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五段三段と工夫して、不敗の地をふまえ、必勝の旗を掲げる。

2021年07月27日 17:10

351 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/07/27(火) 15:44:16.93 ID:IgnKSJfC
天正十五年の本庄繁長による庄内の尾鐺攻めの時の事について、本庄は夏目舎人助に物語された。

「尾鐺において攻め合いの際、最上方である上山田がこちらに内通し、堅く申し合わせたが、
必ずしもこれを頼りにしなかった。戦国の最中では、こういった軍略は敵味方ともにあるものだ。
『我を欺くべし』と深く企む心根は、不明の智では知り難い。世間の約束などは、手のひらを翻すような
ものであり、思い定めた志でさえ変わることもあるのだから、上山田が内通を悔いて取りやめる可能性も
ありえる。しかしそういった事を疑っていては、出勢することも合戦することも出来なくなってしまう。

こういう所をよく思案し、予定通り上山田が裏切れば、勝利は手中にしたようなものであるが、
万一これが、上山田が越後勢を討つための詭計であったならば、これこれの武略を以て変を打ち、
それに勝つための備えを定め、五段三段と工夫して、不敗の地をふまえ、必勝の旗を掲げる。
これこどが誠に、危うからざる戦法である。」

この事を夏目舎人助は訓戒されたのだと、後に私(著者・夏目軍八定房)に伝えたのである。

管窺武鑑



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    >世間の約束などは、手のひらを翻すようなものであり、思い定めた志でさえ変わることもある
    謀反経験ある人が言うと説得力がある

  2. 人間七七四年 | URL | -

    正純「で、その五段三段の工夫は具体的にはどのような策でしょうか?」

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ※2
    稲富一夢「人に尋ねて分かるような工夫など工夫ではない」

  4. 人間七七四年 | URL | -

    尾鐺の読み方は「おこじり」でいいのだろうか
    宇都宮市に鐺山で「こてやま」と読む地名があるから最初「おこて」と読んでた

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