296 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 17:56:49 ID:sXjvexJv
今川氏真の逃亡
武田に駿河を追われ徳川に掛川から放り出された今川氏真は、妻の兄である
北条氏政を頼っていた。
小田原で割と平和に過ごしていた氏真の耳にある日こんな噂が飛び込んだ。
「甲州から原隼人が使いに来て氏真殿に腹を切らせる相談があるそうだ。
いずれ切腹の検死のために内藤修理もいらっしゃるとか
今川殿も遂に年貢の納め時かね(笑)」
北条と仲良くしたいが氏真が邪魔な武田信玄は、小田原から氏真を追い出すために
小田原にそんな噂を流したのだ。
かくしてチキンハートな氏真はその流言を聞いて縮みあがる。
しかもそのうち本当に原隼人が小田原に来てしまった。
おまけに氏真を訪ねると「じきに内藤修理もいらっしゃいます」などと言う。
信玄の目論見通り、
氏真は速やかに妻を連れて船で逃亡した。
うまいこと小田原から船で逃げ出した氏真だったが運の悪いことにそれが難破して
遠州浜松に漂着してしまった。
困ったので三河の家康に
「伊勢に行こうとしたら風が悪くて船ではゆけません。馬と人足とその他色々プリーズ」
と手紙を出した。
手紙を見た家康は馬を送り、更に逗留を勧めてご馳走などし丁重にもてなしたので、
氏真はそのまま居ついた。
家康は一応信長に氏真が来ていることを知らせた。信長からは
「今川は敵だ。だが今の氏真は流浪のものだ。ぶっちゃけどうでもいい。
氏真が降参するならそれでよし、駿河に帰してやることも考えてやるか。好きに面倒見てもいいぞ」
と返事が来た。
そこで家康は、とりあえず氏真が「あ、京都行こう」と言い出すまで面倒を見た。
風流の風に誘われ氏真は京都と妻を連れ旅立った。
京都では信長に蹴鞠を見せたり茶会に出たり歌会に出たりしていた。
そして余計なこと(駿河返してよとか)言って信長の逆鱗に触れたりもした。
氏真は妻を連れて速やかに姿をくらました。
信長が本能寺で明智光秀に討たれた知らせを氏真も聞いた。
この時の氏真は信長からいつ死を命じられるかと戦々恐々としていたので、
信長が死んだと聞いて
「騙されて腹は切らぬぞ!いよいよ腹を切れというなら尋常に切るぞ!」
と怒鳴った。
そして妻を連れて姿をくらました。
以降は浜松や京都を行ったり来たりしていた氏真だが、
晩年は妻の早川殿と共に江戸の品川今川屋敷で暮らし、
妻を看取った後七十余年の天寿を全うした。
往生際の悪い氏真の話。
297 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:00:55 ID:v69C9F1M
>>296
信雄といい風流であきらめの早い奴は長生きできるな
運命に従順というか
298 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:07:41 ID:dHSkLOCR
さんざん二人で観光して死んだんだろうか。
ハネムーンの先駆けが坂本竜馬なら、フルムーンの先駆けは氏真だな。
299 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:42:15 ID:LdrGeJbT
>>296
そして駿河遠江三河をファンタジスタの住まう地にしたんですね!蹴鞠王国静岡マンセー
300 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:44:18 ID:N0Ffl34w
随分とゆったり過ごしてるじゃないかw
301 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 19:05:56 ID:knlGif0F
なんと言うか可愛いげがあったんだろーな。
302 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 20:28:36 ID:cplSsHn9
生まれてくるのが400年遅ければ世界を征し得た逸材なのにな
生まれる時代を間違ったな
303 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 20:44:02 ID:c+n1ZgJd
実家を後にしてまで夫についていった早川殿もいい嫁さんだよな。
三国同盟で結婚した中で唯一幸福そうな夫婦だし。
320 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 00:29:42 ID:FP6qw5eI
>>296
北条家出のお嫁さんは基本良妻が多いな。
お嫁さんマニュアルを嫁ぐ前に渡されるからだろうか。
326 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 01:37:41 ID:UU1gkVkc
>>320
それって「幻庵おほへ書き」のことだろ
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-category-213.html
327 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 10:09:29 ID:eLTYyzHc
>>320
さすが伊勢流の一族だね。
これはむしろ、ほっこりいい話かも。
乱世の儚さを示す悪い話でもあるけど
夫婦話リンク
武田勝頼の妻、北条夫人の願文
北条氏政とその妻黄梅院・いい話
夫婦、島津家久と亀寿・悪い話
徳川家康養女、「満天姫」・悲しい話
今川氏真の逃亡
武田に駿河を追われ徳川に掛川から放り出された今川氏真は、妻の兄である
北条氏政を頼っていた。
小田原で割と平和に過ごしていた氏真の耳にある日こんな噂が飛び込んだ。
「甲州から原隼人が使いに来て氏真殿に腹を切らせる相談があるそうだ。
いずれ切腹の検死のために内藤修理もいらっしゃるとか
