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血気盛んな老将とそれを支えた二人の男

2010年01月25日 00:10

276 名前:264[sage] 投稿日:2010/01/24(日) 16:59:07 ID:exajRfVt
謙信公が励ましてくれたので俺も頑張って逸話を投下してみる。

島津家家老、新納忠元の元に次男の忠増から手紙が届いた。
忠増は島津忠恒の供をして朝鮮から凱旋し、今は京都に滞在中の身である。

手紙には、家老の伊集院忠棟が忠恒の頭越しに他大名とお付き合いを始め、
不穏な気配を漂わせている事が書かれており、地元の都城にいる息子の忠真と示し合わせて
良からぬ事を企んでる可能性もあるので用心するように、と締めくくられていた。

有り得べからざる事と思った忠元だが、これは息子からの手紙という形で忠恒から出された命令でもある。
良からぬ事、即ち謀反が起こったときに主戦場となるであろう都城の地勢について忠元は考えをめぐらした。
「都城の反乱を鎮圧するのであれば、主戦場は平野ではなく山道や田畑の畦が多い地形となろう。
 そうなれば馬は適さぬ。だがワシは七十過ぎの老将。若者達と供に戦場を走り廻るなど思いもよらぬ。
 かといって一番乗りの役目はわしが果たさねば若い者に示しがつかん…どうしたものか」
忠元の頭の中には後方で督戦するつもりなど全くなく、最前線へ出る気満々だったのだ。

七十過ぎの自分がどうやって若者達と同じように戦場を走り回るか…
兵の訓練、物資の調達を進める傍らでそんなことを考えていると、忠元の目に止まったものがある。
炭を納めに来た樵…が背負っている大きな籠だった。「そうだ、これだ!」
忠元は樵に命じて、自分が中に入り尚且つ人が背負うことの出来る籠を作らせた。
外は竹、中は藁で編んだ二重構造の籠である。

「よし、あとは背負う人じゃな。」自分を担ぎ、尚且つ戦場で走り回る。力もあり肝の据わった男がいるだろうか。
家中のものを集めて相談したところ、牢番の和泉牛之介が口を開いた。
「牢屋に繋いでいる山賊の六太郎は頭目をしていただけに力も抜群、肝も据わっておりましょう。
 助命の許可さえいただければ私が使いこなして見せます」
忠元の許しを得た牛之介は六太郎を牢屋から引き出すと仔細を説明した。
「実は斯々然々の次第で、うちの大将はお前を必要としておる。危険な仕事ではあるが、
 前非を悔いて此度の使命を全うすれば命を助けると仰せだ。どうだ、やって見ぬか?」
またとない更正の機会である。
その日から牛之介と六太郎の猛特訓が始まった。

「お役人様~、もう無理です。」
「なんだ、もう音を上げたのか」
「いくらなんでも無理ですよ。こんな大きな籠に石を一杯つめて城と山の間を往復するなんて」
「ほほう、まだ弱音を吐く余裕があるのか、それなら城から山頂までのダッシュもう1本追加!」
という会話があったかどうかはさておき。

…数ヵ月後の庄内の乱、そこには元気に走り回る牛之介と六太郎の姿が!
籠を担いだ六太郎、籠から上半身を乗り出して号令する新納忠元、
そして後ろから六太郎の籠を支え自身も予備の籠を担いだ牛之介。
猛特訓を乗り越え、文字通り三位一体となった彼らは縦横無尽に戦場を駆け、
忠元の目論見どおりに城への一番乗りを果たしたという。

血気盛んな老将とそれを支えた二人の男のお話。





277 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/01/24(日) 18:19:45 ID:TnFt+IhL
>>276
>かといって一番乗りの役目はわしが果たさねば若い者に示しがつかん
さすが親指武蔵と言わざるを得ないw

にしても殺気立ったジジイが籠に背負われて顔出してる絵はなかなかシュールだなw

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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    伝説のターボじいちゃんかと。

    大友の“鬼”ベッキーさんと戦場で直にまみえてほしかったなあ、合体籠武蔵……

  2. 人間七七四年 | URL | -

    何だこの色々無茶な人達はwww

    光景まで頭に浮かんで声に出して笑ったよ

  3. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    ファイナル・フュージョン承認ッッ!プログラム、ドラーイブ!!

    というセリフとBGMが聞こえてきそうだw

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