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十河一存が寒川元政を攻めた時のこと

2009年09月14日 00:26

348 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 02:51:28 ID:JoUvlw6g
十河一存が讃岐国池内城の寒川元政を攻めた時のこと。
ある日、一存は近習の鴨部源次が落ち着かない様子でいるのに気づいた。

「そうか…お前の兄は、寒川の家臣だったな。かつての主君や家族に弓は引けまい。
よし、ここで暇乞いをくれてやる。兄と馬を並べて戦場に立て。」
「お言葉ですが殿、私は二心など持っておりません。疑われるのは心外にござる!」
「お前の忠義は知っておる。が、あえて言う。実家に戻り遠慮なく、わしに掛かって参れ。」

感激した源次は、「一存様に太刀打ちするは、必ずや我ら兄弟なり。」と誓いを立て、
一存もこれを喜んで、別れの盃を与えて名残を惜しみつつ、源次を去らせた。

数日後、果たして源次とその兄・神内左衛門が士卒五十人ばかりを従え、一存の本隊へ
真一文字に襲い掛かり、左衛門の槍が一存の左腕を貫いた。
「殿!!」
家臣団の悲痛な叫びもどこへやら、一存は太刀で左衛門の槍を切り折り、返す刀で
左衛門を討ち果たした。
鴨部源次は三人を切り倒し、七、八人に手傷を負わせる活躍を見せ、討ち死にした。

一存は普段と変わらぬ挙動で帰陣した。
「はて、深手を負われたと聞いたが、ご無事だったようだな。」
家臣たちは胸を撫で下ろしたが、しばらく後、一存と湯治に行った家臣は仰天した。
一存の左腕に、生々しく槍の貫通した傷跡が残っていたからだ。
「と、殿!その傷はいったい……」
「ああ、これか?戦の最中に騒ぐわけにもいかんので、塩をすり込んで消毒し、藤ヅルを
巻いて血止めしておいたのよ。」

敵に優位を与え、重傷に平然とする豪胆さに、人は彼を「鬼十河」と呼ぶようになった。





349 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:33:28 ID:wwdkFitz
鬼だけど普通にいい主君だしかっこいい…

350 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:52:17 ID:jM56fVvM
近習使って、近習兄をこっちに引き込もうと考えないのは鬼の鬼たる所以か。


382 名前:人間七七四年[] 投稿日:2009/09/13(日) 17:11:03 ID:rM/O4ano
>>348
久ちゃん「おや、その腕の治療には温泉がよろしいでしょうな。あ、馬は葦毛はやめなされ」


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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    鬼には格好良い鬼とDQNな鬼の2種類いるということをいい悪いスレを通じて知った

  2. 人間七七四年 | URL | -

    久々に猛将
    昔の鬼はこういう身を投げ出しても勝利や名誉を求めた人のことなんだよな
    いい悪いスレで人気の鬼は文字通りの意味で鬼だから困る(AA略

  3. 人間七七四年 | URL | -

    讃岐なんて、うどん県のイメージしかなかったけど、こんな猛将の逸話もあるんだな

  4. 人間七七四年 | URL | gw3CiMFk

    格好良い方は鬼吉川、鬼義重、鬼美濃・・etc.
    DQNの方は鬼m(ry

  5. 人間七七四年 | URL | -

    オチで不覚にもワロタ

  6. 御神楽 | URL | dvUYBDnY

    森忠政「13:04のこやつを切れ」

  7. 人間七七四年 | URL | -

    かっこいい…鬼十河さんかっこ良すぎて痺れるわ

  8. 人間七七四年 | URL | -

    ※6
    自分がアレな人間だという自覚はあっt(音声途絶

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