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家久も立ったまま桜島などボーッと眺めていた所

2010年03月01日 00:07

323 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 16:19:50 ID:DRtWnIfU
ある日、島津家久(忠恒)が民情視察と称して五、六人のみ引き連れ鹿児島城下に出かけた。
日も高くなったころ一行は橋端で休息を取り、家久も立ったまま桜島などボーッと眺めていた所、
一匹の子犬がやって来た。犬は家久の足を柱か樹だとでも思ったか、後足を上げてシャーッと
気持ちよくやらかした。

みるみる顔色が変わり大声を上げる家久に合わせ、小姓たちも騒ぎ立てた。
「おのれ、畜生が!斬って捨てい!」「飼い主はどこだ?ここへ引っ立てて参れ!」
(いかん、これでは飼い主の命も危ない!)
一行に加わっていた茶のみ婆さんの話(http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-2155.html
でおなじみ、徳田太兵衛が突然笑い出した。
「アハハハ、神意も知らずに民情視察とは、チャンチャラおかしいわい!」
「なにぃ、わしが神意をわきまえぬと申すか!」

色めき立つ家久一行にも、徳田はひるまない。
「左様、神さまは犬をたいそう愛され、神意を下し「シャー」を許されておる。それを人間が怒るなど、
おこがましいですぞ?」
「そんな神意、聞いたこともないぞ!どんなものか聞かせてみぃ!!」
なおも言いつのる小姓に、徳田は続ける。
「ならば聞け。そもそも、犬は始めに三本足で造られた。しかし、それではあまりに不恰好で
歩行にも不便なので、神が哀れんで四本足にされたのだ。
以来、犬は神に感謝して、与えられた足を汚さぬよう片足あげてナニするのじゃ。畜生とは言え、
感心なことよのぅ。然るに、こんな礼儀正しい動物を殺すようでは、民情視察どころか…

「…徳田、もう良い!皆の者、行くぞ。」家久は小便袴のまま、スタスタと歩き出した。




324 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 16:28:50 ID:cjkn1Xj9
将軍綱吉がアップを始めました

325 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 17:31:36 ID:EWnGS4bv
鬼小島が勝負を受けてたつそうです
http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-entry-594.html

326 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 21:01:48 ID:b2FuxRTF
>>323
エノコロメシにされなくてよかったな

327 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 21:34:38 ID:ahjpanlK
>>323
こういうこと言えちゃう家臣がいるのがこの時代の面白いところだよねw

328 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/02/28(日) 21:42:46 ID:Bbx0zdxm
>>323
徳田太兵衛かっけー

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コメント

  1. 名無しの日本人 | URL | -

    凄い今更だけど、徳田太兵衛って日当山侏儒どんだったんだなぁ。
    この話見るまで全く気付かなかった。

    既出なんだけど
    褒美に家久(闇)の耳の匂い嗅ぐという曽呂利新左衛門と同じ話あったり
    褒美で針の穴から見える土地が欲しいといって針の穴から桜島(当時は実際に島)見るとか
    あるの思い出した。

    日当山侏儒物語は戦国テンプレの拾遺集なのかも知れん。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    自分が読んだ本では、徳田太兵衛(とくだ たへえ)よりも、徳田大兵衛(とくだ おおひょうえ)
    表記の方が多いですね。(ウィキでも大兵衛で出ます)
    耳の匂い嗅ぐという話もありますが、木の茶釜の話のあります。下ネタ禁止ゲーム!・いい話
    ttp://iiwarui.blog90.fc2.com/tb.php/515-549eff10の
    侏儒どんと悪久バージョンです。
    初期の本には侏儒どんは和歌で返すパターンもあります。
    例として、「名には似ず桜島にはつつじ咲き烏島には鶯の鳴く」

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