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阿部忠秋と松平信綱

2010年02月07日 00:11

681 名前:人間七七四年[] 投稿日:2010/02/06(土) 21:08:53 ID:tOBav2L1
阿部忠秋と松平信綱は、共に幼少のときから家光に仕え、幕府の体制作りに尽力し、家光亡き後は、
寛永の遺老として重きをなした人物である。
二人の仲はよかったが、性格は正反対であった。

ある日、家光がお供のもの(上記二人を含む。)と共に、鳥撃ちに出かけたときのこと。
鳥はたくさん見つけたが、飛び立たせるための石が近くにまったくなかった。
鳥が飛ばないと撃つこともできない。いらつく家光。途方にくれるお供の者たち。
すると、そこで進み出たのが知恵者(というより逸話見る限り頓智といったほうがいいかもしれない)松平信綱である。
「おまかせください。」

信綱は、近くを通りかかったシジミ売りからシジミを徴収すると、石の代わりにシジミを鳥に投げつける。
びっくりした鳥はあわてて飛び立ち、家光の銃の餌食に。
思わぬ大漁に家光は大いに満足。信綱もお褒めの言葉を賜った。
ここまでは信綱のいい話。

さて、鳥撃ちを終えた一行が帰ろうとするとき、阿部忠秋は、シジミ売りを呼び止め、代金を支払った。
信綱が、シジミ売りも将軍の役に立てたのだから代金は払わずともよかろうにというと、忠秋は、
「シジミ売りも生活があるんだし、将軍一行だからこそ、こういうことはきちんとしなければいけない。」と逆に説教した。
庶民への配慮を欠かさない、忠秋のいい話。

でも、信綱にしてみれば、
「将軍にシジミを献上したといえばいい宣伝効果になるんだから、わざわざ金払わなくてもいいじゃないか。」
と考えていたかもしれない。



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