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黒瀬山 峰の嵐に 散りにしと

2022年04月21日 17:55

137 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/04/21(木) 15:01:14.99 ID:P7oGifBM
「黒瀬山 峰の嵐に 散りにしと 他人には告げよ 宇和の里人」

 戸田勝隆に旧領安堵と音物を携えた使者が訪れ、大津(大洲)まで出頭する事になった西園寺公広が出立前に残した辞世の句です。

 この時、扈従する護衛十名は若輩の小姓も含めて全てが主君に殉じる覚悟の者ばかりで、公広自身が伯耆安綱の太刀を二尺六寸余りの無銘に大磨上げした刀を差し料として、斬り死を覚悟していたと。

 時世には、伊予西園寺家の滅亡は季節が移ろうように逆らい難いものであり、騙し討ちに遭うのも騙されて殺されるのではなく、避けがたい天命なのだと覚悟している心境を詠ったと。

 ……覚悟の上でも、呼び出しを無視して自害するのではなく、刺客を道連れに全力で斬り死する公家出身で僧侶上がりでも戦国大名だった西園寺公広の、戦国時代らしいお話。



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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    これもまた士の生き様か

  2. 人間七七四年 | URL | -

    直前の記事も併せて読んだけど、ただ流されるだけで終わらない男の意地がかっこよすぎる…

    今世でも心に響くのだから、当時は尚更こういう生き様に憧れる武士も多かったんだろうなぁ

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