408 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/03/22(火) 12:13:02.25 ID:uwizcW1I
三好左京大夫(義継)が将軍(足利)義輝公を討ち、その祝言の連歌をしようと連衆を集め、
里村紹巴、里村心前、灰屋紹由などが参った。座を定めて、三好殿が「発句をしたぞ」と申され、
そして句を出すと
『しやくとして しかもろとある木の上に くうくうとおなきやるハ八幡殿の御使か、
やら目出度やな』
とされた。満座興を覚ましていたが、三好殿が申すには
「”しゃく”はろの木、”くうくう”は鳩なり。」と申した。
その後色々有って百韻は終わった。
その後、織田信長公上洛の時、御咄のついでに、この発句の事を里村紹巴が御咄申した。
信長公はこれを笑われると思っていたのだが、御返事もなされず、無興にして座を立たれた。
紹巴も、どうして御意に入らなかったのだろうかと思いながら退出した。
信長公はすぐに森三左衛門(可成)を召して「先程の発句の物語を聞いたか」と仰せになった。
森が「承り候」と申すと、信長公は仰せになった
「三好が是程のうつけでは、天下を取るような事はできない。これを案ずるに、松永弾正(久秀)は
天下への望みが有って、先ず三好に将軍を討たせ、しかし三好はうつけであり、天下の支配は成らない、
その時天下を取るべしと考えている佞人なのだろう。
幸いに松永は出仕して在京しているのだから、これを早々に討つべし!」
森三左衛門は承ると
「仰せ、尤もであります。さりながら御上洛早々に、最初に出仕つかまつった松永を誅殺すれば、
今後味方に参る大名は無くなってしまうでしょう。ですので、重ねての事に遊ばされるべきです。
松永弾正は佞人なのですから、次第に悪逆を顕すでしょう。その節に成敗遊ばすべきです。」
と申したため、その時は松永安穏となった。
これは先の三好殿連歌の時の連衆の中に在った、灰屋紹由の咄だという。
(川上久国雑話)
411 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/03/22(火) 14:02:32.05 ID:OkHuMmoM
里村紹巴、「時は今」の歌会にもいるし小説の主人公行けそうだよな
三好左京大夫(義継)が将軍(足利)義輝公を討ち、その祝言の連歌をしようと連衆を集め、
里村紹巴、里村心前、灰屋紹由などが参った。座を定めて、三好殿が「発句をしたぞ」と申され、
そして句を出すと
『しやくとして しかもろとある木の上に くうくうとおなきやるハ八幡殿の御使か、
やら目出度やな』
とされた。満座興を覚ましていたが、三好殿が申すには
「”しゃく”はろの木、”くうくう”は鳩なり。」と申した。
その後色々有って百韻は終わった。
その後、織田信長公上洛の時、御咄のついでに、この発句の事を里村紹巴が御咄申した。
信長公はこれを笑われると思っていたのだが、御返事もなされず、無興にして座を立たれた。
紹巴も、どうして御意に入らなかったのだろうかと思いながら退出した。
信長公はすぐに森三左衛門(可成)を召して「先程の発句の物語を聞いたか」と仰せになった。
森が「承り候」と申すと、信長公は仰せになった
「三好が是程のうつけでは、天下を取るような事はできない。これを案ずるに、松永弾正(久秀)は
天下への望みが有って、先ず三好に将軍を討たせ、しかし三好はうつけであり、天下の支配は成らない、
その時天下を取るべしと考えている佞人なのだろう。
幸いに松永は出仕して在京しているのだから、これを早々に討つべし!」
森三左衛門は承ると
「仰せ、尤もであります。さりながら御上洛早々に、最初に出仕つかまつった松永を誅殺すれば、
今後味方に参る大名は無くなってしまうでしょう。ですので、重ねての事に遊ばされるべきです。
松永弾正は佞人なのですから、次第に悪逆を顕すでしょう。その節に成敗遊ばすべきです。」
と申したため、その時は松永安穏となった。
これは先の三好殿連歌の時の連衆の中に在った、灰屋紹由の咄だという。
(川上久国雑話)
411 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/03/22(火) 14:02:32.05 ID:OkHuMmoM
里村紹巴、「時は今」の歌会にもいるし小説の主人公行けそうだよな
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