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近頃笑止なる事に御座候

2022年04月25日 17:56

150 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/04/24(日) 19:18:43.37 ID:oi+Wmvg6
慶長二十年(1615)五月七日、大御所(徳川家康)は茶臼山より四、五丁という所まで至った時、
大阪城本丸の辺りから煙が立ち上った。
丁度この頃、小出大隅守三尹が大御所のもとに馳せ来た。
大御所は大隅守に「かの煙を見よ」と仰せになった。
これに三尹答えて曰く

「近頃笑止なる事に御座候(最近になく気の毒なことです)」

と申し上げた。群臣たちは「奇怪の詞かな」とささやきあったが、家康公は仰せられた

「汝は秀頼に筋目があるのだから、尤もの一言である。」
そして、哀れに思し召す御気色にさえ見えた。

この様子に、大阪落城の悦びを申し遅れじと、ここに参り集まった人々の中でも、豊臣家の御恩を被った輩は、
世に恥ずかしきことに思ったという。
この後も大御所は、宿老の者に向かって「大隅守が申した事、神妙の至りである。」と、
御感最も浅からざる様子であった。

或る本に、小出大隅守の父秀政は、尾州中村の人であり、秀吉公と同じ地に生まれたため、
幼い頃より相親しく、その後秀吉公に仕えて奉公の労を積み、ついに泉州岸和田を給わったという。

また或る本に、新井白石先生曰く、小出播磨守(秀政)は大政所の妹(栄松院)を妻にしたという。

新東鑑



151 名前:人間七七四年[] 投稿日:2022/04/24(日) 19:53:20.62 ID:VIZvEaiS
笑止は現代の意味で捉えちゃうと危ういなホントw
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    笑止を読み違えると小出がすげーやなやつになっちまうし文脈も通らなくなるもんな

  2. 人間七七四年 | URL | -

    小出のお父さんは関ヶ原後亡くなるまで豊臣家の家宰を片桐と一緒にやっていたからね
    多分、息子も大坂城に出仕していたんじゃないかな
    それで豊臣家にキツイこと言ったら今度は人間性を疑われちゃう

  3. 人間七七四年 | URL | -

    馬鹿馬鹿しいも気の毒も現代の使い方で
    昔は笑止(勝事)で良くも悪くも滅多に無い事を指したんだな
    小出も煙を見てこいつは一大事だと思わず口走ってしまい
    何言ってんだコイツと群臣たちにブツクサ文句言われたのか

  4. 人間七七四年 | URL | -

    その解釈だと大御所も頓珍漢なこと言ってない?

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