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結城旧臣謀反騒動

2009年11月28日 00:02

660 名前:1/2[sage] 投稿日:2009/11/27(金) 17:19:02 ID:IiICFUvM
天正十八年、秀吉の奥州仕置きにより所領白河を没収、改易となった結城(小峰)義親。
その後各地を流浪していたが、改易から6年を過ぎた頃、故郷懐かしく、その身を
旅人の姿にまぎれさせ、白河へと入った。

前領主であり、人目を忍ぶ身であったので、夕暮れのさびしい時間になるのを待って、
結城家の菩提寺である、関川寺へと行く。
そこでは、記憶にあったものより寺の庭の梢は茂り、代々の墓所は、義親が改易されて以来
折々の清めも絶えたため苔むし、なんともいえない、物寂しい有様であったという。

この関川寺の住職、比丘得峰は義親が来ていることを知ると、早速、今は地下の者となっている
義親のかつての郎党たちにこれを知らせた。間もなく十人ばかりが、酒肴を持ち寄り関川寺に集い、
義親に見参、やがて酒肴を出して、宴会となった。

旧家臣たちは言う
「もう世の中は変わらない、これまでだ、などと、ご短慮をされてはいけませんよ?
梅は厳しい冬を耐えて、花を咲かせるのです。
このようにご辛苦を重ねられている上は、必ずよい日が巡って来るはずです。」

始めは静かに始まった酒宴であったが、夜が深まり、酒が回ってくる内に、皆気持ちが
大きくなっていった

「もし世が再び乱れれば、それがしは一方の大将を仕ります!」
「私もお旗本に駆けつけますぞ!」

他愛も無い酒の席での広言。
ところがこの時、この話に聞き耳を立てている者がいた。

661 名前:2/2[sage] 投稿日:2009/11/27(金) 17:22:42 ID:IiICFUvM
それは蒲生氏郷よりこの白河の支配をまかされた関一政の下人、何某と言う者である。

彼はこの関川寺の喝食の一人と仲が良く、この日の夜も、これと物語するため寺に
忍んで来ていたのだが、俄に義親が現れ寺の中が騒がしくなると、外に逃げ出す事もできず
しかたなく仏壇の下に隠れた。ここで、結城旧臣たちの、先の発言を聞いたのだ

「これは、謀反の話し合いだ!」

この何某、夜明け前ほどに酒宴がお開きになり、面々が寺より出て行くと、仏壇の下から抜け出て
関一政の元に駆けつけた。

「昨夜謀反人の談合を聞きました!そこにいたのは関川寺の住職得峰、
武士は斑目信濃、遠藤某、地下のものには当宿の検断である土蔵但馬、星三河、同源三郎、
矢部主膳といった者たちです!」

関、これを聞いて急ぎ捕り手を派遣、かの面々を召し取った。
この時、結城義親は既に、白河を出ていて、捕縛される事はなかったらしい。

が、捕まった彼らを尋問し仔細に調べてみると、謀反の証拠などまるでなく、
どうやら誤認逮捕であることがわかった。しかしどうするべきか方針を決めかね、
彼らを拘束したままにしておいた。

これに関川寺の住職、得峰は激怒し、警護の者に向って

「私は愚かな僧であると言っても、二十年余り修行しここの寺の住持を任された者である!
それを無実であるのに、このような捕縛の辱めを与えるとは何事か!
たとえ関一政はこの過ちを認め我らを開放したとしても、一体何の面目があって
再び仏に仕えることが出来るだろうか!?
もはや生きる甲斐も無い。私は関一政の目の前で自ら首を切り落とし、因果のほどを
知らしめてくれる!」

これを聞いた関は、
「あの僧の態度を見るに、例え縄を解いても感謝することなく、かえって仇を成そうとするであろう。
だいたい、事の実否はともかく、捕縛された人間が法を悪し様に言う事、その罪軽くない。
また、大勢の者が、まるで野心があるかのように広言した事、これは事実である。
よって」

得峰を始めとして捕縛されたものたち、全員斬首。
その首は獄門にかけられた、とのことである。

なんとも後味の悪い、結城旧臣謀反騒動についての話。




662 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/11/27(金) 17:26:25 ID:WmnH6cAZ
蒲生さんとこまで話が上がってたらこうはならなかった気がする

663 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/11/27(金) 17:49:35 ID:ny7uVmkZ
関東仕置き後の関東の名族はみんな散々だなあ
一番悲惨なのが宇都宮さんな気もするが、佐竹以外軒並みひどい

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    宇都宮さんは確かに取り潰され方が逆恨みの言いがかりだったり、旧領復帰の内約もらったのに秀吉死んで無しになったりしたが、子の義綱が水戸徳川の家老として拾われたからまだましかもしれない

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