65 ID:+rSW6QQp
ある老人が、「年老いて身の養もいらぬもの也」と言っているのを、ある人が諌めて

「一夜の宿であっても、雨露が漏るのは良からぬものである。
昔、松永久秀が信長公に戦負けて自害に及ばんとした時に、百会(ひゃくえ・頭頂部にあるツボ)に
灸をして言った

「これを見る人は、何のための養生だろうかと、たいへんおかしく思うだろうが、私は常に
中風を憂いている。死に臨む時、もし突然中風が発して、五体心に任せなくなれば、
人から『臆したのだ』と笑われてしまうだろう。そうなれば私の今までの武勇も、尽く徒のものと
なってしまう。
百会は中風の神灸であるから、当分その病を防いで、快く自害すべきためである。」

と、灸をすませて切腹したという。
その名を惜しむ勇士は、このようにあるべきなのだ。」

と言った

備前老人物語



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    死ぬことにも万全を尽くすのが武士
    ということなのかな

  2. 人間七七四年 | URL | -

    石田三成の逸話を彷彿とさせるね。
    備前老人物語と三成の逸話と似た時期に書かれたものだろうか。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    死ぬため、生きるため、目的は真逆だけど物事を達成するギリギリまで油断しない教訓として、石田三成の柿の逸話とセットで覚えておきたいわ

  4. 人間七七四年 | URL | -

    死に方に拘ることが出来た時代か…。

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