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貴族はこまめに日記を記した

2010年01月07日 00:00

509 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/01/06(水) 19:20:57 ID:YS0pXap1
貴族はこまめに日記を記したが、これは子孫のために先例や故実を残さねばならなかったからだ。
それに残ってしまった悪い話。

明応の六年のこと。
摂関家の近衛尚通が、徳大寺実淳の娘を娶ることとなった。
当時の近衛家の家長は、尚通の父・政家である。
当然ながら、婚姻の話は政家と実淳の間で進められた政略結婚だった。

さて、祝儀の土壇場になって、一つの問題が持ち上がる。
実淳が、「娘を送るから輿と侍を迎えに寄こせ」と言ってきたのだ。
政家は公職にないとはいえ、かつて太政大臣まで務めた公卿トップの人物。
プライドがある。
「そんなことは先例にない。そっちで用意しろ」と居丈高な応答をした。
これに、実淳もかちんときたのか。意地になったらしく、
「『園太暦』(洞院公賢の日記)の貞和二年四月十六日の条を見てください。
近衛家が洞院家から娘を娶る時、輿を出してる。ほうら、先例はあるでしょう」
と、南北朝時代の記録まで持ち出して要求を取り下げなかった。
仕方なく、政家は迎えの人数を負担した。

政家は「件の例は不快」とはっきり日記に記したうえ、
「一向諸事は省略す(もう結婚式の段取りとか書かないわ)」と言い捨てた。

祝儀の空気や尚通妻が心配になるような事態だが、
妻・維子は公での活動も多く、長寿を全うしたようなので、幸福な家庭だっただろう。
たぶん。




510 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/01/06(水) 19:32:32 ID:a1cbga9K
冠婚葬祭の準備は本当に大変だよね…
今みたいに式場なんてないし

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    政家父ちゃんちょっとかわいいなw
    まぁそれを書いちゃってまた子孫が困ってもアレだしな。

    しかしつくづく先例が大事な世界だったんだな。
    判例を重視する法曹界を思い出した。意味合いは違うけど。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    お公家さんに「先例先例うるせーよ」と言ったのは
    山名さんだったか細川さんだったか・・・

  3. 人間七七四年 | URL | -

    てゆか先例しか武家に対抗する手段ないしね

    「500年前からこうです!」 に真っ向から否定できるひとあんまりいないし

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