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境与三右衛門春時と羽柴秀長の合戦

2010年12月26日 00:01

960 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 18:15:51 ID:oJtZlbFG
今日はクリスマス・イヴです
籠城戦の話を募集します




967 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 23:15:23 ID:mL+gXyit
羽柴秀吉の中国攻めの際、弟の羽柴美濃守秀長は因幡丸山城の攻略を任された。
秀長軍は連日、激しく攻め立てたが、先鋒の藤堂与右衛門が城方の境与三右衛門春時と戦い、
互いに傷ついたのを期に、兵糧攻めに切り替え、じっくりと攻めるようになった。

そんなある日、丸山城に秀長からの書状が届けられた。
“この近くの山に、狼が出没している。双方で人を出して狩り、長陣の退屈しのぎにしようではないか。”

「何をこしゃくな。よし、受けて立て!」さっそく秀長軍と城方、双方で人手を出して山狩りを行なった。

秀長は狩り立てた狼を胴切りにして、頭側を手元に残すと、尾の方に酒十樽と肴を添えて城方に贈った。
思っても見ぬ贈り物に城中は沸いたが、ある者が疑問を呈した。

「敵からの贈り物だぞ?毒が入っているかも知れぬではないか!」
「しかし羽柴美濃守という男、そんな悪辣な手を使うような者ではないと聞くが。」
「うーむ、どうする?」

城中の皆が悩む中、境与三右衛門が名乗りを上げた。
「わしとしては美濃守を信じたいが、毒入りかも知れぬというのも、然るべき疑問じゃ。そこで、だ。
ここは、わしが毒見をしよう。おのおの方は、わしが飲んだ後しばらく様子を見ても、遅くはあるまい。」

この意見にみな賛成し、与三右衛門は自分の飯茶碗を取り寄せると、酒樽から七、八杯汲み上げて飲み干し、
自室で静かに座りこんだ。城の皆が注目する中、与三右衛門はそのうち体を傾けると、完全に倒れこんだ。
「すわっ!やはり毒であったか!」
城中は色めきたったが与三右衛門の容態を確かめると、かすかに息をしているので、医師をつけて見守った。

翌日の夕方になって、与三右衛門は眼を覚ました。

「おおっ、与三右衛門!おぬし一日中、寝ておったぞ。やはり毒だったのか?!」
「…いいや。あれは極上の美酒じゃ!あんな酒は飲んだことがないわ。わしは久しい篭城の苦しさも忘れ、
心を仙境に飛ばしておったわい。」
「なんじゃ、そうだったか。よーし、飲むぞーっ!!」
「あいや、待て待て!わしのような飲み方をすれば、たちまち酔い潰れて城の守りに差し支えてしまうぞ!
少しずつじゃ、少しずつ!」

こうして贈られた美酒は、城方の一人ひとりに少しずつ配られた。
「そうと知っていれば、最初にガブ飲みしておいたものを……」と、城方のうちノンベエは与三右衛門を恨んだ。


>>960のご期待に沿えるか疑問だが、篭城と贈り物のお話。




968 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 23:33:16 ID:hLdqxQMj
なんつーか双方余裕ありすぎるだろw

969 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:18:45 ID:O3ze9m3Y
一方その近所には渇え殺しにあってる城がありましたとさ(´;ω;`)

まあラスボスと秀長の違い、とか言っちゃうと話は簡単だけど

970 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:29:13 ID:d24pOLv8
真っ二つになった狼をどうするんだろう、という素朴な疑問。

971 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:41:44 ID:Ap/L5lTK
食うんじゃね?
江戸時代初期まで犬はご馳走だったし

972 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 00:46:28 ID:c218PFmw
犬食ってたってのは聞いたことあるがごちそうってのは初耳だわ

973 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:01:33 ID:GHsD1Fdz
羊頭狗肉という言葉があるように、基本的に日本や中国では劣った肉として見られてたと思うが。
朝鮮ではどうか知らないけど。

974 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 01:06:37 ID:d24pOLv8
与三右衛門の傷は癒えたようだが、その頃与右衛門は?

976 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 08:13:02 ID:E/VLMAt5
>>971
待てよ。家畜なら生類憐れみの令なんかで犬殺しを規制されたりしないだろう
どこからそんな話持ってきたの?

977 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 11:35:48 ID:8wf1wLwK
作家の藤原京がたしかそんなことを書いてたな。

江戸の庶民にとって年に数度食べる犬がご馳走だった、って話で、
それを生類哀れみの令で禁じたために綱吉はひどく庶民から恨まれたとか。

ただこれ、真偽はおいておくとしても大都市江戸の話だからな。
他の地方でどうだったかまではちょっと。


978 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 11:57:20 ID:S4WEEx4i
大道寺友山 『落穂集』

「我等若き頃迄は、御當代の町方に於て、犬と申すものはまれにて、見當り不レ申候。
 若したまさか見當り候へは、武家町方共に下々のたべものには犬にまさりたる物は無レ之とて、
 冬向になり候へば、見掛け次第に打ち殺し、賞翫仕るに付まゝの義に有之事也」

(江戸の町方に犬はほとんどいなかった。
 というのも、武家方町方ともに、下々の食物としては犬にまさるものはないとされ、
 冬向きになると、見つけ次第撃ち殺して食べたからである。)
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コメント

