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巨盗に下されるのと同じこと

2022年03月12日 16:33

84 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/03/12(土) 12:58:33.65 ID:fmgbaJGW
長久手の役にて、池田勝入(恒興)、および嫡男の紀伊守(元助)が戦死したが、これに対し秀吉は、

「勝入は我に属すと言えども、その心中を察するに忠実では無かった。嗣を絶って勝入の家臣である
伊木清兵衛に六万国を与えよう。」

と、伊木清兵衛へその内意を伝えた。この伊木、元の氏は香川であったが、これより先、尾州伊木山の
群賊を滅ぼすという大きな武功を為した事を以て、苗字を伊木に改めたのである。

秀吉の内意に対し伊木は
「嫡男であった紀伊守様が既に没したと言えども、次男である古新様(輝政)には、将たるの器量が有ります。
願わくばこの古新様に勝入様の領地を賜り、池田の家を継がせて頂ければ、それは私のような田舎者を
大国に封ぜられるより超異の御恩となります。」

そう伝えたが秀吉は聴かず、これを受け入れるようしばしば厳命が下った。

伊木は大いに悩み
「命に従えば富貴を得、命に違えば死を選ぶか、追放されて亡ぶかのどちらかでしょう。
しかし主君の遺跡が絶えるのを患わず、自利を得るというのは、貧暴邪匿の凶人の成すことです。
そしてそのような者に郡邑を下されるというのは、偏に巨盗に下されるのと同じことであります。」

そのように歎き訴え続けると秀吉も、伊木の類い少ない忠貞節義に感じ入り、これによって
池田家の後継ぎとして古新を立てたのだという。

(志士清談)


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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    巨頭オ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    内容から文体まで中国の古典にありそうな逸話だ

  3. 人間七七四年 | URL | -

    ここで言う6万石って池田氏の所領である美濃大垣ではなく諏訪高島だから
    田舎に飛ばされるのを拒否ったとも取れるな
    それを許すだけの秀吉と良好な関係にあったようで
    代わりとして個人的に5000石(軍役無し)を与えられている
    伊木城攻略の際に秀吉に調略されたとも言われるので
    昔から仲良しなんだろう

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