191 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/16(火) 17:21:56.14 ID:pClttnhG
或る記に、上方で石田三成らが挙兵した時、真田安房守(昌幸)は息子の伊豆守(信之)を呼び寄せ、
「豊臣家に従わん」と申し聞かせたが、信之は一向に同心しなかったために昌幸は不興の顔色にて
「私は既に老年であり、立身の望みは毛頭無い。然れども海野家(真田は海野小太郎幸常の裔である)の
再興を思い、次には其の方や左衛門佐(信繁)を世にあらしめんが為ばかりに存じ立った事であるのに、
汝は内府(徳川家康)の家来である本多中務(忠勝)の縁者であることを以て、親の命に背き
不届きである!」と申した。
これに信之は、偽って答えた
「近年内府の御懇志について、一旦は私の考えも申し述べました。しかし父上が是非にも上方と
御一味するとの思し召しであるのならば、御意に従うより他はありません。」
この言葉に安房守は大いに喜び、
「其の方同心の上はいよいよ相談を遂げ、秀頼公へ一忠節無くては叶うべからず。それについて
一層熟考致すべし!」
と申すと、伊豆守も
「なるほど、心得ました。」
と言ってその座を立ち、勝手の方より密かに外に出ると、直ちに馬に打ち乗って陣所を出、
関東の味方をしたという。
(新東鑑)
信之が昌幸を欺いて徳川に味方したという、「犬伏の別れ」の別バージョン?のお話。
或る記に、上方で石田三成らが挙兵した時、真田安房守(昌幸)は息子の伊豆守(信之)を呼び寄せ、
「豊臣家に従わん」と申し聞かせたが、信之は一向に同心しなかったために昌幸は不興の顔色にて
「私は既に老年であり、立身の望みは毛頭無い。然れども海野家(真田は海野小太郎幸常の裔である)の
再興を思い、次には其の方や左衛門佐(信繁)を世にあらしめんが為ばかりに存じ立った事であるのに、
汝は内府(徳川家康)の家来である本多中務(忠勝)の縁者であることを以て、親の命に背き
不届きである!」と申した。
これに信之は、偽って答えた
「近年内府の御懇志について、一旦は私の考えも申し述べました。しかし父上が是非にも上方と
御一味するとの思し召しであるのならば、御意に従うより他はありません。」
この言葉に安房守は大いに喜び、
「其の方同心の上はいよいよ相談を遂げ、秀頼公へ一忠節無くては叶うべからず。それについて
一層熟考致すべし!」
と申すと、伊豆守も
「なるほど、心得ました。」
と言ってその座を立ち、勝手の方より密かに外に出ると、直ちに馬に打ち乗って陣所を出、
関東の味方をしたという。
(新東鑑)
信之が昌幸を欺いて徳川に味方したという、「犬伏の別れ」の別バージョン?のお話。
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コメント
人間七七四年 | URL | -
よかった…下駄を投げつけられて前歯を折った家臣は居なかったんだね!
( 2021年11月16日 18:28 )
人間七七四年 | URL | -
食えない親子感があってこれはこれで良いね
( 2021年11月16日 19:47 )
人間七七四年 | URL | -
昌幸「敵を欺くにはまず味方から」
信幸「敵を欺くにはまず敵から」
信繁「?!?!」
( 2021年11月18日 15:32 )
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