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男は黙って…、田市郎兵衛

2009年06月11日 00:07

356 名前:男は黙って…(二)[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 11:00:22 ID:unU+lH2q
田市郎兵衛は浪人して困窮していた所を、寺沢広高に四百石で拾われた。
黒田長政などはこれを惜しみ、「三千石出そう、ウチに来い!」と市郎兵衛を誘ったが、彼は
「拙者、ほとんど飢え死にせん時、寺沢家に招かれて命を拾いました。
禄の大小で、その恩を忘れられましょうや?」と、これを断った。

業を煮やした長政は、市郎兵衛の主君・広高に直談判に及んだ。
長政の執着を不審に思った広高は、理由を長政に尋ねた。

「おや、当人から聞いておられぬか?かの市郎兵衛、首供養を成し遂げた武辺者ですぞ!

しかも、ある戦で殿軍を引き受けた際、負傷者の助けを求める声に応じ、自分の馬に
これを乗せて、馬の口を取って退こうとした。
当然、敵が数人ばかり追いかけて来たが、市郎兵衛がそのうち一人を、ただ一突きで
突き伏せると、誰も追って来なくなり、彼は見事に自陣へ帰り着いた。

負傷者など放っても苦しからぬものを助けたばかりか、冷静に敵をさばき、殿軍をやって
のけるなど、並の武者では出来ぬ技。三千石出して、何が惜しかろうか?」

驚いた広高は、早速に市郎兵衛を呼びつけた。
「なぜ、己の功を誇らぬ?当家で三千石出しても良いのだぞ?」
市郎兵衛は答えた。
「実は、負傷者を救う気などありませんでした。しかし、拙者より後に退く者がいて、これを
助けて帰れば、拙者の評判が落ちると思い直し、仕方なく助けて帰ったまでにござる。」

「今どき、何と飾らぬ男よ・・・」
長政は市郎兵衛の引き抜きをあきらめたが、後々まで彼を称えた。







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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    渡辺「槍半蔵」守綱みたいな話ですなー

  2. 人間七七四年 | URL | -

    「功績じゃない」って言ってる理由が
    こっちは謙遜、あっちは三河武士的めんどくささだけどねw

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