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大坂の陣前の怪異

2021年11月09日 17:36

168 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/09(火) 16:11:00.39 ID:48k5m+l/
慶長十九年(1614)二月五日申刻(午後四時頃)、大阪城の天守より黒気が龍の如く立ち上って矢倉に漂った。
殿中の人々はこれを知らなかったが、城外より見つけて、天守が焼けていると諸人周章し騒いで馳せ集まった。
これに城中の諸士も騒ぎ立って、人を天守に上らせてみた所、黒雲が漂っているのみにて異事は無かった。

黒気の立ち上る事は未詳であるが、或る本に。二月五日に大阪城の天守より羽蟻多く飛び去り、四月二日の
夕日の色は銅の如く、三日朝焼けの色が銅の如し、六日霰降りて寒天の如しと云う。

また叡山に一つの不思議が有った。学林房の奴である次郎が、天狗に掴まれ行方知れずになり、十日過ぎて
かの次郎は帰ってきた。そして彼は

「私はこの間、当山の次郎坊の使者として、愛宕山の太郎坊、上野の妙喜法印、鞍馬山の僧正坊、彦山の
豊前坊、大山の伯耆坊などが叡山に参集されるべきという内容の触れを届けた。即ち天狗たち各々が
集われる。」

と言ったため、皆不思議に思い八王寺の三宮に参詣してこれを見ると、天俄に曇り、甚雨疾風して大霰が降り、
その後に奴の次郎が三宮の社壇の棟に飛び上がり、そのまま落ちたが軒端に於いて起き上がり、その後は
足を揚げたり立ったりした。その他同類の者共大勢が、社の上において色々の不思議を成し、
扇を以て歌舞を行う仕草をした。また三社の扉で、尋常では二、三十人も無ければ持てないものを、
一町(約109メートル)ほどづつも投げたり上げたりした。然れどもこの扉は聊かも損じず、ただ虚空より
大礫を数多打たれたという。

或る記に、この事はこの年□月二十二日(或いは二日)、叡山南光坊の天海が駿府に来て申し上げたという。

またこの年、伊勢踊りと名付けて、庶民衣服を飾り、練絹を竹竿にかけて唱謡し踊った。
伊勢より始まって都鄙殆どで行われ、遂にこの踊りは遠州、駿州に及んだ。そして伊勢太神宮より
飛来し給うといって、幣帛を道路に飾り、これを集い見る人市の如くであった。
家康公はこれを聞き召され、巫蠱不詳の事は王者の禁ずる所なりと、堅くこれを制された事で、
伊勢踊りは止んだ。
この後、果たして大阪の乱があった、古より民の訛言、時の童謡が史書に掲載されているものだが、
この時のことも亦奇である。

或る記に、慶長十八年九月より十月に至り、畿内近国で神踊を成すとあり、又別記に、同十九年八月九日、
伊勢において天照皇太神宮、野上邑に飛び遷り給うという託宣があり、これ兵乱の兆相であると云われた。

新東鑑

大坂の陣の前の、様々な怪異について



169 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/10(水) 00:41:40.00 ID:crVLGK3A
集団ヒステリーみたいになってたのかな

170 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/10(水) 01:37:24.50 ID:Ol1jRi9E
秀吉存命時から秀吉の目が届かなかったら盗難割と頻発するくらいには風紀乱れてるようだしなぁ大坂城
それにプラスして上の逸話みたいに浪人どんどん入ってくるし雇うし、治安最悪すぎてみんなヒステリックになってそう

173 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/10(水) 21:54:36.74 ID:3P04p27p
>>168
天狗の仕業定期

174 名前:157[sage] 投稿日:2021/11/10(水) 22:55:44.33 ID:kAU9beHY
上野の妙喜法印以外は八天狗のようだ
妙喜法印は四十八天狗の一人、上野国妙義山の日光坊?
(東照大権現に日光山から追い出されて妙義山に移った伝説があるから違うかも)
なお菅原道真の師匠で、菅原道真の霊を退散させた比叡山の法性坊も四十八天狗にいるが、妙義山でも祀られてるからこちらだろうか
平田篤胤「仙境異聞」では天狗に拐われた少年・寅吉に平田篤胤が
「小田原最乗寺の道了権現、秋葉山の三尺坊、妙義山の法性房とお前の師匠の天狗は交際があるか?」と尋ねているようだし
妙義山の法性坊も天狗の中では有名だったようだ
https://i.imgur.com/3acca7H.jpg
(「北野天神縁起絵巻」を元にした漫画、坊主の方が法性坊)

177 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/12(金) 16:58:49.44 ID:juo7sUaB
>>168
林羅山「本朝神社考」p305-p306にもほとんど同じ話があった
(コマ番号154から155)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1040132
これを元にしたのだろうか
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    大坂の陣の前に白蟻で落城しそうやなぁ
    家康が秀吉死去後に実質伏見城主になって城の中巡回したら
    想像以上に見た目重視のハリボテ構造で驚いている
    関ヶ原後に伏見城作り直させたのは、秀吉の遺構を消すって以上に
    まともな作事にしたかったのだろうな

  2. 人間七七四年 | URL | -

    人々が集団で踊り狂うのも天変地異に含まれるのが意外
    辻占のように人の行いもまた天の采配という気分があったのかな

  3. 人間七七四年 | URL | -

    うむ。しかし基本的に白蟻自体の被害で建物が倒壊する可能性は低い。だが白蟻は基本的に腐った木材しか食べられないので、羽蟻が黒い霧のように見えるほど大量発生しているという事はそれだけ大規模な雨漏りなどが起きていたと言う事になり、遠からず倒壊の可能性は避けられない状態だっただろう。ただ気になるのは、白蟻の羽蟻が飛び立つ時期は現代の5月ゴールデンウィーク前後の雨が降った直後で、別種の白蟻を考えても4月から7月の間の話。2月の始めに羽蟻の大量発生は充分怪異と言える。

  4. 人間七七四年 | URL | -

    サンガツ白蟻に自信ニキ

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