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武士の討ち死にすべき所はここにあり

2021年03月31日 17:00

52 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/03/31(水) 16:12:19.86 ID:ePGgZhvl
立花道雪の側に仕える女に対し、心を通わす者が有ったのだが、道雪はそれを知りつつ知らぬ体で居た。
ところがこの事を知る者が居り、ある夜の物語の時申した

「東国の大将の、誰とは知らないのですが、寵愛の女に密かに情を通わす者が居たのを誅したそうです。」

そう、あらぬ事を態と言って、道雪の答えを試みた。
道雪はこれに笑い出し

「若き者が色に迷ったのを、必ずしも誅しない事も有る。人の上に居て君と仰がれている以上、
仮初のことに人を殺せば、人が背く基である。国の大法を犯した事とは異なる。」
と語った。
かの者、これを伝え聞いて心に慙じ、また道雪の仁愛に感じ入った。

その後、薩摩との戦で鎧ヶ嶽の城を攻める時、道雪は城を出て戦ったが、大軍が押しかかり危うい状況に
なった。そこにかの者が大音上げて乱れる味方を恥しめて散々に戦った。その間に道雪は城近くへと
引き取ったが、敵はなお厳しく追撃し、城門を閉じることも出来ないほどであった。
そこに、かの者取って返し

「武士の討ち死にすべき所はここにあり!各々、是にて討ち死にすれば、城を敵に奪われまじ!
返せや人々!」

そう言う間に鑓を横たえ踏み留まると、返合する者三人あった。彼らが面もふらず戦って討ち死にする
間に、城門を閉じた。

常山紀談



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    映画やドラマになりそうな、武士としてカッコいい話。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    どう見ても楚の荘王の絶纓の会の焼き直しです、どうもありがとうございます

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ちゃんと仕事をしていれば、多少の色恋など大目に見る。
    でも正月だといって勝手に戦場を離れて実家に帰ったらブチ〇す。

    筋は通っているな

  4. 人間七七四年 | URL | -

    重要な戦いに臨む前に決して未練を残させないために、子供達を切り、家宝や家を焼き、自らも戦いに行く母ちゃんだっている。
    大友家はなんというか家臣やその家族が凄まじ過ぎる。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    2の言った絶纓の会の解説。
    楚の荘王は『鳴かず飛ばず』や『鼎の軽重を問う』などの諺で有名な名君。
    ある夜、大勢の家臣と大宴会を開いた。しかし突風が吹いて宴会場の蝋燭が全て消えてしまった。その混乱に紛れて荘王の后にキスをした家臣がいた。
    后は怒って咄嗟にその家臣の冠のヒモを引き千切って荘王に言った
    「今、闇に紛れて私にキスをした無礼者がいました。私が咄嗟に相手の冠のヒモを引き千切ったので、今すぐ明かりを点けて下さい。冠のヒモが千切れている者が犯人です」
    荘王は驚いて家臣達に言った。
    「おいみんな聞いたか、明かりが点く前に全員急いで冠のヒモを引き千切れ!」
    この処置に感激した犯人は次の戦争で大活躍をして重傷を負い、死に際に荘王に「アレ実は私が犯人です。今日の活躍はその時のご恩返しです」と言って事切れた。

  6. 人間七七四年 | URL | -

    董卓「ほーん(ハナホジ)」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    ※2 ※5
    相手の同意を得ない痴漢行為をしてたのと、相手の同意があって情を交わしていたのとでは、かなり印象が違う。その後の面子を保ってくれたから奮戦したというのは支那人らしいし、常山紀談で顛末があっさり描かれているのは日本らしい。対比できる処が面白いな。

    道雪にとっては大切な愛妾でもなかったんだろうな。諸事情で側女としておかれたものの、主人に、ほっぽらかされていた女なんて數知れずいたろう。男の嫉妬心が疼かなければ、色んな顛末がありそうだ。

  8. 人間七七四年 | URL | -

    昨今見られるさだまさしの関白宣言に切れているコンテクストから言うと
    「楚の荘王、痴漢にあった女の子の機転を無にして、男どうしの君臣の義を大事にしてひどい男!」
    って現代の倫理観無双エピソードになるのかしら

  9. 人間七七四年 | URL | -

    鮭様にも似たような逸話があった希ガス

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