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土佐、蓮池城謀反

2009年10月26日 00:06

746 名前:1/2[sage] 投稿日:2009/10/25(日) 15:15:03 ID:oICP9TT8
弘治三年(1557)四月の事である。

土佐の大平山城守は一条氏に属し、高岡郡高岡郷など、四千貫を領していた。
彼の居城、蓮池城は、一条氏に敵対する本山茂宗の所領、吾川郡との境にあったため、
一条氏よりの加勢も入れられていた。

大平たちとこの加勢の者達、最初の頃はよそよそしい風であったが、やがて馴れ合うようになり、
膝を交え思った事もずけずけと語り合うようになった。

そんなある時、大平がこんな事を言った

「おのおの方はどう思われる?

中村の御所の、一条教房卿、房家卿、房冬卿、房基卿は、何れも性質正直、温和にして慈悲深く、
万事倹約を守り、民の費えを嫌われていたものだが、
今の兼定殿は何事も我意に任せ、放逸無慚の御行跡であり、このままでは、行く末
おぼつかない。

どうやら一条家も末になったと思う。このままでは、やがて長宗我部か山本あたりに
その権を奪われてしまう事、疑いない。
皆もあらかじめ、覚悟をしておいたほうがいいぞ?」

これに加勢の番使たちも、「我等もそう思う」と同意した。

最後に大平は小声になって「これはあくまで、隔意の無い雑談であるから、構えて
他に漏らさないようにな。」と、囁いてこの話は終わった。

さて、内緒にするようにと言っても、そうは行かないのが世の常である。
番衆の中にいた船戸左衛門は、常に大平とはそりが合わず、何事にも対立していたのだが、
この雑談を聞いて『これこそ!』と喜んだ。

船戸はにわかに病と称して、町屋で治療をするといって城を出、中村御所へとこれを密告、
その後、さにあらぬ体で蓮池城に戻った。

さて中村御所においての評議では、蓮池の者ども逆心明らかであり、これを討伐すべきとの
声が上がった。これに土井宗三申し上げるは

「今討ち手を出せば、我らが番手に派遣している者達も、一緒に籠城してしまうでしょう。
ここは番手の交代をすると言って、城から出てきたところを皆首を刎ね、蓮池の兵を
少なくし、その上で討伐の軍を派遣すべきでしょう。」

評議の者達これに同意し、早速に偽の交代兵を派遣した。

747 名前:2/2[sage] 投稿日:2009/10/25(日) 15:15:53 ID:oICP9TT8
番兵の交代の事、蓮池城にも報告されたが、とたんに、不審の念が出た
「番兵の交代は通常十月のはずなのに、今はまだ四月。何か変更がある場合は
先だって理由の説明があるはずなのにそれも無い。なにか秘密があるのではないだろうか?」

城内でこのような議論になり、密告をした船戸左衛門は、事が発覚したときの
自分の身の危険を感じたか、にわかに逐電をした。

これに蓮池城の人々は驚き、「船戸はかねてから我らと仲が悪かったが、さては先日
病と称してしばらく城を出ていた事。あれは、あの雑談を中村に密告したのだな!
それでわかった!代兵はわれらを謀り殺すための者に違いない。」

そうはいくかと、皆集まり詮議した。

さて、それから程なく代兵たちが到着。蓮池城の者達は大いに歓迎し
「遠方よりご苦労でございました、暇乞いの杯が用意してあります。どうぞこれを。」
と、珍味を並べた膳を出し、酒を勧める。

そこは土佐である。代兵たちもその使命は言い聞かされてきたものの、酒を出されて
飲まぬわけには行かない。進めるほうもたいへんな大盃で出してくる。
これに皆、前後不覚になるまで酔っぱらった。

「頃は良し」

蓮池の者達、ここでにわかに刀を抜くと、代兵たちの首を残らず打ち落とした。
さらに別室に控えさせていた代兵の下人たちをもなで斬りにすると、城の周りの堀を深くし
逆茂木を並べ、籠城の構えを作ったと言う。


この後起こる一条の討伐軍と籠城衆との戦いも、相当の紆余曲折を経る事になるのだが、
それは又別の話。




続き
蓮池城攻防の顛末。
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-3095.html

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    何この寸止め生殺しorz
    続きを・・・・・・誰か続きを・・・・・・

  2. 名無しの日本人 | URL | -

    ???
    大平家は津野家のすぐ後、攻められて滅亡しているが…
    弘治3年は本山茂辰が蓮池城を奪った年だ。
    その辺とごっちゃになってるのかな?

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