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小笠原宗忠、大神見介、臼杵主税介、渡唐の事

2022年07月03日 15:32

270 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/07/02(土) 19:17:50.79 ID:sNNpHE3Q
大友興廃記」から「小笠原宗忠大神見介臼杵主税介、渡唐の事」
小笠原晴宗の次男、宗忠は浪人として豊後で年月を送っていたが、これまたいたずらに浪人の日々を過ごしていた大神見介臼杵主税介とともに
「無為に過ごすよりは唐に渡り見物をしよう」ということで三人とも肥前長崎から海を越えて明の大王の都に渡った。
もともと大友宗麟公は明の大王と通交して遣唐使や明の勅使の往来もあったため、三人が宗麟公の御判の状を持参すると
明の天子も「懇切に遇せ」との綸言を発してくれたため、言語は通じないまでも文字により数日を暮らしていた。
あるとき禁中から遠くないところで謀叛が起きたため、御誅伐の綸言が将軍たちに申し付けられた。
宗忠たち三人は「われわれ三人に先鋒を仰せつけください。官軍は後陣で遊ばされよ」と申したところ、天子からのゆるしがでた、
三人はよろこび先手となり、わずか九十三人が籠る城へと向かった。
宗忠は小笠原の末子ではあるが軍法を極めており、槍の秘術を会得していた。ほかの二人も一流の槍の使い手であった。
城から出てきた敵兵を三人で六十八人討ち取り、大将も討ちふせ首をとった。
逃げた者どもは後軍の官軍が退治した。
明の天子の叡慮は浅くなく、望みの褒美を与えようと仰られた。
三人が言うには「先年、信長公が安土におわしたとき、道坊と言うものが
『信長公への一日の進物をください。自分の運を試そうと思います』
と申したところ、その日の進物は銅銭一貫文だけだったので、信長公は道坊を憐れんだということです。
明であればそのようなことはないでしょうから、一日の御調物を下されたく思います」
と奏聞した。
しかしその日の御調物は常々よりも少なかった。
かわった風流者だったためにこのような果報だったのだろう。
そんなこんなで明の都に一年滞在したのち、対馬・壱岐の間で嵐に逢いながらも壱岐についた。
宗忠「あら波に 船も酔へるかのみ吐て 危なき命 生(いき)の島かげ」
こうして三人とも大明国に武勇を残し、異国見物をして帰朝した。

小笠原宗忠の兄の小笠原晴定についての話は以下参照
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-13514.html
信長公 鬼月毛という名馬を豊後へ
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-13522.html
小笠原晴定誅伐の事


272 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/07/03(日) 10:29:49.56 ID:2nwEiHig
>>271
調物の件の意味がよくわからんのだが、誰か親切な人解説してもらえませんか?

273 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/07/03(日) 10:38:32.31 ID:htPLDiVZ
>>272
貢ぎ物のことだよ
あと安価ミスってるよ

274 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/07/03(日) 10:56:12.62 ID:ZJgGd5kV
租・調・庸の調

275 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2022/07/03(日) 11:53:21.91 ID:48uUtX46
ありがトン
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    児童文学の題材にできそうな冒険物語だ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    浪人崩れが東南アジアで傭兵やってたぐらいだし明ぐらいは余裕か
    タイで将軍になったりアンコールワットに参拝したりこの時代の日本人はエネルギーあるね

  3. 人間七七四年 | URL | -

    花の慶次の琉球編みたいな趣
    まあ琉球編は全体で見るとちょっと微妙なのだが

  4. 人間七七四年 | URL | -

    1567年 明国が倭寇対策のため海禁令廃止し開国
    1572年 若い頃だけ名君だった万暦帝即位
    1574年 ヌルハチ、祖父ワンカオの挙兵に参集し負けて明軍に捕らわるが脱走
    1576年 安土城落成
    1581年 上柱国と称された宰相張居正死去 これ以降、徐々に万暦帝は政務に興味を失い始める
    1583年 遼東総兵の李成梁、ヌルハチを懐柔
    1587年 大友宗麟死去
    1589年 ヌルハチ、建州五大部を統一
    1592年 秀吉の朝鮮出兵 奥宮に引きこもっていた万暦帝が久々現れ徹底征伐を唱え臣民を驚かせる

    東アジア激動の時代の直前

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