913 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/09/01(火) 18:19:45 ID:Rb3Rt2Kn
蓮如と、籠の鶯
本願寺八世、蓮如上人が八十五歳の時、大阪で病を得た上人は、その本拠地山科で、
病床に臥せっていた。
ある時上人は、病床近くにいた弟子の法敬、空善、了陳らと法話をしていたが、
その時、病室にあった籠に入った鶯を見て、このように言った
「あの鶯は空善が先日私にくれたものだが、『法聞け、法聞け』と鳴くのだよ。
宗祖親鸞聖人の御門徒でありながら法を聞かぬものは、人間でありながらこの鳥にも
劣ると言うものだな。
わたしはこの鳥の『法聞け』という声で心を慰めていたのだが、、もう籠に入れておくのは
可愛そうなので、竹林に放してやってくれないか?」
そこで空善が藪の中に放してくると、蓮如は、
「籠の中でさぞや窮屈であっただろうと思うが、『法聞け法聞け』と鳴く有難さに、心ならずも
今日まで閉じ込めてしまったよ。今、藪の中に放たれて、さぞ喜んでいるだろう。
それにつけても思うのは、人間と言うものも、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の
六種の迷界における、胎、卵、湿、化の、四種の生の現世を出て、西方浄土の
広大な竹林に放たれれば、どれほど喜ばしい事であろう。」
そのように、しみじみと語ったそうである。
浄土真宗を大教団へと育て上げた、真宗中興の祖、蓮如上人の晩年の心境である。
蓮如と、籠の鶯
本願寺八世、蓮如上人が八十五歳の時、大阪で病を得た上人は、その本拠地山科で、
病床に臥せっていた。
ある時上人は、病床近くにいた弟子の法敬、空善、了陳らと法話をしていたが、
その時、病室にあった籠に入った鶯を見て、このように言った
「あの鶯は空善が先日私にくれたものだが、『法聞け、法聞け』と鳴くのだよ。
宗祖親鸞聖人の御門徒でありながら法を聞かぬものは、人間でありながらこの鳥にも
劣ると言うものだな。
わたしはこの鳥の『法聞け』という声で心を慰めていたのだが、、もう籠に入れておくのは
可愛そうなので、竹林に放してやってくれないか?」
そこで空善が藪の中に放してくると、蓮如は、
「籠の中でさぞや窮屈であっただろうと思うが、『法聞け法聞け』と鳴く有難さに、心ならずも
今日まで閉じ込めてしまったよ。今、藪の中に放たれて、さぞ喜んでいるだろう。
それにつけても思うのは、人間と言うものも、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上の
六種の迷界における、胎、卵、湿、化の、四種の生の現世を出て、西方浄土の
広大な竹林に放たれれば、どれほど喜ばしい事であろう。」
そのように、しみじみと語ったそうである。
浄土真宗を大教団へと育て上げた、真宗中興の祖、蓮如上人の晩年の心境である。
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コメント
人間七七四年 | URL | -
>『法聞け法聞け』と鳴く有難さに、心ならずも今日まで閉じ込めてしまったよ。
“心ならずも”のあたりに、いかに精神が弱っていたかがわかる
心労いかばかりかと思うと、同情を禁じえぬ。いい話でした。
( 2013年11月24日 03:23 )
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