64 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/25(金) 17:57:09.45 ID:OijCJTa7
「大友興廃記」から高城川原の戦い(耳川の戦い)における「石宗討死」
石宗は軍配者であり「当年、日向へ大軍を出しても利は得られないでしょう。
また、島津公は初代が比企尼の娘の丹後内侍と頼朝公との間の子であり、大友家初代と兄弟ですので出陣は止めるべきです」
と申し上げたが宗麟公は用いたまわなかった。
また当陣においても、駆け引きの利を説いたものの田北鎮周は用いなかった。
十一日の暁に、味方の陣の東から気が立ち、敵城の内になびいたのを見た石宗は
「野石の気」であると考え、星野・蒲池が二心を抱いていると見抜いた。
また南に「血河の気」という雲気が立って、味方の上になびいたため、
石宗は「この気が味方に向かいくるは、河にてほろぶべき雲気なり」と考え
鎮周に使者を立たせ「この味方にかかりたる雲気が変わるまでは出陣あるまじ」と申したが
鎮周は「この鎮周、元来下人の生まれにて、雲の上の軍はつかまつらず。
雲のことは龍に伝えらるべしと思いつる」と聞き入れなかった。
「吉事はなく悪事のみで、味方の利となるべきことは一つもない。
先陣の大将・鎮周の軍法を破り、大守(宗麟)の指図の目利き虚しくなること、不忠の上の逆心というべきである。
このうえ諸軍が鎮周に同意するとなると天運の末、お家滅亡の兆しであろう」
と石宗は思い入り、秘伝の巻物を焼いて、平人として討死した。
65 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/25(金) 17:58:30.72 ID:OijCJTa7
この石宗、在世の時は道学をおさめ、玉泉(天台宗)の流れをくみ四教三観の月を我がものとしていた。
また韓信の武略に通じ、誠に真俗倚頼、文武の達人であった。
ある年、奈良に入ったついでに吉野蔵王権現の御宝前で祈っていたところ、虚空より脇差一振りが降りてきた。
石宗はこのような奇特は祈るまでないと谷に向かって投げたところ、谷から風が起こって脇差を虚空に浮き上げ、しまいには石宗のところに戻した。
石宗は三拝して宝前を去った。この脇差は今も石宗の子孫が所持しているそうだ。
またある時は虚空をかける鴉を呼び寄せ、ある時は竹の枝に止まっている雀をその状態のまま、枝を折った。
さまざまな神変奇特を起こした故、島津方の本郷忠左衛門尉が石宗を討ったあと、薩摩では石宗を大明神として崇めたということだ。
「大友興廃記」から高城川原の戦い(耳川の戦い)における「石宗討死」
石宗は軍配者であり「当年、日向へ大軍を出しても利は得られないでしょう。
また、島津公は初代が比企尼の娘の丹後内侍と頼朝公との間の子であり、大友家初代と兄弟ですので出陣は止めるべきです」
と申し上げたが宗麟公は用いたまわなかった。
また当陣においても、駆け引きの利を説いたものの田北鎮周は用いなかった。
十一日の暁に、味方の陣の東から気が立ち、敵城の内になびいたのを見た石宗は
「野石の気」であると考え、星野・蒲池が二心を抱いていると見抜いた。
また南に「血河の気」という雲気が立って、味方の上になびいたため、
石宗は「この気が味方に向かいくるは、河にてほろぶべき雲気なり」と考え
鎮周に使者を立たせ「この味方にかかりたる雲気が変わるまでは出陣あるまじ」と申したが
鎮周は「この鎮周、元来下人の生まれにて、雲の上の軍はつかまつらず。
雲のことは龍に伝えらるべしと思いつる」と聞き入れなかった。
「吉事はなく悪事のみで、味方の利となるべきことは一つもない。
先陣の大将・鎮周の軍法を破り、大守(宗麟)の指図の目利き虚しくなること、不忠の上の逆心というべきである。
このうえ諸軍が鎮周に同意するとなると天運の末、お家滅亡の兆しであろう」
と石宗は思い入り、秘伝の巻物を焼いて、平人として討死した。
65 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/02/25(金) 17:58:30.72 ID:OijCJTa7
この石宗、在世の時は道学をおさめ、玉泉(天台宗)の流れをくみ四教三観の月を我がものとしていた。
また韓信の武略に通じ、誠に真俗倚頼、文武の達人であった。
ある年、奈良に入ったついでに吉野蔵王権現の御宝前で祈っていたところ、虚空より脇差一振りが降りてきた。
石宗はこのような奇特は祈るまでないと谷に向かって投げたところ、谷から風が起こって脇差を虚空に浮き上げ、しまいには石宗のところに戻した。
石宗は三拝して宝前を去った。この脇差は今も石宗の子孫が所持しているそうだ。
またある時は虚空をかける鴉を呼び寄せ、ある時は竹の枝に止まっている雀をその状態のまま、枝を折った。
さまざまな神変奇特を起こした故、島津方の本郷忠左衛門尉が石宗を討ったあと、薩摩では石宗を大明神として崇めたということだ。
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コメント
人間七七四年 | URL | -
参謀的な意味の軍師と占い師的な意味の軍師が混在してて厄介
九州は後者の軍配者型の軍師が目立つ気がするな
( 2022年02月25日 21:16 )
人間七七四年 | URL | -
石宗さんみたいに気象予報や天文に通じてる人たちは盛られて眉唾っぽくなってしまってるけど、実際に戦場で役立ってたことは確かなんだろうな
( 2022年02月25日 22:31 )
人間七七四年 | URL | -
気が立ち上るって表現、よく軍記物で見かけるけど何かちょっと不思議な感じで好き。
感覚の研ぎ澄まされ方も現代人とは違うだろうし、音とか煙じゃなくてもっと微妙な気配を探ったのかな。
( 2022年02月25日 23:07 )
人間七七四年 | URL | -
スパイとか入り込んでるだろうから情報網をぼかすためにオカルトで語ってると思うんだが、ガチでオカルトで判断してる可能性があるから何とも・・・直感馬鹿にならんし
( 2022年02月26日 16:47 )
人間七七四年 | URL | -
島津氏も霧島神宮で籤を引いて占ったり、狐の嫁入り(天気雨)を出陣の吉兆としたり、今で言う迷信やオカルトを大事にしていたりする。
( 2022年03月28日 10:03 )
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