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ある山寺の僧が弟子を小僧として仕込んでいた

2010年12月03日 00:00

616 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/02(木) 21:36:55 ID:KH0ouGsx
『ある山寺の僧が弟子を小僧として仕込んでいた。
しかし、ある時この小僧は寺から逃げ出して親のところに帰って来た。

親が小僧に理由を尋ねるには
「僕は立派なりたいと思って頑張って耐えていたのですが、お師匠の
折檻が酷いので逃げてきたのです。お師匠は僕に髪剃りをさせるのですが、
初心者なものですから時々失敗してお師匠の頭から血が出ると、大変折檻されます。

それと味噌をするときに、すりようが悪いと朝夕叩かれたり、便所に行くと
便所に行くのは悪いと折檻されました。もうとても耐えられない」

なんて酷い師匠だろうと思った親は住職にクレームをつけて子どもを引き取ると言った。
すると住職は呆れた顔でこう言った。
「大人のお前が小僧のたわ言を鵜呑みにするとは情けない。
望み通り引き取ってもらうが、檀家の手前、真相をはっきりさせておこう。

味噌の件だが…すりこぎでするのが当たり前なのに、あやつは味噌を鍋に入れて塗り杓子の
背中でこするから注意してるのに、何度も繰り返して何本も杓子を折ったのじゃ。これが折れた杓子ね。

便所の件だが、わしがあやつに何か申し付けると、あやつは代官衆のために新しく作った来客用の便所で
居眠りをしおるから叱ったのだ。誰も入らないように下していた鎖を捻じ切ってな。これが壊れた鎖ね。

そして髪剃りの件だが、あやつも剃る練習をしたろうと、わしの頭を剃らせたら腹を立ててわざと
傷をつけおったのだ。ほれ、わしの頭は傷だらけじゃろ」
そのように証拠を見せられた親は納得して帰っていったということだ』

「…という話でな。これは訴訟で裁く時にも大事なことだ。一方の話だけを聞くと相手はなんて
酷い奴だと思うものだ。また納得した話であっても、ゆっくり聞くと何かおかしいと後で気づく。
断片的なことで全体を判断することなどできはしない。それさえ心得ておれば、もう何も言うまい」
板倉勝重は息子重宗にそう教えた。




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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    という「親の言い分」でした。

  2. 人間七七四年 | URL | -

    そういえば勝重さんは坊主出身だったっけ?

  3. 人間七七四年 | URL | -

    この小僧のその後が気になる

  4. 人間七七四年 | URL | -

    なにか事件があると叩きやすい方だけ叩くネット住民には耳が痛い話
    いや、そんな自覚すらないかも

  5. 人間七七四年 | URL | -

    「…と言う話でな。杓字を軽くへし折り便所の鎖をねじ切る小僧に恨まれるほど折檻して刃物を持たせて自信の髪を剃らせる坊主もまた愚かしい。例え修行を積み偉くなっても人をうまく使う術を身に付けなければ何ら意味が無い。お前も常に優秀な忠臣に恵まれるとは限らない、無能な部下に相対した時ほど器を試されるのだ。それさえ心得ておれば、もう何も言うまい」
    板倉勝重は息子重宗にそう教えた。

  6. 佐渡守 | URL | -

    *3は正純

  7. 人間七七四年 | URL | -

    この小僧、後の板倉(ry

  8. 人間七七四年 | URL | -

    でも、どっちを信じるかというと息子を信じますよ、とモンペが申しております。

  9. 人間七七四年 | URL | -

    ※5
    重宗「父上、折檻して恨まれていると申しますが、僧の証言により、小僧の言葉の信頼性が揺らいでおりまする。
    また、小僧の親も理由を聞いて納得したように、折檻云々に抗議をしてないのであれば、折檻という言葉は注意された、怒られたぐらいの話しだと思いまする。
    思うに、注意を受けて気がのらず、剃刀を雑に扱い頭部を傷つけたというのが実状。
    これで人使いの妙を喩えるは無理がありまする。
    それがしも聞かなかった事にしますゆえ、父上も他言無用にしてくだされ」

  10. 人間七七四年 | URL | Lpcq8t4.

    鎖を引きちぎった……鬼武蔵?

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