  1. 人間七七四年 | URL | -

    犬を食うって習慣は、日本でも明治に至るまでさほど珍しいことじゃないんだが
    犬を潰して赤肉を食う、なんて話はいくらでもあるだろう
    鹿児島かどっかじゃ昭和中期まで犬食が残ってたはずだ

  2. 人間七七四年 | URL | -

    話のネタになるかと思って、中国人系の肉屋で
    犬の肉を買って煮て食ったことがある。

    予想外にうまかった。シチュー用の牛肉に近い。
    ただ後味に酸味があったのが難点。
    犬肉だから酸っぱいのか、その店の保存状況が悪くて
    肉が酸化してしまったのかはわからない。

    それまで犬は吠えられるのが嫌で苦手だったけど、
    (品種が違うのはわかっているが)
    肉を食ったことで、「あいつは食い物なんだから」と
    許せるようになった。

  3. 人間七七四年 | URL | -

    現在食料とみなされていないものを食べる文化に対して、やたら拒否反応する人って結構いるよね

  4. 人間七七四年 | URL | -

    江戸に犬がいないのは、
    都市に野良犬は棲息できない、という単純な理由。
    そんな迷惑な野良犬を捕獲駆逐した上で、
    でも殺しはしないよ、というのが生類憐れみの令


    「なんで江戸にはあんまり野良犬がいないの?」
    「そりゃあれだ、全部喰っちまうからさ」
    100%で真に受けるな。

  5. 人間七七四年 | URL | -

    薩摩のえのころ飯が・・・
    犬そのもの食うよりもアレだぜ

    まぁ食うのは勝手だが、目の前で食われるのは抵抗あるよ
    蜂の子とか蚕のさなぎとか

  6. 名無しさん@ニュース2ちゃん | URL | -

    犬鍋は身体を温めるそうで、冬に喰うものらしいな。

  7. 人間七七四年 | URL | -

    はだしのゲソでも赤犬うめぇwwwって話があったし、戦前位まではふつーに
    食べてたのかな

  8. 名無しさん@ニュース2ちゃん | URL | -

    子供のころ見たテレビでは五島列島のあたりでは犬を食べるっていってたな。
    おいしいけどパサパサしてるっていってた。
    ちなみに昭和40年代終わりごろか50年代の話だけど、インパクトがあったんで覚えてる。

  9. 黙示録774年 | URL | -

    なんか、犬もネコもカラスもみんな人間が食っちゃったから、死んだ人には虫しかたからないというレニングラード攻防戦を思い出した

    狂犬病予防から野良犬が駆除されるのは、もっと後の話だっけか
    ちょっと犬肉食いたくなってきたw

  10. 人間七七四年 | URL | -

    昭和の犬肉食は、純粋に食糧難だからってのも有ったと思いますよ。実際、犬の徴発もされてるしね。戦争知ってる身内も、食う物無くて止むなく食べてたと話してた。

    でも、文化としての犬食は自分の地域では聞いた事が無いので、他の肉も含めた食べ物が有る地域では、余り流行らなかった可能性が有るのでしょうかね?

  11. 人間七七四年 | URL | -

    犬を食うとか有り得ん
    焼いてもぱさぱさだし煮てもあわだらけになるし

  12. 人間七七四年 | URL | IY7bLZJE

    犬はともかくほぼ肉食の狼肉ってどんな味なんだろ?
    今じゃ愛護が煩い上、日本産は絶滅したから想像しかできないけど
    犬食についてはドカベンで坂田三吉が野犬狩りしてたシーンがあったな
    おバァが赤犬は美味いと言ってた、75年辺りの掲載だからその頃にはまだ犬食も残ってたのかも

  13. 人間七七四年 | URL | -

    秀長は信長公記にちゃんと名前が載るくらい
    織田の武将としては活躍してたのに、
    武功話はホント残ってないよな

    やっぱ最期の詰めで兄貴や身内に手柄を譲ってた
    のかな~、と一ファンとしては妄想するんだがw

  14. 人間七七四年 | URL | -

    犬食う話で盛り上がってるとこ、あれなんだが

    >今日はクリスマス・イヴです
    >籠城戦の話を募集します

    ここの自然すぎる不自然な話題募集にはつっこまなくて良いのか?w

  15. 人間七七四年 | URL | -

    >13
    秀長の武将としての話は大部分が
    秀吉の活躍として統合されてしまっていると思われる

  16. 人間七七四年 | URL | -

    秀長の側で戦っていた前野長康とかの話があまり残っていないのと同じか

  17. 人間七七四年 | URL | -

    >14
    だよね、やっぱ不自然でいいんだよね。
    どうしてそうなるのかずっと引っかかってたんだけど、そういうもんなんだと
    思うことにしてた。

  18. 人間七七四年 | URL | -

    ※14
    「クリスマス」に「籠城」という点でお察し下さいw

  19. 人間七七四年 | URL | -

    会津若松の場合、クリスマスから一晩で全市民篭城せざる得ない状況になったのはカウントに入れないで下さい

  20. 人間七七四年 | URL | -

    秀長さんの武将の話というとあれか、牝馬で馬っ気作戦とかか

  21. 人間七七四年 | URL | -

    馬肉食も地域で差があるよな。

  22. 人間七七四年 | URL | -

    秀長ってケチなのか豪快なのか分からんな。
    征伐では色々、小狡い話も聞くけど

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