今川殿も遂に年貢の納め時かね(笑)」
北条と仲良くしたいが氏真が邪魔な武田信玄は、小田原から氏真を追い出すために
小田原にそんな噂を流したのだ。
かくしてチキンハートな氏真はその流言を聞いて縮みあがる。
しかもそのうち本当に原隼人が小田原に来てしまった。
おまけに氏真を訪ねると「じきに内藤修理もいらっしゃいます」などと言う。
信玄の目論見通り、
氏真は速やかに妻を連れて船で逃亡した。
うまいこと小田原から船で逃げ出した氏真だったが運の悪いことにそれが難破して
遠州浜松に漂着してしまった。
困ったので三河の家康に
「伊勢に行こうとしたら風が悪くて船ではゆけません。馬と人足とその他色々プリーズ」
と手紙を出した。
手紙を見た家康は馬を送り、更に逗留を勧めてご馳走などし丁重にもてなしたので、
氏真はそのまま居ついた。
家康は一応信長に氏真が来ていることを知らせた。信長からは
「今川は敵だ。だが今の氏真は流浪のものだ。ぶっちゃけどうでもいい。
氏真が降参するならそれでよし、駿河に帰してやることも考えてやるか。好きに面倒見てもいいぞ」
と返事が来た。
そこで家康は、とりあえず氏真が「あ、京都行こう」と言い出すまで面倒を見た。
風流の風に誘われ氏真は京都と妻を連れ旅立った。
京都では信長に蹴鞠を見せたり茶会に出たり歌会に出たりしていた。
そして余計なこと(駿河返してよとか)言って信長の逆鱗に触れたりもした。
氏真は妻を連れて速やかに姿をくらました。
信長が本能寺で明智光秀に討たれた知らせを氏真も聞いた。
この時の氏真は信長からいつ死を命じられるかと戦々恐々としていたので、
信長が死んだと聞いて
「騙されて腹は切らぬぞ!いよいよ腹を切れというなら尋常に切るぞ!」
と怒鳴った。
そして妻を連れて姿をくらました。
以降は浜松や京都を行ったり来たりしていた氏真だが、
晩年は妻の早川殿と共に江戸の品川今川屋敷で暮らし、
妻を看取った後七十余年の天寿を全うした。
往生際の悪い氏真の話。
297 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:00:55 ID:v69C9F1M
>>296
信雄といい風流であきらめの早い奴は長生きできるな
運命に従順というか
298 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:07:41 ID:dHSkLOCR
さんざん二人で観光して死んだんだろうか。
ハネムーンの先駆けが坂本竜馬なら、フルムーンの先駆けは氏真だな。
299 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:42:15 ID:LdrGeJbT
>>296
そして駿河遠江三河をファンタジスタの住まう地にしたんですね!蹴鞠王国静岡マンセー
300 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 18:44:18 ID:N0Ffl34w
随分とゆったり過ごしてるじゃないかw
301 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 19:05:56 ID:knlGif0F
なんと言うか可愛いげがあったんだろーな。
302 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 20:28:36 ID:cplSsHn9
生まれてくるのが400年遅ければ世界を征し得た逸材なのにな
生まれる時代を間違ったな
303 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 20:44:02 ID:c+n1ZgJd
実家を後にしてまで夫についていった早川殿もいい嫁さんだよな。
三国同盟で結婚した中で唯一幸福そうな夫婦だし。
320 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 00:29:42 ID:FP6qw5eI
>>296
北条家出のお嫁さんは基本良妻が多いな。
お嫁さんマニュアルを嫁ぐ前に渡されるからだろうか。
326 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 01:37:41 ID:UU1gkVkc
>>320
それって「幻庵おほへ書き」のことだろ
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-category-213.html
327 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 10:09:29 ID:eLTYyzHc
>>320
さすが伊勢流の一族だね。
これはむしろ、ほっこりいい話かも。
乱世の儚さを示す悪い話でもあるけど
夫婦話リンク
武田勝頼の妻、北条夫人の願文
北条氏政とその妻黄梅院・いい話
夫婦、島津家久と亀寿・悪い話
徳川家康養女、「満天姫」・悲しい話
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コメント
人間七七四年 | URL | -
有楽も長生きだ…
やはり長生きのコツは教養と、生へのあくなき執念だな
( 2009年06月16日 00:15 )
人間七七四年 | URL | -
家康のもとで城主もやってるよね。
保護すれば駿河統治の名分にもなるし、反逆すほどでもないくらいに思われたいたんだろうか
( 2009年06月16日 02:25 )
| URL | -
ついでに因幡守護の座から交代寄合に転げ落ちた人も78で死んでる。
晩年は御伽衆の中でも長老的存在だったとか。
( 2009年06月18日 22:28 )
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