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組屋地蔵

2010年04月04日 00:06

867 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 03:34:16 ID:Ko23iSAE
組屋地蔵

慶長五年(1600)、京極高次は関ヶ原の戦功により若狭小浜八万五千石に封じられた。
新領主となった高次は、美しい小浜の砂浜に、新たな城を築くことを考えた。
海と陸を繋ぐ要衝に城を作るのは、確かに理想的であった。が、その工事は難航を極めた。

何しろ土台として軟弱な砂浜に城を建てるのだ。その基礎を築くだけでも長い年月と、領民の莫大な負担を
必要とした。その領民の負担は、金銭や労力に留まらない、

慶長六年、城壁の建設に際しその安全護持のため、人柱を立てることになった。

人柱の提出は築城工事にも関わっていた地元の豪商、組屋六郎左衛門の責とされ、
組屋は泣く泣く、自分の愛娘を人柱として差し出した。
娘は無残にも、築城のためその生命を散らした。

しかし人柱を立てたものの築城工事ははかどらず、領民の負担ばかりが増えていった。
慶長十四年(1609)、城の完成を見ぬまま京極高次は死に、息子の忠高の代となった。

寛永十一年(1634)、京極家は出雲松江二十三万五千石に転封されることになったが、その時もなお工事は続いており、
なんと天守すら完成していなかった。
新たに小浜に入った譜代大名酒井忠勝は、この未完成の城を引き継いだ。

酒井家が小浜に入って早々、不思議な噂が流れた。
蜘蛛手櫓の近くから、毎夜毎夜、女の忍び泣く声がするというのだ。
これを聞いた城代家老、三浦帯刀が調査をすると、その泣く声がする蜘蛛手櫓は、かつて組屋の娘が
人柱にされた場所だとわかった。

三浦は娘を憐れみ一体の地蔵尊を造り、彼女の魂を供養した。その地蔵は「組屋地蔵」と号され、
本丸守護の守りとされた。

寛永十九年(1642)、多くの領民の負担と犠牲のもと、小浜城はようやく完成をした。
築城開始から42年という、城の建設としては異様な長さであった。

さて、「組屋地蔵」であるが、寛文二年(1662)五月の大地震で城の石垣が崩れ、その混乱の中行方不明となり、
そのまま忘れ去られた。


ところが、それから300年ほどの時が過ぎた、昭和三十四年(1959)の事である。
水害により崩れた石垣の修復作業中、南隅玉垣の諸石の中から、この地蔵尊が発見されたのだ!
江戸期の記録から、これが「組屋地蔵」であることが確認された。伝説だと思われていた組屋地蔵の、実在が確認されたのだ。
地蔵は300年間、石垣の中にまぎれて、小浜城を守っていた。

今、組屋地蔵は小浜城跡に作られた小浜神社の入口脇に祀られ、石垣だけとなった小浜城を
静かに見守っている。




873 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 16:02:13 ID:JbqY1XkF
>>867京極さん治世の悪い話だね

政宗公と相撲とらされた酒井さんのイエスウィキャンオバマ藩ね……
城の由来には随分重い話が残ってるんだなあ。

874 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 16:25:22 ID:5blC7lKA
忠直の弟が、ペテンで幽霊から城を奪い取る話とかかな
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    この城の位置はすごい。
    本当に小さい浜の城だね

  2. 人間七七四年 | URL | mQop/nM.

    現地の案内板に有る城郭復元図を見ても、殆ど周りが水でしかないな。
    こんな場所に作ろうとか良く思い立ったな京極さんw

  3. 人間七七四年 | URL | -

     静岡市の安倍川には大正時代、水害の際に近くのお地蔵さんが人の身丈ほどに
    なって堤防の決壊を支え、住民が避難する時間を稼いでくれたけど、遂に破れた
    堤防からの激流に呑まれ、そのまま泥流に埋もれたままになってしまった、とい
    う言い伝えがある。
     実のところ、そのお地蔵さんは水害の数年前、子守をしていた子供が赤ん坊を
    おんぶ紐でお地蔵さんに括り付けたまま遊びに行ってしまい、その間に赤ん坊が
    石地蔵に抱きついたりしているうち、バランスを崩して赤ん坊を下敷きにして死
    なせてしまうと言う事故を起こしている。
     噂ではその赤ん坊の両親に詫びをするための変化だったとか…。地蔵菩薩の功
    徳は広大無辺なのだ。

  4. 名無しさん@お腹いっぱい。 | URL | -

    諏訪の高島城も諏訪湖の中にあったといってたけど
    いまはだいぶ岸からはなれてるなぁ

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