793 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2021/11/16(火) 21:52:39.66 ID:O09aI1NL
江戸初期の三河武士で、出家後に職業倫理を説いたためウェーバーのプロテスタント論と比較されることでも有名な
鈴木正三の仏教説話集「因果物語」から「幽霊夢中に人に告げて僧を請ずる事」
小田原氏直の乙名某、或る時主君氏直公の三十三年忌を弔わんと欲する時、夢中に氏直来たり。
彼の乙名に向かって「汝が心替わり故に我亡びたり。汝の逆心の恨みはいうはかりなし。
さりながら我が忌日を弔わんと思うこと祝着なり。
しからば、ただ湯の沢の山居僧を供養すべし。
其の仔細は彼和尚、毎朝ねんごろに法界を憐れみ、生飯(さば、自分の食事から仏のために取り分けた少量の飯)を取りたまう。
それが届き毎朝食するゆえに、ついに餓鬼の苦を免がれているなり。
これになんとも御礼申すべきようもなし。
然る間、此の和尚をねんごろに馳走してくれよ」と。
乙名夢覚め、則ち彼の忌日に山居の和尚を慇懃に供養せしと。
是、久しき物語なれどもたしかなることなり。
北条氏直が死後に飢えてるところを生飯でしのげたため
かつて自分を裏切った部下に「自分を供養するなら日頃生飯を取り分けてくれる僧に回向してもらってくれ」と夢で告げた話。
江戸初期の三河武士で、出家後に職業倫理を説いたためウェーバーのプロテスタント論と比較されることでも有名な
鈴木正三の仏教説話集「因果物語」から「幽霊夢中に人に告げて僧を請ずる事」
小田原氏直の乙名某、或る時主君氏直公の三十三年忌を弔わんと欲する時、夢中に氏直来たり。
彼の乙名に向かって「汝が心替わり故に我亡びたり。汝の逆心の恨みはいうはかりなし。
さりながら我が忌日を弔わんと思うこと祝着なり。
しからば、ただ湯の沢の山居僧を供養すべし。
其の仔細は彼和尚、毎朝ねんごろに法界を憐れみ、生飯(さば、自分の食事から仏のために取り分けた少量の飯)を取りたまう。
それが届き毎朝食するゆえに、ついに餓鬼の苦を免がれているなり。
これになんとも御礼申すべきようもなし。
然る間、此の和尚をねんごろに馳走してくれよ」と。
乙名夢覚め、則ち彼の忌日に山居の和尚を慇懃に供養せしと。
是、久しき物語なれどもたしかなることなり。
北条氏直が死後に飢えてるところを生飯でしのげたため
かつて自分を裏切った部下に「自分を供養するなら日頃生飯を取り分けてくれる僧に回向してもらってくれ」と夢で告げた話。
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コメント
人間七七四年 | URL | -
「死後餓鬼道に落ちた人間は食べ物が全て口の前で燃え尽きてしまい何も口にすることができないが、施餓鬼供養された物だけは餓鬼でも口にすることができる」
という知識がないと微妙にありがたみが分からん話だな。
皆知ってる知識だったらすまんな。
( 2021年11月17日 18:33 )
人間七七四年 | URL | -
こういう逸話見ると、生き残るためとは言え主君を裏切ったのはやっぱ心に伸し掛かっていたんだろうな
江戸の平和な時代まで生き残れた武士で裏切りを全く経験せずに済んだ武士はそうは居なかったろうな
( 2021年11月17日 21:22 )
人間七七四年 | URL | -
して、その乙名は何と申される方なのですかな?
( 2021年11月17日 23:57 )
人間七七四年 | URL | -
正純殿乙にございます
( 2021年11月18日 06:33 )
| URL | -
生飯駄馬生飯駄馬~
( 2021年11月18日 16:48 )
人間七七四年 | URL | -
氏直「お願い生飯、めっちゃ食べたい」
氏政「お願い生飯、汁かけたいです」
氏康「お願い生飯、粥と選びたいから」
ウー!(分けてるよ)ハー!(分けてるよ)
「和尚にお願い」
( 2021年11月19日 03:14 )
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